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お話し合い?

エンガと手を繋いで仲良く帰宅。


私はお腹がなってるエンガのために、すぐにご飯の用意を始めます。


魚屋のおっさん、もとい、《ノイズ》からのエンガへの贈り物、鯛を調理していきたいと思います。


前の世界と比較しても凄く新鮮な鯛だったので、半分はお刺身、半分はシンプルに塩焼き、アラは味噌汁に決定です。

後はイカとジャガイモの煮物、ほうれん草の胡麻和えなんかも作りましょう。

ご飯は魔法で時間を進めて一気に炊けるから楽々よん!

チート万歳!!

魔法を料理に活用しまくってるのは私だけだと思うけどね。


と、腕捲うでまくりをして早速料理を開始しようと意気込んでいると


「なあ、ヤエ、俺にも手伝えることって無いか?」


とエンガさんがワクワクドキドキ顔でこちらを見ている。


ん?急にどうしたの??

お料理がしてみたいの?

それとも、お手伝いがしたいのかな?

解体で【頼りにしてる】って言ったから、自分の出来ることを模索中なのかな?

と、考えつつも

《料理を作るオッサンも可愛くて良し!》

というよこしまな気持ちだけで許可する私は大概たいがいだと思う。


「手伝ってくれるの?」

聞いてみると


「おう!出来るかは分からねぇが、頑張るからよ!何でも言ってくれ!」

と嬉しそうに、ワクワクしながら言ってくれたエンガ。

ならば、お言葉に甘えて手伝ってもらおう。

魚の処理はまだ出来ないから、野菜を洗ったり、切ったりするのを手伝ってもらおう。

《初めてのお料理》って感じかな~♪


「ありがとう、エンガ。助かる!本当は料理をする時は《エプロン》を着けるべきなんだけど、まだ買ってないから今はそのまま作ろう!後で布を買ってきておそろいの《エプロン》作ろうね♪」


と自分の欲求をそっと盛り込んでおく。

白のフリフリエプロンで新婚さんごっこも良いし、ピンクでフリフリのエプロンにしたらエンガはどうするかな?

なんて考えながら言ってみると、


「・・・・。おそろい・・な・・。ヤエ、俺とおそろいで良いのか?嫌じゃねぇのか?恥ずかしくねぇのか?」

とウキウキが一変、なんだか不安そうな、納得がいってないみたいな顔になったエンガ。


ん?

何故に?

その表情は何故に?

多分、私とのおそろいが嫌な訳ではないのよね?

かといって、私がエンガとのおそろいを嫌がる事なんて有り得ないのは今までのエンガへのラブラブアタックから分かるでしょう?

何故、不安になるの?

不安だけならまだしも、ちょっと不満みたいな、納得がいってないみたいな、言いたいことがあるけど言えないみたいな表情はどうしたの?

んんん?

どーゆーことだい?

オッサン心は乙女心並みに難しいぞ。

理由はよく分からないけど、

兎に角、エンガを不安なままでいさせる訳にはいかないので、全力で気持ちを伝えますぞ!


「エンガ、私はエンガとのお揃いのエプロンが良いの。エンガは嫌?お揃いのエプロン。」

と問いかけてみる


「んにゃ!ちげぇ!嫌じゃねぇ!嫌じゃねぇよ!俺は・・な。ヤエは嫌かと思ってよ、聞いてみたんだ。わりぃ。嫌だって言ったつもりはねぇんだ。」

と途中の声が極端に小さくなったエンガ。


んんんんんんーーーーーー?!?!

分からん!!!!

なんでだ!!

なんで私がエンガとのお揃いを嫌がるみたいになってんのさ?!

エンガの考えが分からないよ!!

私の気持ちが伝わらないのは何で?

素直に、正直に、思いを込めて

【私はエンガとのお揃いのエプロンが良いの】

って言ったのに、伝わってないよ!!

思いを込めた言葉が大切な人に伝わらないのってつらい。

なんだか泣きそうだよ。



でも、絶対に泣かない。

泣いちゃダメだ。

今泣けば、エンガが悪いみたいになる。

絶対にダメ。

やだ。

エンガを悲しませるのは嫌だ。



なので、全力で討論、エンガと向き合いたいと思います。

子供の様な癇癪かんしゃくを起こしてる場合じゃない!

頑張れ!私!


「エンガ、私はエンガとのお揃いが良いの。他の人とのお揃いにしたいなんて思わない。

エンガは嫌じゃないんだよね?なのに、何で私が嫌がると思うの?何で私がエンガを嫌がるみたいに言うの?私がお揃いにしたいって言ったのに、何で信じてくれないの?

私はエンガを独り占めしたいくらい大好き。大好きだから、エンガを大切にしたいし、嫌がる事を強要きょうようしたくない。

でも、自分の考えも言いたいの。エンガと一緒にやりたい事とか、お願いしたい事とか。

だから、エンガも私に言いたいことはちゃんとエンガの言葉で伝えて欲しい。嫌だとか、やりたい事、言いたい事、今の気持ち、何でもいいから。特に何か心が軋む様なことがあれば、直ぐに言ってほしい。

ちゃんと聞くから。エンガの言葉も気持ちもしっかり受け止めるから。

だから、仕舞い込まないで。

意見がぶつかるかもしれないし、喧嘩もするかもしれない。でも、それでいいの。

私はエンガの心が読める訳じゃない。

エンガも私の心が読める訳じゃない。

お互いに自分の考えを言わないでいると、今後、お互いに不満だけが溜まっていくでしょう?

エンガ、今、私に言いたいことは無い?」

と、泣かないように、冷静になるように心がけながら、真剣な表情で聞いているエンガに話す。



エンガがどんな反応をしてくるのか、完全に未知数だ。

納得してくれるのか、理解できないと対立するか、なにも言わずに隠すか。


私だって不安でいっぱいだ。

只の18歳の小娘なんだから。

今までの私個人の世界はとても狭かったのだから。

周りに合わせて、同じ様な会話を繰り返す同じ年代の女の子達と

反応なんて何も気にせずに話が出来る両親位しか知らないのだから。

人と向き合うことの大切さ、人と向き合うには勇気がいることだと改めて分かった。


心臓がバクバクしていると、エンガは真剣な顔から困った顔に変化した。


そして、一つ、深く息を吐いて、吸って

覚悟を決めた、決意した顔になった。


「わりぃ。なんつーかな、ヤエなら俺の心が読めるんじゃねぇか。って思い込んでた所があった。けど、そうだよな。言葉にしねぇと伝わらねぇ事なんて沢山あるよな。

ヤエが言ってくれたから、俺もちゃんと答えたい。上手く言えねぇが、聞いてくれ。

んと、まずな、ヤエが 俺を好きだって言ってくれんのも、独占してぇって思ってくれんのも嬉しい。すごく嬉しい。俺はそんな風に想われたことも、伝えて貰ったこともねぇから。

ムズムズするっつーか、ホカホカするっつーか、嬉しい。

んで、お揃い。俺は嬉しい。したいと思う。

でもよ、ヤエは違くても普通は獣人のオッサンとのお揃いなんか【有り得ない】が正解なんだよ。

だからよ、ヤエが平気だって、したいって言われても【大丈夫か?】【本当か?】【無理してねぇか?】って不安な気持ちでいっぱいになるんだ。

ヤエが気持ちを否定されるみてぇで嫌なのは分かった。

でも、ごめんな。こいつは生まれながらの条件反射みてぇなもんだからよ、すぐに直すのは難しい・・・・。

直すように努力するけどよ、少し、少しだけ長い目で見てもらえると助かる。すまん。

あと、あ~、あと、な、その・・・・」


とエンガは口ごもった。


うん。

なるほど。

私の気持ちが伝わってないんじゃなくて、そんなことを言われたことがない&この世界では非常識な事だから、不安になる。

とな?

なるほど。

それなら、毎回エンガは不安になるって理解した上で、想いを何度も伝えれば良いだけだ。

私がエンガを想うのは

嬉しい。って、心がホカホカするって、私からの愛情を実感してくれているのだから大丈夫。

何度も何度も、その都度その都度、安心するまで想いを伝えれば良いだけだから。


それにしても。

私の《大好き》に対して《嬉しい》って、自然と柔らかく微笑むのだから、私に対するエンガの気持ちにも少しは期待しても良いのだろうか?

だとしたら、鼻血が吹き出る位、嬉しいのだが。

ねえ、その辺、どうなの?エンガさん。

まあ、その件はゆっくりと進めておきましょう。

なにしろ相手はピュアなオッサンだからね。


さてさて、話を戻して、さっきの話のその後に続くのはなんだろう?

未だにモゴモゴと口を動かし、こちらを伺うように、言葉になっていないのは、なんだろう?

うむ。

素直に聞いてみよう。


「分かった。エンガが不安になるんなら、毎回、エンガが安心するまで想いを伝える事にするね。

それで?他にも何か言いたいことがあるんだよね?無理にとは言わないけど、言ってほしい。ゆっくりでいい。自分のタイミングでいいから。何を言われても怒らないし、嫌いになんかならないから。ね?」


と笑顔で話しかけてみる。


「ん。ん。あっと、あー、ぐうぅ」


となんだかうなり声をあげているエンガ。


笑顔のまま、じっと耐える私。


「よし!話す!話すぞ!あのな!・・・・。

・・・・髪、・・髪紐。お揃いのやつ買ってただろう?俺のじゃねぇみてぇだからよ、他の誰かとヤエがお揃いで付けるかと思ったら、モヤモヤしたんだ。

俺がヤエに選んだ髪紐を、ヤエが喜んだ髪紐を、ヤエと一緒にお揃いで付ける奴がいるのを考えたら、モヤモヤする。ん?イライラ?する。」



ん?

んん?

えっ?!

ちょ、ちょっと待って!?

髪紐?

エンガに選んでもらった、色違いで2本買った髪紐のこと?

なんで、髪紐を他の人間に?

んん?

なんでだ??

頭がついていけてない。

ちょっと待て。


・・・・・・・・・・・・。


あっ!!!!!

分かった!

エンガは、エンガが選んで私が喜んだ髪紐をお揃いで貰えるかもしれないと期待した。

しかし、購入しても髪紐は渡されず。

エプロン(家でしか着ない)のお揃いを作ってもらえることになった。

これによって、エンガは勘違いをした。


自分には家でしか着ないエプロンをお揃いにもらえるんだ。

外で人に見られるような髪紐は俺には貰えない。

俺とのお揃いは外では恥ずかしいんだろう。

なら、なんで、お揃いの髪紐を買ったのか。

そうか!きっとヤエには俺以外にお揃いの髪紐を付ける人間がいるんだ!

俺以外にお揃いをする人間がいるんだ!

モヤモヤする!!


と、なったんだと思われる。


ねえ、それって【嫉妬】かな?

自分以外にお揃いにするような人間がいることを考えて嫉妬したのかな?

だとしたら、嬉しいよねえ~!

ムフフっ♪ニマニマしそう♪

よっし!理由が分かったら、さっさと誤解を解きましょう!

私にはエンガだけなのだから。

私の最愛はエンガなのだから。


私は満面の笑みでエンガに言った。


「違うよ。髪紐はエンガと私のお揃いだよ♪

エンガが私のために選んでくれた、人生で一番大切な髪紐だもの。エンガと一緒に着けたいから買ったの。

私はエンガ以外とのお揃いなんて欲しくないよ。

《エンガとのお揃い》に価値があるんだから。

品物は何でもいいのよ。髪紐でも、エプロンでも。お皿やスプーン、靴や腕輪、鞄でも。他の誰でもないエンガだからお揃いにしたいの。

それと、髪紐をその場で直ぐに渡さなかった理由はね、髪紐に魔法をかけたかったからなの。

汚れないように保存の魔法とか、簡単な結界とか、他のやつらが触らないようにとか。買って直ぐに盗まれたら嫌だもの。

だから、その場では渡さずに、家に帰ってから魔法をかけて一緒につけて午後から出掛けようと思ってたの。

ごめんね。ちゃんと【エンガとお揃いで買ったから後で一緒に着けたい】って言っとけば良かったね?

不安にさせてごめんね?今から魔法をかけるから、一緒につけてくれる?エンガが選んでくれた、お揃いの髪紐♪」

と髪紐を出しながらエンガに問う。


嫌だと言われたらショックだけど、この流れで嫌は無いだろう。

ん?

返事が無いけどどうしたのかな?

髪紐を片手にエンガを見てみると


口をポカーンと開けてこっちを見ているエンガと目が合った。

そして口をパクパクしたかと思うと、

目もとを柔らかく細めて

のどをゴロゴロ鳴らしながら

嬉しそうな声色こわいろで一言。


「うぐるぅ♪」


と。


なに。

なんなの。

なんなのよ!!!!

この可愛いオッサンはああああああ!!!

【うぐるぅ♪】って!

【うぐるぅ♪】って言ったよ!!

このオッサン!!

目を細めて、ゴロゴロいいながら、

嬉しそうな声色で【うぐるぅ♪】って!!!!

可愛すぎて死ねる!!!!

ヤバイよ!!

うちのオッサン、可愛いよーーー!!

叫びたい!!

今すぐに、全世界に叫びたい!!


私の心中しんちゅうはご乱心。

そして、気づけばエンガに抱きついていた。

もう、無意識だった。

心の中だけでは抑えきれなかったらしい。

おそらく、私の理性は紙で出来ている。


エンガに抱きついた私は


「可愛いーーー!!!可愛いよ~~!!もう、本当に大好き!!エンガ大好き~~!!

エンガ、エンガ、もっかい!もう一回、【うぐるぅ♪】って言って!ね?ね?お願い!!」

と、下から見上げる形で【うぐるぅ♪】のもう一度コールをした。


エンガは最初、抱きつかれたのに驚いて目を真ん丸にしていたけれど、私からの満面の笑みでの【大好き】と【可愛い】に気を良くしたのか、私の腰に尻尾を絡め、背中に手をまわして、ゴロゴロいいながら、


「うぐるぅ♪ぐるぁ~う♪うぐるるるぅ~♪」

と猫の様な、独特の声色で嬉しそうに声を出してくれた。


それがもう!

可愛いのなんのって!!

脳内は狂喜乱舞!!

可愛いオッサンは殺人兵器だよ!

鼻血が出そう!


私は思わずエンガの胸板にスリスリしながら


「可愛い~~♪可愛いよ~♪エンガ、好き~♪」

と言っていた。


エンガは嬉しそうに、私の背中にまわした手をフミフミさせながら、顎を私の頭にのせて


「うぐるるぁ~い♪」

とゴロゴロを聞かせてくれた。


もう、幸せすぎて怖い。


私はエンガに抱きつきつつ、出した髪紐に様々な魔法をかけた。

そして、


「エンガ、この髪紐、私の髪に結んでくれない?エンガには私が結んであげるから」

とお願いしてみる。


女の子の夢だよね。

好きな人にネックレス着けてもらったり、

髪を結んでもらうのって。


エンガは


「うぐるぅ!」

と返事をして、直ぐに髪紐を手に取った。


私は後ろを向いて、エンガに髪を結ってもらった。

いつもより少し高い位置に結んである髪を見ながら、幸せをかみしめる。

ムフフっ♪


そして、エンガに結んであげようと振り向いたら


「ん。」

と顎を上に上げて、首を伸ばして私の目の前に首もとを近づけるエンガがいた。


その姿もまた、可愛くて、いとしくて、たまらん。

そう考えつつもエンガの首に髪紐を結んであげる。首に巻き付けると力が入れられないかもしれないので、最初を緩めにして、蝶々結びのネックレスの様な形にしてみた。

シンプルで上品で、鏡を見たエンガもご満悦♪


ああ、可愛いオッサン、お腹一杯、堪能したぁ~♪



ん?

お腹一杯?

んあ゛!!!

ご飯の準備!!

忘れてた!!

エンガのお腹は既に鳴ってない。

お腹が鳴らなくなる位、お腹が減っちゃってるってことだ。

やっちまった!!

直ぐに作らないと!!


ご満悦でルンルン気分のエンガに


「ごめん!ご飯のこと忘れてた!!直ぐに用意するね!!もうちょっとだけ、待ってて!!」

とお願いすると


「おう!大丈夫だ!!1週間は食わなくても平気だからよ、んなに急がなくても大丈夫だぞ!それと、俺も手伝うからな!一緒に、飯、作ろうぜ!!」

と嬉しそうなエンガ


それを聞いて

【1週間は食わなくても平気だ】

なんて、今後二度と言わせない。

昔のことなんて忘れる位、幸せにするんだから!!

と改めて心に決めた。


そして、

上機嫌なエンガにも手伝ってもらって、一緒にご飯を作った。

ご飯は魔法で時間を進めて炊き、

エンガには野菜を洗ってもらったり、切ってもらった。

鯛を捌いて、焼いたり、煮物を作っている私の後ろを一緒になって動くエンガが可愛くてしょうがない。

勿論、味見だってしてもらった。

まるで新婚夫婦のように。


二人で作ったご飯を二人で食べた。

エンガは鯛の美味さにテンションマックス!!

いつもより沢山のご飯を平らげました。

多目に炊いておいて良かったー。

足りなくなりそうで危なかったです。はい。


お腹一杯になって幸せそうな顔をしているエンガに

魚屋のオッサン《ノイズ》にお礼がしたい。

と言われたので、後程、魚屋のオッサンにも何か用意しようと思います。


今はお茶を飲んで、二人でまったり中。

食べて直ぐに動くのは体に悪そうだしね。

食べてる間の目がキラキラしてるエンガは堪らなく可愛い。

もきゅもきゅ食べてるオッサン獣人、マジで可愛い。

もうね、世界の宝だよ。


なんか、幸せ過ぎて怖い。

このあと、不幸が待ってたりしないよね?

大丈夫よね?

ちょっと不安になっちゃう。

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