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運命の出会い

ルンルン気分で宿屋への帰り道。


一応、宿屋に帰るって言ってあるし、家を買ったから今後は泊まらないって事は言っておくべきだよね。


夜の街を歩くのは初めてだなぁ。

なんかドキドキする。


夜の街はいつもより

明るくて

賑やかで

酒くさくて

香水くさくて

物体Xの屋台が並んでて異臭が漂ってて


好きになれそうにない。




次の瞬間

全身の毛穴が開いた気がした。


「皆さま、お待たせ致しました。只今より奴隷販売の開始にございます!」


小太りなオヤジがそう言った瞬間に沸き上がる歓声。


早く帰ろう。

そう思った。






彼を見るまでは。







「まず最初に御目にかかりますのは《虎の獣人の奴隷》でございます!

しかし、こ奴には問題がございまして。

ご覧になっていただければ分かると思いますが

まず、獣人としては珍しいフルフェイスの獣人なのです!

顔が人間に近い獣人でさえ嫌われているというのに、こ奴は頭部もそのまま虎の姿をしております、フルフェイスの獣人です!

全身の毛皮や手足もほぼ虎の形をしております!

まさに人型の二足歩行で歩く虎です!



更には左足と左目を失っているが故に、歩くことさえ満足に出来ません!

平衡感覚も最悪で、獣人としての良いところが何一つ無いんです!

それでもお買い求めになって下さるお優しい方はいらっしゃいませんか?


小銀貨2枚(2000円)でどうでしょう?

いやはや、やはり無理ですよね(笑)


では小銀貨1枚(1000円)では?

いやいや、皆さんお目が高い。


では大銅貨5枚(500円)では?


やはり無理ですよね!こんなに使えない商品を買う客なんていませんよね!!皆さん素晴らしい目をお持ちだ!!」


近くにいたおじさんが小声で笑った

「ありゃあ、他の奴隷を良く見せるための笑い取りの前座だろ。使えない奴隷なんて養うだけで赤字だもんな。誰も買わねえよ」



小太りが続ける

「ではでは、こんなクズは置いといて、他の商品のご説~」


私は手を上げた

「買う。その獣人。小銀貨10枚で。私が買う」


さっきまでの熱が引いたみたいに静まり返る周囲にも気が向かないくらい、私はただ真っ直ぐ、獣人の奴隷を見ていた。



小太りのオヤジは驚いた様子だったが、直ぐに笑顔を作り


「おぉ~!!そちらのお優しいお嬢様がお買い上げ下さいました!長年売れ残り、憐れな奴隷に優しく手を差しのべて下さったお嬢様に皆さま拍手を~!」


小太りオヤジの上手い言葉に周りからの拍手喝采。

一度引いた熱が再び上がるようだった。

もう興味ないけどね。


全ての品見せが終わってから、契約に呼ばれた。


さっきの小太りがオーナーらしい。

「お買い上げありがとうございます。返品は不可。この首輪を通じて命令、罰を与えられます。脱走防止でもあるのでお外しになりませんよう。また、再度申し上げますが返品は不可、気に入らない、使えない等の苦情もお断り申し上げます。それでは、あなた様に契約を移行しますのでお手をお出しください。」


「1つ良いですか?契約後に怪我を治しても、契約破棄にはなりませんか?」


「それは大丈夫ですよ。契約を移行したら完全にあなた様の奴隷です。ただ、お嬢さんは知らないかもしれませんが、こいつの怪我を治すには高額のお布施を払って神官様に治していただくか、希少価値の高い効くか効かないか分からない大回復薬を使うくらいですよ。早くお手を。」


それならいい。

このオヤジの手を触るのは嫌だけどな。


奴隷本体は小銀貨2枚。

だが、私は会場で宣言した通りに小銀貨10枚を払う。

なのでオマケとしてさっきの内容も詳しく書面にさせて、サインさせた。契約を移行したら完全に私の奴隷。怪我を治しても最強の男になっても、私のもの。こいつとの縁はここで全て切られる。双方苦情は受け付けないって詳しく書かれたやつ。



上手くいって良かった。

治した途端にイチャモンつけられたり、契約が戻されたらたまんないもんね。


よし、後はあの獣人をお持ち帰りするだけだ。

虎の表現を足させていただきました。


私の想像している虎の獣人は

骨格は人間に近い虎さんです。

手や足の先も猫科の物で、爪もあるし形は大きな猫の手足。

だけど、物が掴めて二足歩行出来る様になっているので、骨格的?機能的?には人間に近い様な感じです。

頭部はまんま虎さんですが、身体も毛皮です。

模様もあります。

足は短くありません。

筋肉質な虎さんです。

上手く説明出来ずに申し訳ないです。

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