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主人公らしくない展開

笑顔で手を振る私を見て、どうしたらいいか戸惑ってるクソ可愛いオッサンと分かれて街の中。

どう見ても冒険者って感じの人たちが向かう流れに身を任せ~歩いて着いたのは待ちに待った冒険者ギルド!


おおおおぉぉ。

酒屋と言うか、飯屋が隣にドッキングしてる感じ。

ギルドの受付カウンターも思ってたより多いし、今は列も無し。良い時間帯に来たみたい。


と思って周りを見渡してたら子供とぶつかってしまった。


「ぶひょ、ご、ごごめんね。少年。大丈夫?」


「うおっ びっくりしたー。大丈夫、大丈夫、俺こう見えてもEランクの冒険者だから!気をつけなよ、ねーちゃん」


「あ、はい。気をつけます。すみません。」


11歳くらいの少年に注意されるとか、浮かれすぎだよね。

恥ずかしい・・・。



気を取り直して

いやぁ、ドキドキしますなぁ。

トリップのテンプレと言えば、登録の際に突っかかってくる雑魚。そしてそいつらをあっけなく倒す主人公。

結果、皆に一目置かれ、ギルドレベルは低いけど頼りにされる日々の始まり。


なんて事にはさせないさ!

面倒だし、知らない人間に頼りにされるのも、周りに良い様に使われるのも嫌だもん。


な・の・で


目立たず、かつ迅速に行動。

そして下手に出つつ、田舎モン&身分証の為に冒険者ギルドに登録せねばならない事をアピールせねば。


よっし、気合を入れて

受付カウンターにいるキリっとした美女に声をかけるべし!

「あの~すみません。身分証明の為に登録してギルドカードが欲し・・・」


「申し訳ありませんが、今は忙しい時期ですので、貴方の様な役に立たなそうな人間に割く時間はございません。」


って、

えぇぇぇぇ!!!!

即答&被せてきたよこの人!

身分証の発行的なのがだめって事?

でも、門番のオッサンは登録だけなら犯罪の有無を確認すれば誰でも大丈夫的なこと言ってたよ?


ってか、こっちを軽く上から下に見ただけで判断しやがったぞこの女!

ちくしょう!悔しいぞ!

よし、この女に頼むのは何か嫌だし、気分を変えて隣のカウンターに行こう。

そうしよう。


こっちはさっきの人とは違ってぶりっこっぽいお姉さん。

冒険者ギルドの受付のテンプレですね。分かります。夢が沢山詰まってるんですね。はい。

取りあえず話しかけてみますか。


「あの、すみません。ギルドに登録したいのですが」


また上から下に感じる視線。


さっきの人より興味無さそうな感じではあるけど、流石に対応はさっきの人よりましでしょう。先ほどのお姉さんはカウンター業としては最低点だと思う


「えぇ~。悪いんだけどぉ、20歳以上じゃないと登録出来ないのぉ。弱い人をギルドに登録しちゃうとぉ、死亡率上がっちゃってぇ、ウチのギルドの価値が下がるからぁ。ごめんねぇ?」



は?

はぁ?

はぁぁぁぁぁぁぁ?

小首かしげて可愛い感じに喋ってるけど、私、女だからね!?きかねーよ!?あざといんだよ!

ってか、最低点突破しちゃったよこれ!

だって、さっきぶつかった少年11歳ぐらいだったもの!


これ、絶対にあれだよね。

【よそ者のブサイクな女が来たわ~弱そうだわ~金なさそうだわ~役に立たなそうだわ~登録面倒だわ~。 よっし、登録不可にしとこ♪】的なあれだよね。

これさ、イケメンだったら何の問題も無かった感があるもの。

うぬぬ。思考を巡らせている間に誰かが2階から降りてきたみたいです。


カツコツとヒールを鳴らす、色気ムンムンのお姉様が降臨なさいました。

カリスマオーラ?が溢るる見目麗しい、素晴らしい御身体をお持ちの御方でごわす。


「何してるの?人が少ないなら書類作業をなさい」


あ、お声も素敵なんですね。

しかも上から目線な感じがまた。一部の方々に大ヒットでしょう。


「あ~ギルマスぅ~この人がギルドに登録したいみたいなんですけどぉ、年齢制限でお断りしてたところなんですぅ」


「年齢制限? あぁ、あぁ、そうね。年齢に達してないみたいだから、許可出来ないわね。悪いけど、そういう事ですから。お帰りください。」


「あの、こう見えても18歳なんですけど、それでも駄目なんですか?さっき、私より若そうな男の子を見たんですが・・・」


「男と女じゃ違うでしょ?お帰りください。」




雑魚に邪魔をされるどころか、受付嬢とギルマスからのダブルアウトいただいちゃいました。


さて。どうしようか。

私は神様からもらったチートがあるので、正直な話 このギルドで1番強くなる可能性のある新人だろう。

今、私の持っている能力を軽く見せて登録するのも、下手に出ながら村には帰れない的なお涙頂戴な話をして登録するのもおそらく可能だろう。


だがしかし

それは私のプライドが許さない。

そう 今、私を見た目だけで判断しやがったこの女共に関わる生活を送るのは、断固拒否させていただきたい。


なので、私が行くべき道はただ1つである。

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