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お出迎え

エンガの洋服を入れた鞄を抱えてルンルン気分でお家に帰る私。

あの服もこの服も絶対に似合うもの!

ニコニコ顔が止まりませんなぁ~。

いやはや。



一つ深呼吸をしてから玄関を開けてみると


「お、おかえり」


と洗濯して畳んでおいた昨日の《コシミノ》を一枚身につけ、

恥ずかしさからか尻尾を両手で握り、少しモジモジとするエンガの姿が。



・・・・・・。

何があったの?

恥ずかしい格好だから嫌だったんじゃなかったの?

鼻血出そうなんですけど?

私をどうしたいの?

エンガさん?


思わず無言でいる私を見て、


無言のエンガ。

耳がヘタり、

尻尾を握る手に力が入り、

目が潤み、

頭が少しづつ下がっていく姿。


これはあれか?

私が《コシミノ》を喜ぶと即答したから、恥ずかしいのを我慢して着た上でお出迎えしたけれども、

私が無言だから、喜んでないと。

自分は間違えた選択をしたんだと

落ち込んでいるのかね?

そうなのかね?

不意討ちだよぉーー!!

エンガさぁぁぁぁぁん!!!

泣かせてたまるか、マイダーリン!!

とりあえず誤解を解くぜ!

全力で!!



「エンガ、エンガ、ただいま。

ただいま。エンガ。

こっちを見て、もう一回【おかえり】って言ってくれない?」


よし。まだ目は潤んでるけど頭を上げて目を合わせてくれた。


「やっぱりそのコシミノ姿、格好いいねぇ♪エンガの逞しい筋肉が沢山見れて、私、凄く嬉しいよ♪でも、エンガが嫌なら着なくても良いんだよ?風邪を引いても大変だし、ボロボロなのも事実だし。無理して着なくても良いんだよ?」


すると一つ鼻をスンと鳴らし、

「・・・おかえり・・・ヤエ・・・。

風邪はひいたことねぇ。大丈夫だ。

確かにボロいけど、ヤエが喜ぶって言ってくれたから・・・。着・・たい・・・。」


おほっ!!

我が家のエンガさん、ぶち可愛いです。

可愛すぎます。

でも、本当にボロいし、体調崩しそうだし。

恥ずかしいって言ってた格好をさせるのも悪いし、早く普通の服に慣れて欲しいから


「ただいま、エンガ。じゃあ、たまに私の前で着て貰おうかな?ドキドキしちゃうから時々ね?それと、お出迎えありがとうね、エンガ。凄く嬉しいよ♪」


お出迎えのお礼とコシミノがドキドキする要素だと知って照れたのか、赤くなりながらも頷くオッサン。もといエンガ。


だから、可愛いんですけど?

うちのオッサン、間違いなくこの世界で一番可愛いんですけど?


神様、もしかして【運命の人=エンガ】に会わせるために私を異世界に送ったの?

もしくは、エンガを幸せにする為の人間を異世界にって事で選ばれたのが私?

何でもいいや。ありがとう神様。


遠くで神様の【いやいやいや】って声が聞こえた気がしたけど気のせいだよね。

そうだよね。絶対!

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