嫌な予感
こんな時、何と言えばいいのか忘れてしまった。『虫の知らせ』だったか?まぁ、何でもいい。
時刻は深夜2時。ラ〇ホの一室でコスプレ大会を開催し、はしゃぐ怨霊さんと藤宮を死んだ目で眺める俺は、先ほどから妙な胸騒ぎがしていた。そう、今まで何度も味わった、これから何か良くないことが起こりそうな『嫌な予感』が。
「よっしゃーっ!次はこの『巫女』衣装着てみよ―か!藤宮ちゃんなんでも似合っちゃうから好きぃー!!あ、っていうか、私だけ飲んじゃってるのもアレだし、藤宮ちゃんも飲みなよー!!」
超ご機嫌な様子で、藤宮にチューハイを勧める怨霊さん
「いただきまーす。怨霊さん、そんな褒めても何も出ませんよー!でも楽しいから着ちゃおっかなー。先輩は巫女コスどうですか?ハァハァしちゃいます?」
異常に短い丈と胸元の空いた巫女コスをしながら、挑発的な態度でこちらを見て来る藤宮。ぶっちゃけ、ハァハァしちゃいます。はい。だがそこは、何とか理性を保ちつつ、毅然とした態度で反論する
「藤宮お前、未成年だろ。酒飲むなよ?補導されっぞ_______そんなことよりさ、さっきから何かイヤーな予感すんだけど、これ俺だけ?」
こういう時の俺の『嫌な予感』は必ずと言っていいほど当たる・・・間違いない、絶対良くないことが俺たちに迫っている。
「あぁー、黙ってたけど、君の言う通り、外にいっぱい集まってるよ。特に『ヤバい』のは3人ほどかな。」
思い出したかのような表情で答える怨霊さん。この人にとっては大した問題では無いようだ。
「・・・は?怨霊さん、気付いてたの?なんで何も言ってくれないんですか!?つーか、ヤバそうな連中って一体なんなんですか!?」
「んー・・・?ま、何とかなるっしょ?それより、お酒無くなっちゃった。ちょっとフロントに電話して追加してもらおーよ。」
このアル中霊が・・・!藤宮がいまいち状況が分かっていないといった表情で、怨霊さんが言う、『外に集まっている』というヤバい連中を目視する為、カーテンの隙間から外の様子を伺う。
「んー?暗くてよく見えませんが、外に誰かいる様子はないですよ?勘違いじゃないですか?」
藤宮に続き、俺も外の様子をじっくりと眺める。たしかに、ぱっと見外の通りに人影はない。だが、よくよく目を凝らすと、路地裏・駐車場の車の影等々・・・こちらの様子を伺うように潜む人影が、いるわいるわ・・・。
「うわぁ・・・なんか、めっちゃ集まってるんですけど。これ、俗に言う『囲まれちまった』って奴じゃん・・・」
「外にいるのは雑魚だって。さっきも言ったじゃん、『ヤバい』のは3人ほど・・・あーあ、もうすぐそこまで来ちゃった。まだ飲み足りないのになぁ。」
「え、すぐそこって・・・?」
コンコン____________
突如、鳴り響くノック音。そして、無機質な、機械のような女の声。
「______ルームサービスです。」




