人を雇う予定。
素晴らしい朝がきたっ!!
今日も元気一杯!!
ヤエさんの御起床ですよー!!
何でこんなに元気かって?
それはね、実は・・・・。
昨晩、素晴らしい夢を見まして・・・。
な、な、な、なんと!!
マイスイートハニー、エンガがオデコにチューって、きゃー!!!!!
私ったら!!
破廉恥!!
でも、しょうがねいよね!?
恋する乙女だもの!
オデコにチューしてもらえるくらいの夢は見てもしょうがないよねっ!?
むふふふふ♪
お陰様で、今日も朝から元気一杯、絶好調!!
さて、今日の朝ごはんは何にしようかなー?
クロワッサンは二次発酵まで終わらせて、エンガが来てから焼き上げればいい。
外はカリカリサクサク、中はバターがジュワーでしっとり。
食べ過ぎには注意の逸品。
エンガが食べ過ぎそうだから、半分はロールパンにしとこう。
クロワッサンにはベーコンエッグかな~?
カリッカリのベーコンと、半熟の卵。
スープは野菜たっぷりポトフ。
ソーセジも丸ごと入れて。
そうだ、ソーセージだ。
ラップで作った自家製のだから、どうにも、ぷりっぷり感が無いんだよね・・・。
でも、この世界の腸詰ってなると、腐敗臭の物になってしまうから、自分で用意するしかないんだよね・・・。
腸を取り出すところから・・・。
うん!これはちょっと保留!!
後は、温野菜。
魚介類がもう少し欲しいなぁ。
あ、バニラビーンズも上手く出来そうだし、そろそろプリンとかアイスに挑戦しても良いかも。
エンガの驚く顔が見れそう!
あ!久しぶりにケーキサクレでも焼こうかな!!
あと、今日は冒険者ギルドに行って、雇う人を確認して・・・。
と、脳内で今日の計画を立てていると、エンガが走ってきた。
「ヤエ!誰か来たぞ!」
朝の挨拶も無しに玄関の方向を向き、私を背にかばうエンガ。
ああ、朝から素敵だわ、マイダーリン。
尻尾が少し太くなってるのもプリティ。
寝ぐせだろう、右の頬の毛が全体的に上を向いている。
そうか、エンガは右を下にして寝るのね。
なんてエンガを観察していると、我が家の扉がノックされた。
「誰だ!!」
エンガの声が響く。
「あの~、す、すみません~。ヤエ様のお宅でしょうか~?」
と、恐る恐るといった様子の少年の声が聞こえる。
「エンガ、この家は防音魔法がかかってるから、こっちの声はドアを開けないと聞こえないはず。門からここまでで警戒音もならなかったし、敵意の無い人だと思う。まだ小さい子みたいだし、取りあえず出てみよう。槍は仕舞って。何かあったら、拳でお願い。」
朝からスプラッタは嫌だからね。
頷くエンガを隣に、ドアの前まで行く。
ドアスコープから外を見てみると、小学校中学年くらいの少年が1人。
小綺麗ではあるが、やせ気味な質素な服の平凡な男の子。
大きな斜め掛けの鞄を提げている姿は、イメージ的に新聞配達の少年。
見覚えは無い。
どなたでしょう?
取りあえず、出てみる。
「こんな朝早くに、どちら様ですか?」
そう、今はまだ早朝だ。
エンガの為の朝ご飯の準備も始まってない位、早いのだ。
嫌味を一つ、混ぜつつ尋ねてみると
「あ、あの、すみません!えっと、僕は運び屋の人間です。《タルタ牧場》のマルフィールさんの依頼で来ました。コレ、荷物とお手紙です。お手紙を読んでいただいてから、荷物を確認していただき、受け取っていただけたらココにサインを貰う様にと・・・。」
と、まず、差し出してきたのは蜜蝋で封されている封筒。
私が受け取る前に横からエンガが手紙を手に取った。
少年は「あ、あの、ヤ、ヤエ様に、と・・・。」とエンガに怯えている様子だが、エンガは気にしない。
手紙の匂いを嗅いで、
「ん。変な匂いはしねぇから大丈夫だと思う。俺が開けてもいいか?何か塗ってあったら嫌だしよ、俺が持ってるから、そのまま読んでくれ。」
と、封筒を開けてもいいか聞いてくるエンガ。
変な仕掛けが無いかどうか、私に害がないかどうか気にしてくれるなんて!
マイダーリンめ!さり気無い紳士!!
素敵すぎる!!
「じゃあ、開けてくれる?急いで読んじゃうから。」
と、開けたまま持っていてくれるように頼むと、満足そうに頷くエンガ。
その満足気なお顔も素敵。
更に言うならば、寝ぐせが直ってないから、プリティさもプラス。
エンガの愛しさプライスレス。
ざっと斜め読みした手紙の中身を簡単にまとめると、
【朝早くにすみません。今朝、牛1頭とランルー鳥1羽を絞めました。普段は午後の配達で肉屋に卸すのですが、ヤエさんとの今後のお付き合いを考えて、サービスとして、牛肉の一部とランルー鳥1羽を無料でお届けさせていただきます。絞めてから早い方が良いと思いましたので、早朝ながら運び屋に届けさせます。御受取いただきましたら、専用の用紙にサインください。】
との事。
膝を痛めて立てなくなった牛と、その牛の下敷きになったランルー鳥らしいので、肉質自体には問題なさそう。
しかも《絞めて直ぐ》に届けてほしいと言っていたのをちゃんと覚えていたみたい。
その為にこんな早朝に届けてよこしたらしい。
ふむ。
しかし、無料でってのはいただけない。
商人に借りを作ること程嫌な事はないしね。
でも、わざわざこの少年を使ってまで届けてくれた事を考えると、邪険にも出来ないなぁ。
という訳で、
荷物のお肉に異変がないかエンガに確認してもらい、受け取る。
その間に私はお手紙をしたためる。
【新鮮なお肉が欲しかったので、嬉しいです、ありがとー。んで、お礼にファイヤーバードと林檎をどうぞ。】
と。
ファイヤーバードはこの前、エンガとトリアと狩りに行った時の残り。
塩コショウのみで味付けて、焼いてあるやつ。
保冷鞄に入れたままだったから、新鮮なままで美味しいし、トリア曰くそこそこ有名な魔獣らしいので、これが一つ目。牛肉のお礼に。
林檎は私が育てた品種なので、丸々、艶々と美味しそうな逸品。こっちはランルー鳥のお礼に。
ジャムを渡すのは勿体無いので却下。
なんの加工もしていない只の林檎を渡します。
受領証にサインして、ファイヤーバードのソテーと林檎を袋に詰め、運び屋の少年に追加で依頼する。
このサインをマルフィールさんの元に持って帰るらしいし、ついでに多少の荷物を抱える位許されるだろう。
ここまで来てくれた分のチップと、追加で運搬を頼む正規料金、更に、帰りなのに重い物を持たせる分のチップとして多めに色を付けたら、少年は喜んで引き受けてくれた。
やはり、お金は偉大です。
オマケに、エンガが少年にも林檎を2つプレゼントした。
早朝にも関わらず、重いお肉を届けに来てくれた少年へのご褒美らしい。
さっきまでエンガにビビってたはずの少年は【こんなに瑞々しい果物を僕に?!ありがとうございます、旦那様!】なんて、現金なものだ。
やはり、この世界では、お金or物品でのお礼が宜しい様です。
勉強になりました。
自分の分の林檎を大事そうに布で包み、首に巻き付け、マルフィールさんへの荷物と手紙は専用の大きな仕事鞄に入れ、林檎をくれたエンガにだけ、手を振って去っていく少年を見送る私達。
どうやら、少年にとって《多めのチップをくれた人間のお姉さん》より《お店で見たことが無いほど瑞々しい、恐らくお金では買えない、貴重だと思われる林檎をくれた獣人のオジサン》の方が素晴らしい存在だったようだ。
手も振ってもらえないなんて、ヤエさん少し寂しい・・・。
エンガが私に
【小せぇのに、朝早くから偉いな。牧場からここまで遠いんだよな?足、真っ黒にして。きっと、家族の為に頑張ってんだ。なあ、俺もチップ?あげて良いものか?でも、金ばっか沢山やるのも、なんか違ぇよな?どうしたら良い?】
って、家族の為に頑張る勤労少年を想像して、感動しつつ、相談してくれたので、エンガが以前に自分の手で収穫した林檎をあげてみたら?とアドバイスしてみたんだけども、まさか、お金よりも喜ばれるとは・・・。
まあ、エンガは嬉しそうに手を振って、頑張れよ!なんて声をかけてご機嫌だから良いか。
と、何時までも見送っているエンガに声をかけて、2人で朝食の準備をするために家に戻った。
顔を洗いに行ったエンガが、寝ぐせに気付いて頬を染め
「俺、こんな顔であの子に林檎渡したのか?教えてくれよぉ、ヤエ、俺、恥ずかしい・・・。」
という胸きゅんシーンを終え、
昨晩作ったお揃いのエプロンを着て、朝食の準備を開始。
クロワッサンを焼いて、その間に他の物も作ろう、という段階で、エンガはクロワッサンが焼けるオーブンから離れなくなった。
忙しなく鼻を動かし、キラキラとした表情で、大きな身体を折り曲げ、オーブンの中を覗き込むエンガ。
ギャンかわ。
一応「他の物も作っちゃうね~。焼ける様子、確かめててね。焦げそうだったら教えてね~。」
と声をかけ、いかにも大役を与えたかのようにしてみたが、果たして聞こえているだろうか。
チャチャっと他のおかずを作り終え、エンガが見守る中、焼き上がったクロワッサンを皿に載せていく。
ロールパンを鞄から出して皿に盛り、テーブルの上に並べれば朝食の完成。
エンガは品数が少なくても文句言わないから、本当に助かる。
量は多いけど、何種類も作ってたら気が遠くなるだろう。
今日もエンガの慎ましさに感謝し、2人で手を揃えていただきます!
パリっ!
っという音と共にクロワッサンを咀嚼していくエンガ。
うんうん。
ちゃんとバターとの層が出来てて、今までで1番の出来。
魔法を使いつつ、業務用のパイローラーを使えるから可能なんだよね。
自宅では出来ないお味。素晴らしい。
ベーコンエッグもウマウマ。
クロワッサンを始め、全ての食事をペロッと食べ終えたエンガは目を細めて自分のお腹をナデナデ。
幸せそう。
うむ。
今日もわたくしは良い働きをしました。
さて、お片づけはエンガがしてくれるというので甘えて、今日の予定を再確認。
さっきは途中で邪魔が入ったからね。
今日のメインは冒険者ギルドで《もしゃもしゃ草》の店番をしてくれる人間の面接。
というか、短時間でも良いから実際に働いてもらうつもりである。
複数の場合は、時間を入れ替えて働いてもらう。
その間に、私とエンガは真向かいにあるエンガのお店《もふもふ雲》を開店しつつ、働きぶりを監視する予定。
エンガには申し訳ないが、私だけ少し席を外して、エンガへの対応も見たい。
エンガをちゃんと【雇い主】として見るかどうかのテストもしたい。
今日で決まると良いんだけど・・・。
先日の冒険者ギルドの様子からすると難しいかなぁ・・・。
屑しかいなそう・・・。
っと、冒険者ギルドに行くまでまだ時間があるので、《もふもふ雲》で出すお菓子を作りたいと思う。
魔具も作ったし、エンガのお皿洗いも終わったみたいだし。
「お皿洗いありがとう、エンガ。助かったよ~。」
と、お礼を言うと
「おう!綺麗に洗ったからな!後、他にやる事あるか!?」
と、朝からヤル気満々モードのエンガさん。
「じゃあ、エンガのお店の商品作っちゃおう!」
「おお!俺の店の商品!お菓子か!?作る!手伝う!任せろ!」
と、ウキウキ状態のおっさん、可愛いわ。
ウキウキのエンガを連れて、魔具が置いてある部屋へ移動。
そして、2人で協力しながら巨大ミキサーを使って材料を練り上げていく。
魔法をフル活用して生地を冷やし、伸ばし、型にはめ、切り落とし、オーブンに入れて時間を進め・・・。
と作業していく。
今日は初日だし、人が来てくれるか分からないので、作るのは少量である。
得体の知れない女の子と、獣人が作るお菓子屋さん、初日で馬鹿売れは無いと思うのよね。
それに、《数量限定》とか《売り切れ御免》とか、購買意欲そそられない?
ちなみに、わたあめはまだ出さない。
今日は冒険者も見張らなきゃだし、わたあめにまで気を回してられない。
で、本日、作り上げたのは
《イチゴのタルト》と《大学芋》と《クッキー》と《エッグタルト》と《ランルー鳥のから揚げ》である。
なんだ?そのラインナップと思う方もいらっしゃると思う。
なので、簡単に説明させていただこう。
まず、《イチゴのタルト》
これは王道のホールタルト。8つに切り分け、小売りも可能。エンガの味見の分も考えて、2ホール用意した。
バターたっぷり、サクサクのタルト生地に、自家製バニラビーンズをたっぷり使ったカスタードクリームと甘さ控えめのホイップクリームを載せ、その上に半分に切ったイチゴを並べた甘酸っぱい青春の味。
値段はお高め。
今後、イチゴ以外にも洋ナシやモンブランのタルトなんかも考えている。
スポンジケーキも近いうちに出そうかな。
次に《大学芋》
美味さは前日のエンガとの深夜のクッキングで証明されているので説明はない。
これは量産できるのと、紙製の袋に詰め込んで売れるので、値段も安く、身近な芋なので売れやすいんじゃないかと期待。
少し多めに用意してある。
そして、今回の目玉商品。
《クッキー》
しかし、これは普通のクッキーではない。
作り方はいたって普通である。
味もいたって普通である。
正方形の5センチ四方のクッキーである。
しかし、この商品には仕掛けがしてある。
少し分厚めの紙で包装されたクッキー、実は中身が2種類存在する。
一つは何の変哲もない、真っ白な美味しそうなクッキー。
そして、もう一種類は、車の型でうっすらと跡が付けてあるクッキーだ。
包装紙の上からでは分からない、全く同じに見えるクッキーだが、15個に1個の割合で、車の形の模様が付いているクッキーがある。
それが【当たり】。
その【当たりクッキー】を引けば、《小さなエッグタルト》か《ランルー鳥のから揚げ串》が貰える、云わば当たり付きのクッキー。
商品名は《ラッキークッキー》である!
ちなみに、エッグタルトは直径6センチの物を1個。
ランルー鳥のから揚げ串は3センチの唐揚げを2個挿した串。
このどちらかを選んでもらう事になる。
更に更に!!!!
この《ラッキークッキー》は、驚きのお値段!!
もしかしたら、エッグタルトや唐揚げ串が貰えるかもしれないというのに、日本円にすると1つ10円程度!!!!
なんとお買い得な!!
この世界では、クッキーでさえ甘味としてそこそこの価値があるだろうに、更にこんなラッキーな要素付き!!
正直、本来なら赤字である。
赤字以外の何物でもない。
だがしかし!!!!!!!!!
このラッキークッキーには、最大の目的があるのだ。
それは
【《ラッキークッキー》は《エンガ》からのみ購入可能】
だという事。
お小遣いが少ない子供や、甘いものが好きであろう女性をターゲットとした赤字覚悟の
『自分からエンガに話しかけてみて。ほら、お話ししてみると怖くないでしょ?イイ人なのよ、マイダーリン』計画
である。
ちゃんとエンガにも「少しでも街の人と話をする切っ掛け作り」と説明してあるし、面白そうだと言ってくれたので実現した商品である。
ちなみに、このクッキーは【一人一つしか買えない限定品】とさせてもらう。
そうすれば、代表者が纏めて購入なんて事も出来ない。
クッキーは、その場で【当たり】を確認し、【当たり】ならば景品を渡し、当たりクッキーを半分に折る。
それで交換完了である。
赤字商品!とはいえ、
チート持ちの私からすれば、多少の手間暇はかかっているが、赤字でも何でもない。
当選景品のエッグタルトは他のタルトのついでに作れるし、デコレーションしなくていいから簡単。大量生産可能。でも、ちゃんとした御菓子感がある。
ランルー鳥の唐揚げは《もしゃもしゃ草》でパック売りする予定の商品の横流しである。
子供の中には唐揚げのパックを丸ごと買うほどお小遣い貰えてない子がほとんどだろうから、嬉しいご馳走だろう。
それに、このクッキー自体も簡単。
巨大ミキサーで混ぜて、時短魔法を使って冷蔵庫で休ませた生地をローラーで伸ばして、端から端までクッキーカッターを転がす。
んで、そのうちの何個かにエンガが車の型を押し付ければ出来上がり。
エンガとの共同作業なんだよ。
素晴らしい。
そして、これも大量生産品。
全商品を味見したエンガも
「ふんまぁ~~~~!!」
と、お口の周りに食べカスを付けつつ喜んでくれた。
イチゴのタルトはすでに四分の三、エンガのお腹の中である。
商品に出せるのは1ホールと四分の一、つまり1ホールと2カット分である。
ラッキークッキーも焼きたて熱々を食べ、エッグタルトも温かいままモグモグ。
大学芋もポリポリ。
今朝届いたランルー鳥を唐揚げにしたものも熱々をモグモグした。
エンガ曰く、ランルー鳥は不味くないけど、ファイヤーバードの方が美味い。とのこと。
まあ、ランルー鳥は商品であって、私たちが食べるのは今後仕入れる予定のお高い鶏や、エンガと狩りに行って手に入れる鳥類なので問題ない。
他人が食べる物に、こだわるつもりはない。
美味しい物はエンガを筆頭に仲良しさんだけで食す所存である。
とまあ、話は逸れたが、先ほど作ったの商品を《もふもふ雲》の店主であるエンガの鞄に詰め。
以前作った《さつま揚げ》や《オニオンリング》《フライドポテト》と、今日作った《ランルー鳥の唐揚げ》を全て、《もしゃもしゃ草》の店主である私の販売専用の鞄に入れる。回復薬も私の鞄の中である。
そして、準備を整え、2人で冒険者ギルドへGO!!
__________________
冒険者ギルドへ到着すると、なんとまあ、驚きな光景が・・・。
「おっ、お待ちしておりましたー!!ど、どうぞこちらへ!中へご案内させていただきまっしゅゥ!」
と、以前お世話になったドジっ子受付嬢ちゃんが扉の前で待ち構えていた。
相も変わらず、どこぞの怖い組織の舎弟の様な見事なお辞儀を披露してくれているのだが、周りからの目が痛い。
「ああ、どうも~。こんにちは。すみません、お待たせしたみたいで。今日はよろしくお願いいたします。」
軽いジャブのつもりが、相手にはアッパーだったらしい。
「いいいいいいえ!!!!!私が勝手に待っていただけですので、お気遣いなくっ!大丈夫デス!待つの大好きデス!元婚約者に《4時間待たされても平気な女》と呼ばれるくらいなので、本当に、平気だず!!」
と、後半はいらない情報を涙ながらに教えてくれた。
「・・・そうですか。忍耐強いんですね。あ、案内お願いします。」
もう、他に何と言えと言うんだろう。
エンガも苦笑してるよ?
「あ゛い、こちらへ、どうぞ・・・。」
と、先頭を歩く彼女の落ち込み具合がもう、本当にギルドの職員か?
お前、仕事中だって分かってるか?
ってレベルである。
兎に角、これ以上つつくと泣き出しそうなので、何事も無かったかの様な空気で後ろを付いていく事にする。
余りに面倒そうな子なら、チェンジを頼もう。
そんなこんなで案内された個室の中。
思っていたよりも人数が多くて驚いた。
女性が4人、男性が8人。
給金が良かったからだろうか?
「こんにちは~。僕は冒険者のモンカです。店番を募集という事で・・・。」
と、突然話しかけてきた男。
勿論、エンガが私の前に出てシャットアウトする。
すると、
「ッチ、獣人ごときが。僕はそちらの雇い主様とお話してるんだよ。お前みたいな奴隷に邪魔される筋合いはないよ?大体、奴隷ごときが僕の前に立つなんて、何様のつもりだい?膝を折れ。地に伏せろ。獣は獣らしく四つん這いにでもなってろ。全く、これだから獣人は嫌いなんだ。躾がなっていない。」
おいおいおい。
嘘だろ?
まさか、【一番重要】だと告げた筈の募集条件が守られていないなんて。
いやいやいや、後ろで笑ってる奴らもアホか?
エンガも驚きの表情で、目をパチクリしてるんですが。
ギルドの職員のお嬢さんはもう、白目向いてるんだけど?
とにかく、こいつらは帰ってもらって良いよね?
「あの~、貴方とそちらの3人。ちゃんと応募条件を見てから来ました?もしかして、字が読めなかったりします?それなら、ウチでは雇えないので他に行ってください。」
と、馬鹿モンカとその他3人に告げる。
4人は目を真ん丸にしているんだが、何だ?
どうしたの?
もしかして、頭悪いとか?耳まで悪いとか?
おいおいおい。
冒険者ギルドさんや、とんでもないの紹介してくるな。
どうなってんの?
そう思っていると
「何を言っているんですか?僕は優秀ですよ?字も読めますし、計算も速いです。それに、奴隷で獣人なこいつには当然の対応でしょう?貴方の躾がちゃんとしていないから、僕が代わりに言ってあげたんですよ。」
と、何故かドヤ顔の4人。
うぇぇぇぇぇ。
嘘だろ?
私、この前もここ、冒険者ギルドで説明したのに、また説明すんの?
クソめんどいんだけど?
しかも、エンガはもう首輪してねぇーし。
注意力散漫。警戒心も無い。
これだけでも断る理由になるよね?
「あー、いや、いらないんで。ホント、エンガを馬鹿にするやつとか、死んでほしい位なんで。お前が何様?な状態なんで。ウザいんで。なんでここに来てんの?って状態なんで。4名様、脱落でーす。あ、ついでにエンガは奴隷の首輪なんてしてないんで。気付かないなんて冒険者としてどうなんですかー?思い込みが激しい人なんですね?ああ、ちなみにエンガは私のパートナー様なんで。馬鹿にするやつはフルボッコなんで。取り敢えず、殴るんで、歯ぁ食いしばって下さい。」
返事は聞かず、足に力を込めて瞬間移動なみの速さで移動し、4人をそれぞれ、顔面の右側から1発、腹部に2発ぶち込んでフッ飛ばしておいた。
モンカの歯が飛んだが、あいつはエンガを言葉で攻撃したんだから当然だ。
手足をもがれなかっただけ有り難く思え。
他の人達が目を見開いているが、どうでも良いわ。
「ねー。ギルドのお姉さん、どうなってるの?一番重要な事が守れない馬鹿がいたんだけど?私、怒ってるんだけど?他に、同じような屑はいるの?ちゃんとそっちで選んでくれたの?これ。どんな基準なの?」
まあ、分かるよね?
エンガを馬鹿にしたんだから、ヤエさん激おこよ。
プンプン丸よ。
「ぎゃ、ぎゃひー!!!!!わ、私知りません!!ギルマスが、厳選して、今までの功績と、人格で判断して、私じゃないです!!しりませんでした!こんな屑だなんで!しりませんしてー!!!!」
と、舎弟のお辞儀再び。
「殴らねーで!」「死んじまう。」「その威力、私、死ぬ。」
と繰り返す受付嬢さんはまあ、そういう事ならしょうがない。
ギルマスには逆らえないだろうし、人となりまでこの人が確認したのか分からないし。
しかも、冒険者相手に《屑》言っちゃってるし、この人。
それに・・・・。
まさかのまさか。
エンガさんが笑ってらっしゃる。
酷い言葉でショック受けてるかと思ったら
「ブフッ、す、すまん。《ぎゃひー》なんて初めて聞いた。」
と、受付嬢さんから必死に目を逸らすエンガさん、可愛い。
ツボったのね?
でも、他の女に気が向いてるのは面白くない・・・。
「まあ、他のがまともなら良いんだけど・・・。」
急いで話を戻して、他の人をチェック。
まあ、女の人は気の強そうなの2人とボンキュッボン2人の2チーム・・・。
冒険者に清純派はいないのかな?
女の人はあんまりエンガに近寄っては欲しくないので、私が前に立つ。
すると、
「ん・・・。あいつら、クセェから嫌だ。」
と、エンガがボンキュッボンのおねぇさん2人を指差した。
マジか。
当の本人達は顔を真っ赤にして怒っているが、
「なんか、鼻が痒い。こうすい?クセェ。俺、あいつら嫌だ・・・。」
と、私の袖を引くエンガ、可愛いな、おい。
オッサンが、袖をくいくい引っ張りながら、嫌々と首を振る姿。
マジで可愛い。
鼻血出そう。
外じゃなきゃ今頃、血の海だぜ、エンガさん。
私、この世界に来てから一番強くなったの、鼻の粘膜だと思うわ。
ガチで。
エンガさん、本当になんて罪な男なの。
「という訳で、香水が強いお姉さん方、食品に匂いが移る可能性もあるので、申し訳ございませんが、今回はご縁が無かったという事で。お帰りはあちらです。ご応募ありがとうございました~。」
まあ、当然、怒りながら帰って行ったけど、どうでも良いわ。
「おい。私たちは合格なんだろう?なら、話を進めてくれ。」
と、気の強そうな女性剣士が声をかけてきた。
そうだね。
残ったのは女性2人、男性4人。
詳しい話をここで進めて、その後、実際に働いてもらおう。
そう思っているともう一人の弓使いの恰好の女性が話しかけてきた。
「まず、此方の条件も話させてもらうわね。」
って・・・。
はあ?
何言ってんの?
コッチは給金出すし、ちゃんと募集内容で提示してんだから、それ以上の事をこっちに求めてんじゃねぇよ。と思うが、相手は勝手に話し始めた。
「ふふふ、分かってるわ。本当の依頼主はお嬢ちゃんじゃなくて、そちらの獣人さんでしょう?お嬢ちゃんはそちらの獣人さんの雇われの護衛さん。冒険者ギルドは獣人が嫌いだから、お嬢ちゃんが代わりに依頼として店番を募集した。そうでしょう?でも、それは契約違反よ?お嬢ちゃんがどんなに強くても、幼いから分からないかもしれないけど、依頼は本人じゃなきゃダメなの。ギルドにお金を沢山取られるからって、こんな幼い子に嘘で依頼届を出させるのは駄目よ。もし、この件で契約するのであれば、お互いにもう一度、契約の条件を照らし合わせないと駄目ね。分かるかしら?先に違反したのはそっち。私たちの条件に譲歩するのがそちらの獣人さんのすべき事よ。」
と、何やら上から目線で頓珍漢な事を述べる弓を背負ったお姉さん。
しかも、他の奴らも頷いてるし。
え?マジで?
皆そんな馬鹿みたいな事考えてたの?
え?どうなってるの?
本当に、どんな理由でこんな奴らを選んだのよ、ギルマスさん。
あんたの目は節穴だらけだ、馬鹿野郎。
周囲を見渡してみると、全員が頷いてる。
ここまで来ると笑えるなー。
こいつら、
【はっ!分かったわ!この女の子は強いから護衛よ!きっと!なら、依頼者は獣人の方!回復薬を売るくらいだもの!こんな若いお嬢ちゃんな訳がないわ!卑怯な手を使って依頼料をちょろまかすなんて!交渉して色々ぶんどってやるわ!!騙されないんだからっ!どやぁ!!】
って事でしょう!?
ぶっほぉ!!
ヤバイ!!ウケる!!
と、私が必死に笑いを堪えていると
「良く分からんが、依頼主はヤエだぞ?そもそも、俺は《もしゃもしゃ草》の店主じゃねぇし。俺は《もふもふ雲》の店主だかんな。《もふもふ雲》はお前らに頼む気もねぇし、ヤエと2人でやる店だからな?」
と、困った様子のエンガ。
他の奴らも《もふもふ雲》なんて初めて聞く単語が出てきて困惑モードだ。
「ぶっほぉ、ほぉ、いや、すみません。私が《もしゃもしゃ草》の店主なんですよー。まあ、今更どうでも良いですかね。なんか、勘違いも甚だしい人ばっかりで、笑えちゃいました。思い込みに注意した方が良いですよ?皆さん。で、受付のお姉さん。同じ条件で新しく募集してください。こんなふざけた人達を相手にするの時間の無駄ですし、面倒なんで、次はちゃんと人選してからお願いします。」
とお願いすると
「ッシャーす!!!!」
と、また舎弟のお辞儀が。
雰囲気的に「良かった!なんか分かんないけど、許してもらえるみたい!私!まだ生きるぅっ!」みたいな感じで、もはや一種の芸風みたいになってて笑える。
待てよ。このお姉さん使えるかも。
「次はギルマスじゃなくて、お姉さんが選んでみてください。この人なら、大丈夫かもって人。この人なら《私》を怒らせなさそうだって人。ちゃんと働きそうだって人。選んでみてください。もしまた屑が来ても次だけはノーカンにするんで。お姉さんを怒ったりしないって約束するんで。」
そう言ったら、
「うえはぁ?」
と、間抜け面をさらしたお姉さんだったけど、内容を理解してからは顔を青くした。
んで、そんな間にも
後ろの外野共が煩いんだが、帰っても良いだろうか?
『せっかく回復薬が安く買える機会なのよ!手放してなるもんですかっ!!』
『お前らが余計なこと言うからだろ!俺らは違ぇぜ!何個か魔力回復薬を回してくれりゃ、文句ねーよ!』
『おい!店ごと俺に寄こしな!!』
うん、取りあえず、最後のやつだけはグーでぶん殴っておいた。
何回か回転してから べしゃっ なんて鈍い音と共に地に伏したが、まあ、どうでも良い。
ギルドのお姉さんが震えていたが、やたらと頷いていたので、私のお願いを聞き入れてくれたんだと思おう。
「じゃ、よろしくね~。ああ、ギルマスさんにも ヨ ロ シ ク 言っといて下さいね。」
と、挨拶して冒険者ギルドを後にした。
もう、本当に無駄な時間を過ごしたよ。
ちゃんと人材派遣出来ないなんて、冒険者ギルドの意味あんのか?あそこ。
存在意義を問いたい。
エンガと2人で手を繋ぎ、露店街へ向かう。
《もふもふ雲》を開店するのだ。気分を入れ替えねば。
「ごめんね、エンガ。また嫌な思いさせちゃった。あんなことにならない様に頼んだのに、なんでこうなったんだろうね?次はギルマスに直接攻撃仕掛けてみようか。物理で。」
割とマジである。
私のダーリンを傷つける奴は万死に値する。
それに、私は男だろうと女だろうと殴れる人間なので、美人でせくすぃ~なギルマスでもフルボッコするよ。
エンガの敵は私の敵。
「んぶっふ。」
ん?
エンガさん、今、噴き出した?
え?もしかして、未だに《ぎゃひー》がツボってんの?
長くない?
しかも、んぶっふって最高に可愛いんだけど。
「いや、悪ぃ。なんか、自分の欲に素直な奴ばっかっつーか、馬鹿ばっかっつーか、何か面白かった。嫌な思いよりも笑えてよ。ヤエとあの嬢ちゃんのやり取りも面白かったし、ヤエの動きにもキレがあって、面白かった。勘違いって・・・。ぶ、ブッフゥー!あそこまで行くとスゲェな!ふっは!はっは!ヤベェ!面白くなってきた!」
と、思い出して時間差で笑いが込み上げてきたらしいエンガ。
道端でお腹を抱えて、ハハハっと眼尻に涙をためて笑うエンガさん。
え?
この可愛いオッサン?
私のダーリンですが?何か?
あんまり見てると目潰ししますよ?
私でさえ見たことない、道端で爆笑なエンガさんだよ?
貴重だよ?
可愛いよ?
エンガの可愛いの引き出し、いくつあるの?
ヤエさん、今後が不安よ?
こんなに可愛くて、誘拐されない?大丈夫?
「ふふふっエンガが笑ってくれたんならいいや。無駄な時間でもなかったのかもね。」
と、未だに笑うエンガに話しかけると
「おう。ああ、でも、良かったのか?次はあの嬢ちゃんに頼んで。正直、あの嬢ちゃんって・・・。」
と、急に不安そうな顔になったエンガ。
「ああ、うん。でも、上辺しか見てないギルマスよりも《私を怖い人》だと認識してる人間が、自分に害が及ばない様に必死になって選んでくれるんならどんなんだろうって思って。賭けだけど『もしかして・・・』があるかもしれないからね。一応。まあダメでも次にすれば問題ないし。それよりも、《もふもふ雲》の開店だよ?ドキドキするねっ!」
と、さっきの話は終わりにする。
他の女の話題で盛り上がるのも何か嫌だし~。
「おおっ!そうだ!《もふもふ雲》!俺の店!開店!緊張すんな!!」
と、手を握る力を増すエンガ。
繋いだ手をブラブラ軽く揺すりながら、向かう先はエンガのお店、《もふもふ雲》!!
いざ、出店!
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「ありがとうございました~。また、是非、僕にお任せくださいね。それでは、失礼します。」
自分の包を大切そうに抱えた少年が部屋を出て行くのを見守る。
扉が閉まり、足音が無くなるまで気合を入れて笑顔を保つ。
「ふぅ~。」
考えていた結果とはずいぶん違うものになってしまった。
新規の上客になりそうな、ヤエさんへの《貸し》になればと思って、ここ《タルタ牧場》から貴重な牛肉と欲しがっていたランルー鳥を贈ったというのに・・・。
《ファイヤーバード》と、見たこともない位に瑞々しく香る《林檎》が返礼品として贈られてきた。
ファイヤーバードの方は冒険者であれば狩れるものである。
が、今までになく《上手く調理された状態》で届いたのが問題だ。
冷静に受け取ったつもりではあるが、一瞬、涎が垂れたのはあの少年も気付いただろう。
タダの魔獣の肉がこんなにもジューシーに良い香りを放っているだなんて。
どんな調味料、工夫をしたのだろうか。
今までの私の中の常識が覆された。
贈り物が何十倍にもなって帰ってきた気分だ。
更にはこの林檎。
持っているだけで甘い匂いが広がる、瑞々しい林檎。
私の知っている林檎とは別物だ。
もしかしたら、新種なのかもしれない。
だとすれば、ヤエさんは私が思っている以上に頭の切れる人だという事だ。
此方からの突然の贈り物に対して、何十倍もの価値のあるものをポンと返礼として贈ってきた。
しかも、何の叱責も無く、感謝の気持ちまで添えられている。
これは、私が恩を売ろうとしたのを正確に読み取った上で
【私は、急に送られてきた牛肉とランルー鳥に対して、何の躊躇いもなくこの品々を贈れる人間なのよ。格の違いを知りなさい。今回は許してあげる。】
という意味だろう。
相手より優位に立ちたいが為に贈った品で、逆に相手を優位に立たせてしまった。
失敗した。
タルタ牧場の人間として、いや、長年働いてきたプライドのある我が身としては、頭を抱えたくなる。
多少の金を持つ、獣人なんかと暮らす変わり者の小娘だと思っていたのが敗因だったか・・・。
今後ヤエさんに対して、上級の商人として対応させていただく他無いだろう。
にしても、先ほど去って行った少年も中々に強かだったな。
私に届け物を渡し、品々を見て驚いて判断が鈍くなっている間に、自分の首に巻いていた布に入っていた林檎をこちらに見せつけ
「旦那様から頂いたんです!これからも頑張れよ!ってお声がけいただけました!お見送りまでしてくださって、本当に素晴らしい方でしたよ!」
と、【獣人を怖がらない上に、既に気に入られ、可愛がられた僕】をアピールしていった。
あの獣人を大切にするヤエさんを考えると、あの獣人を怖がらず、尚且つ気に入られたというのであれば、今後もこの子を使うのが一番だろう。
気に入られた証拠に、私と同じ林檎を受け取っているのだからな。
「次からも君に頼む。午前中に頼むことが多いだろうから、朝早くに起きれるようにしておきなさい。」
と声をかければ、
「ありがとうございます!がんばります!」
と、まるで当然だと言わんばかりに元気な返事を返してきた。
まあ、獣人にも動じないような丁寧なあいさつの出来る小さい子を指定したのは私だが、あれは想像以上だった。
今の運び屋業界はかなり大変だと聞くが、あの子ならば生き残れるだろう。
だが、もし、あの子が今の職場をクビになる日が来たら。
あの子はこの《タルタ牧場》で《ヤエさん専用》配達人として活躍してもらおうじゃないか。
そうと決まれば、次にあの子が来る時には茶菓子でも用意して、手懐けよう。
直接、嫌味や叱責を受けたわけではないのだから、まだ挽回の余地はあるはず。
次こそは。
すべきことを間違えぬよう、気をつけよう。
最後の語りはタルタ牧場のマルフィールさんです。
頼まれていない品だけど、素晴らしい品を贈ってヤエちゃんに贈って《ありがとうございます!嬉しいです!素晴らしいです!気が利くんですね!今後も仲良くしてください!》と言ってもらえるはずが、思わぬ逆襲に驚きです。
が、ヤエちゃんにそんなつもりはありません。
ジャムなんてもったいない。林檎齧ってろ。くらいにしか思ってないです。
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お久しぶりです。
皆さん、コメントやメッセージ本当にありがとうございます。
全て読ませていただいております。
パソコンの調子も相まって個別にお返事が出来ない状態ですが、全て読ませていただいております。
優しいお言葉や長い感想をくださる方も多く、とても嬉しいです。
本当にまったりではありますが、他の作品を含め、今後も書きあげていきたいと思っていますので、また次回もお読みいただければ嬉しいです。




