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マイダーリン

てっきり檻があったり、鎖で繋がれた奴隷が沢山いる場所に連れていかれるかと思ったら

今日売れた奴隷が集められてる部屋だった。


今からここにいる皆、引き取られていくんだ。

比較的に穏やかな顔をしてる気がする。

ここでの扱いがどんなのだか分かんないけど、外の世界の方が期待出来るのかもね。



さあ、さあ、お待ちかね!!

マイダーリンの登場だ♪





な ん だ と


さっきまで

ボロボロのランニングと

ボロボロの短パンを穿いていた

【マイダーリン】が

ボロボロの《コシミノ》みたいな

あられもない姿を晒しているではないですか!!!

チラリもありそうじゃないか!!!!!


何故に!?

私へのサービスか!?

いかん。いかんよ!

他の女共に狙われるだろうが!!


マイダーリンの鎖を外してもらっている間に小太りに聞く

「あの、先ほどの洋服はどうしたのでしょうか?腰の布だけのようですが?」


「あぁ、申し訳ないのですが、先ほどの服は貸し出し品でしてね。彼の持ち物はあの布1枚になります。それに、獣人の奴隷はあれが一般的な格好ですよ。」


うわぁ、まじか。

ボロボロの服でさえ貸し出し品ってことは、食事とか宿泊代とか言って、相当こき使われてたって事じゃんか。


う~ん。なんか【マイダーリン】への愛が更に溢れるなぁ。


とぼんやりしてたら目の前にはその【マイダーリン】が。

少し困った顔で私を見下ろしている。


何故困った顔なの?

耳がへたれたのは何故?


なんて考えていたら


片足が無いから上手く屈む事も出来ない彼が、腰を曲げて私に片方しか無い目を合わせて言葉を発した。


「あのな、お嬢ちゃん。

俺を買ってくれたのは嬉しい。

凄く嬉しい。

でもな、俺はこの通り

フルフェイスの獣人だ

人間から嫌われて

普通の獣人からも嫌われる存在だ。

しかも片足、片目がねぇときた。

使い物にならない身体だ。

歩くときには支えがいる。

なのに獣人だから飯はたらふく食う。

俺を連れていれば金はかかるのに何の得もない。

ヘタすりゃ周りの人間にお嬢ちゃんも嫌われちまう。

悪いことはいわねぇ。俺をダンジョン攻略の囮に売っちまいな。そうすりゃビタ銭くらいにはなるからよ」



って何?

どゆこと?


なんで周りの奴隷達とその購入者は嘲笑してるの?



私の【マイダーリン】は


私が獣人を養うのに苦労するだろうと。

ヘタをすれば周りから私も嫌われるだろうと。

私に迷惑をかけるのは嫌だからダンジョンの囮として売って少しでもお金にしろと。


心配してくれたってことだよね?

しかも、ダンジョンの囮(片足が無い状態)=死ぬのは確実なのに。


私の心配をしてくれるなんて

どうしよう。

顔に一気に血が上っていく。

自分の命がかかってるのに、私の心配をしてくれるなんて。


くっそ可愛いじゃないか!このオッサン!!

もう、なんてゆうか、どうしてくれようか

この愛しさはどうすれば良いんじゃァァァ!!


私が心を鎮めている間に、小太りが


「勝手なことを言うな!お前はこのお方のただの奴隷なんだぞ!口を慎め!」


とかほざいてるけどどうでも良い。

取りあえず、私はこの愛しい愛しい【マイダーリン】を自宅につれて帰るのだ。


「契約も済んでますし、もう連れて帰っていいですか?あ、肩を貸しますので、一緒に歩いてください。」


と小太りには目も向けず、

【マイダーリン】の左側に立ち、太い筋肉質な腕を私の肩に回す。


周りは唖然としてたし、

【マイダーリン】も驚いた上に何か言いたそうだったけど、自力では歩けないから諦めたみたい。



とりあえず

宿に帰るのは明日にして、造ったばかりのマイホームへ行きましょう!

これから始まる、2人の同棲生活。

楽しみですな♪

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