規格外の強さ
「よし、藤宮。俺たちは今すぐ、ここを離れたほうが良さそうだ・・・行くぞ。」
「えっ、ちょ、先輩?いいんですか?あの2人組に先輩の知り合い襲われそうですよ!?」
確かに、男2人組に今にも襲われそうな女性を見捨ててこの場を去るのはどうかと思う。だがしかし、男たちが相手をするのはあの規格外の強さを誇る『怨霊さん』だ_____逆に、彼らの命の心配をしなければいけない。
「あぁ、怨霊さんなら大丈夫だ・・・つーか、ここにいたらマジでやばい。ほら、早く帰るぞ・・!」
「わっ、先輩!ちょっと引っ張らないでくださいよ!」
納得がいっていない様子の藤宮の手を取り、急いで路地の出口を目指す
「________逃がすかよっ!!!」
「おらっ!喰らいやがれっ!!!」
路地の出口を塞いでいた男たちが見逃すはずもなく、俺と藤宮目がけて広げた両手から火の玉を放つ。
怨霊さんとの関係者である俺たちもまとめて攻撃対象になったらしい・・・まずい、避け切れない______せめて藤宮だけは守らなければ・・・!!
とっさに、火の玉から庇うように背を向け藤宮を抱きしめる。直撃を覚悟し固く目をつむる。
「______ッ!!!!・・・・・あれ?」
もうとっくに直撃しいていてもおかしくないのに、いつまでたっても何も起きない。恐る恐る目を開けると、そこには寸のところで空中で静止している火の玉が。
「先・・・輩・・・?一体何が・・・?」
何が起こっているのか訳が分からないといった表情の藤宮
「ちょっとぉー、あんたたち、なに私の連れに攻撃してんの?ほら、びびってないでかかって来なよ。」
どうやら、火の玉を空中で止めているのは怨霊さんの力らしい。怨霊さんは不敵な笑みを浮かべながら、くいっと指を動かすと、火の玉が意志を持ったように怨霊さんの手元へと移動する。
「喰らいな、これが本当の『火の玉』って奴よ。」
ゴォォォォォォ・・・!!!
怨霊さんの手元の火の玉は、元の大きさより何倍も大きく膨れ上がり、色もより赤黒く禍々しい物へと変色していった
「う・・・嘘だろ・・・・!!俺たちの火の玉が・・・・!!」
「や、やめろ・・・・そんなの喰らったら・・・・死んじまう・・・!!!」
腰を抜かした男たちはその場に座り込んで必死に命乞いをするも、時すでに遅し。はじめに伸されたときに諦めて逃げとけばよかったものの、再び怨霊さんに歯向かうからこうなるのだ。
ヒュッ___________ボウゥゥゥゥゥゥン!!!!
問答無用で怨霊さんが放った火の玉は、見事に直撃し男たちの体を吹っ飛ばす。今度は通りの反対側の歩道まで吹っ飛ばされた男たちの体からはプスプスと煙が上がっている
「うーわー・・・怨霊さん、まさかこれ、殺しちゃったんじゃないですか・・・・?ピクリとも動いてないですよ・・・。」
「先輩・・・い、一応、救急車呼んだ方がいいんです・・・かね?私も捕まっちゃいますか・・・!?」
今にも泣きそうな藤宮は、携帯を握りしめ完全に混乱しきっている。無理もない、たった今殺人現場を目撃し、重要参考人になったかもしれないのだ
「流石に命までは取らないって!安心して!ちょっとやりすぎた感はあるけど。大丈夫だって、こいつらも霊使いの端くれみたいだし。それに・・・こいつらがどんな組織なのか聞き出さなきゃだしね。」




