表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第1章 出会い編
1/202

幽霊ちゃん

感想頂けたら嬉しいです。

俺はある地方の大学に通う冴えない大学生


特にサークルに入っているわけでもなく、かと言って勉強に力を入れているわけでもない


授業には単位を落とさない範囲で適当に出ており、成績はまぁ、普通だ


人付き合いは最低限。授業が同じ奴と顔を合わせたら挨拶する程度


色々と訳があって、親とは高校卒業以来一切連絡を取っていない。そのため、学費は奨学金制度を利用し、家賃・光熱費・食費・その他雑費も自分で稼がなければならない為、バイト中心の日々である。


「くぁーーー…。暇だな。」


大学での試験も終わり、今は春休み真っ最中だ。大学生の春休みは長い。とにかく長い。俺みたいな人付き合いが0に等しい奴にとって、地獄のように長く、無意味な期間だ。


暇なら、バイトのシフトを更に増やすなり、一人旅とかしてみるなり、色々と選択肢はあるじゃん、と言う人も多いだろうが、どうもやる気が起きないのだ。今日は珍しくバイトのシフトが入っていない日ではあるが、日々のバイト漬けの疲れもあってか、特に外出してみようなんて気も起きない


いつから俺はこんな無意味な日々を過ごす、無気力人間になってしまったのだろう。バイトの為に生きているようなもんだ。と、考えるのも面倒な始末である。


「なんか面白い番組ねーのかよ。」


さっきから俺は5分ほど観てはチャンネルを変える作業を繰り返している。今の昼の時間帯は、どこも同じような番組ばかりで、俺の退屈を紛らわしてくれそうにない。


「ん・・・?」


恐らくチャンネルを5週ほどした時だろうか、変な映像が目に留まる。


「井戸・・・?」


画面には暗い森の中にある、古びた井戸が映っている。なんだろう。あの有名なホラー映画のワンシーンで見たことあるような気が・・・。この時間帯って映画放送してたっけ?


急いで番組表を見ようとする。あれ?リモコン壊れた?画面が変わらない。どのボタンを押しても同じである。画面の中では、井戸から女が這い出て来た。俺の知ってる展開だ。


「おいおい・・・嘘だろ・・・。」


画面の中の女はどんどん近づいてくる。俺の知っている例のホラー映画では、テレビから直接出てきて人を呪い殺すことになっている


「まさか・・・な・・・。]



ズズズ…


そのまさかである。なんと画面から直接白い腕が出てきたのだ。そしてゆっくりと、着実に頭、胴体と・・・。


「うわあああああああああああああああああああ!!!!」


殺される。恐怖のあまり足が動かない。


ああ、俺の人生はここで終わるのか。俺は死を覚悟して固く目を瞑った。



______




「キャッ!!じ、地面がない!お、落ちるっ…!!!」


ドスッ


ん?俺まだ生きてる?というかなんだ?今の声は。


恐る恐る目を開けると、そこにはテレビの前でひっくり返ってる少女の姿があった。高校生くらいで、白装束を着ている。なんとまぁ、間抜けな姿である。


俺の家のテレビは、1m無いくらいの高さの本棚の上に置いてある。まさかテレビから出てきた勢いでそのまま落ちたというのか。


「こ、コノヤローっ!テレビをこんな高いとこに置くなァ!グス…。今日はひざ擦りむいちゃったから帰るっ!覚えてろコノヤローっ!」


半泣きになりながら捨て台詞を言い残すと、幽霊(?)ちゃんは窮屈そうにテレビの中へ帰っていった。

シュールな光景である。


「なんなの・・・。てかもう来んなよ・・・。」


呆然と立ち尽くす俺。


画面では、先ほどの井戸の映像は映っていない。見慣れた昼の報道番組が流れている。


「訳わからん…。まぁいいか。そう言えばお腹空いたな。何か食おう。」


あれこれ考えるのは面倒だ。俺はとりあえず、腹を満たすことにした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ