表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/69

問題発生!?

エンガの毛皮はゴワゴワだった。

お風呂にも入れてなかったんだろうし。

顔も痩けてる感じだから食べ物も少なかったんだろうな。


なんて考えながら頭を撫でてたら、エンガが私から離れた。


オッサンが18歳の小娘に泣きついたのが恥ずかしかったのか、

真っ赤になりながら逃れたうえに、未だに鼻をスンスン鳴らしてるのが

どえらく可愛いです。


が、時間も遅くなってきたので


「エンガ、お風呂に入ってきて。お湯は張ってあるからね。服はまだ無いから、このシーツを巻いてね。上がるまでにご飯作っておくから」


「ああ、分かった」


ご飯って単語に耳がピコピコ動いたのが可愛くてしょうがないです!

さてさて。

オークのお肉をふんだんに使ったお料理の開始でごわす!!

実は私。調理師免許を持ってるんです!


『男は胃袋を掴むものよ。ブスでも嫁に行けるもの』


という母様のお言葉を胸に深く刻み、準備してきた私に死角なし!


一応、胃が弱ってるのも考えて

野菜たっぷりのおじやも用意したけど、ガッツリ食べそうだから

沢山のご飯も炊いて、

オークのしょうが焼き

キャベツたっぷり野菜炒め

たっぷり野菜の酢豚ならぬ酢オーク

具沢山の豚汁ならぬオーク汁

お昼に煮ておいたオークの角煮。


調味料がまともだったおかげで、私の納得出来る味に仕上がったし。

ここまで出せれば上等だろう!


まだかな、まだかな♪

旦那が帰ってくるのを待つ新妻な気分だよ!

結婚したことないけど。

彼氏がいたこともないけど。


とたとた

と優しい足音が聞こえてくる。

虎だからかな?

体重を感じないような足音。


ガチャンと開くドア




な ん だ と


まだ湿った身体

毛がへたり、若干細くなった身体

腰に巻いた長めのシーツ

シーツでは隠しきれない逞しい上半身

頭から水分を取るために無造作に動かすタオルとゴツゴツとした大きな手


ヤバイ

鼻血がでそう。



ふとエンガの目が見開かれ、動きが完全に止まった。

その視線の先には私が作ったご馳走の数々



驚いただろう?

嬉しいだろう?

これは全てエンガの物よ!

これは全て私がエンガの為に作ったのだから!!


と心のなかで語り胸を張った瞬間、

とある考えが浮かんだ


・・・・・・。

あれ?

この世界=メシマズ

だよね。

この世界=異臭料理

だよね。


これ

私の手料理はエンガの口にあうのか?


冷や汗が流れ落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ