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最愛宣言!

さてさて

コシミノ姿も大変素敵なエンガですが、ここからは私が買ってきたお洋服を見て、着ていただきましょう!


私が選んで買ってきた服をエンガが着ると思うと何か興奮するね!

ウフフ。


「一応エンガに似合いそうなのを選んできたんだけど、自分でも選びたいでしょ?だから少しにしといたの。後で一緒に買いに行こうね?」


選んできたのはシャツとズボンが各4着、上着が1着、下着が5着だ。

今日一緒に買いに行けなかった場合も考えて買ってきてみた。

絶対に似合うと思うけど、エンガの好みに合うかドキドキするー!

特に下着は全力を込めて選んだんだから!

よく考えてみて!私の選んだ下着を履くオッサン。

最高に萌えるだろぉぉぉがぁぁぁぁ!!!


ん?

エンガ、固まってる?

何で?

私の邪な考えが伝わったのかい?

それとも全部好みに合わないとか?


あ!?

もしかして、

《獣人の服》ってのがあったのか!?

民族衣装的な感じのやつとか、獣人専門の風通しが良い素材のとかさ!!

あーーー!!

私のバカ!!!

もっと詳しく聞いてから買いに行けば良かった!


押し寄せる後悔に頭を抱えたくなる私に対して、服を手に取り、呟く様に話すエンガ。


「・・ヤエ、買い過ぎじゃないか?

服なんて1年でそれぞれ2着ずつあれば足りるだろう?

それに、こんなに良い素材の洋服・・・。

俺は奴隷のフルフェイスの獣人のオッサンだぞ?着飾っても意味無いだろう?」


と困り顔のエンガ。


「え?何で?2着じゃ全然足りないでしょ?

それに、エンガは格好いいもの。

これも、それもそれも、絶対に似合うよ!着飾って欲しいのは、私が格好いいエンガを沢山見たいから。私の我が儘だよ?

獣人なのは関係ない!

私が素敵なエンガを沢山見たいから、着て欲しいだけだよ?勿論、エンガが嫌なら無理矢理着る必要は無いよ?」



それともう一つ。

絶対に伝えなきゃいけない事で、まだ確実な言葉にして無い事があるのを忘れてた。

愛のある言葉をがっつり伝えたから既に伝えたつもりでいたよ。



「あのね、伝えるのが遅くなったけど、エンガはもう奴隷じゃないよ。他人にちょっかいかけられるのは嫌だから首輪はそのまま我慢してもらうけど、エンガは奴隷じゃない。

私の《最愛の存在》なの。

この世界で一番、大切な大切な存在なの。自分を卑下しないで?

私の大切な大切な【エンガ】

大好きだよ。エンガ。」



そう。

エンガを奴隷として扱う気は全くない。

既に心の中では【マイダーリン】そして【婿】扱いとなっている。

奴隷ではないけれど、

逃げ道はないのよ?

ごめんね?エンガ。


またしても恥ずかしい言葉のオンパレードだとは思うけど、エンガに対する言葉は素直に、たとえクサイ言葉が満載でも全ての想いを乗せて喋るべきだと思ってる。


そうじゃないと伝わらない。

間違いなく伝わらない。

遠回しな言い方は絶対にマイナスに捉えるだろう。

勘違いさせて悲しませることの無いようにせねばなるまい。

エンガはとても純粋なオッサンだ。

男女間の態度だけでの表現や、恋の駆け引きは間違いなく不可能だろう。

18歳の年齢=彼氏無しな小娘の私にも不可能だがな。

自分を常に《フルフェイスの獣人でオッサン》だと卑下するエンガは褒めて、褒めて、褒めて、暑苦しい位の、今までの分を取り戻すかの様に愛を注ぐ必要があると思う。



まぁ、私のエンガに対する愛は既に暑苦しいを通り越して灼熱ぐらいだからね。

問題あるまい。



エンガは目がこぼれ落ちそうなほど驚いた顔をしている。

毛も逆立ってないかい?


受け止めきれないのは

服の件?

奴隷の件?

私の愛が暑苦しい件?

全部かな?


「最、愛?俺が?ヤエの?

嘘・・じゃないよな、ヤエは俺に嘘をつかない。

じゃあ、本当に?

俺はヤエの大切な存在?

俺が・・・ヤエの、最愛。

俺が最愛・・・。


俺が格好いい?

獣人でオッサンだぞ?

オッサンだぞ?

ん?

服は多い方がヤエが喜ぶのか?

大好き?

ヤエが?俺を?

コシミノは無いのか?

最愛?

大切?

服は多くないのか?

ん?

最愛がコシミノで

ズボンが

ん?」


とブツブツ顎に手をあてて呟き始めたエンガ。

ちょっと怖いよ?エンガさん。

ホラー入ってるよ?


1度に沢山の情報が入ってパニックになってるみたい。

最愛とコシミノがごっちゃになっててちょっと笑えるんだが。


少し整理してあげよう。


両手でエンガの頬を挟んで、目を合わせて伝えよう


「エンガ、

エンガが着飾るのは、私の我が儘。

エンガは奴隷じゃない。

エンガは私の最愛。

私はエンガが世界で1番大好き。

分かった?

受け止めるのに時間がかかると思うから、少しずつ納得していってね?焦らなくて良いから。」


エンガは大きく見開いた目を更にまん丸にしながらも、肩の力は抜けたみたいだ。

逆立った毛が戻った。

耳がピクピク動きながら、頬を挟んでいる私の両手を大きな手で包み込まれた。


「・・・ヤエが俺を奴隷として扱ってないのは最初からだ。

えっと、服があるのは嬉しい。助かる。

んと、ヤエが俺を好きで嬉しい。

・・・俺がヤエの最愛で・・・嬉しい。」


多分、これが今のエンガの精一杯なんだろう。

目を時折泳がせながら、エンガの頬にあてた手から伝わる熱が限界を知らせている気がする。


途切れながらも熱と甘さが伝わる声で告げられる言葉が、こんなにも愛しいなんて知らなかった。


嬉しい。

凄く嬉しい。


今までの人生で、恋をしなかった訳じゃ無い。

姿が見れるだけで幸せになったり、話が出来るだけで喜べる様な恋はしてきた。


でも、これは次元が違う。


今までのは恋愛ごっこだ。

恋をする事に夢みてた、子供のごっこ遊びだ。


こんなにも

全力で愛を注ぎたいと思う狂おしい感情なんて、

全身の血液が沸騰しそうなほどの想いなんて、

今にでも強く抱き締めたくなる存在なんて、

知らなかった。


エンガを大切にしたい。永遠に。


私、ヤエ。18歳の日本人が異世界にて

人生で初めての恋を知った瞬間でした。






言っておく。

うちのオッサンは世界最強に可愛い。

告白を嬉しいと伝えるだけで湯気が出そうなほど熱くなり、もじもじしてしまうくらいに、純粋な可愛いオッサンなのだ。



そう。恋を知ると同時に、自分の理性と戦う青少年の気持ちが初めて理解出来た瞬間でもありました。

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