異世界は草だらけ
あ、皆様おはようございます。
私は八重。篭倉八重
18歳の小娘です。
今、私は見知らぬ草原におりますです。はい。
よく分かんない?
大丈夫。
私にも分からない。
と言いたいところだけど、とある記憶がこびり付いている為に現実逃避も此処までにしておこうと思います。はい。
何故、今、私がこんな
東京いや日本ではありえないようなだだっ広い草原の中にぽつーんと突っ立ってるのかというと・・・
神様に出会ったからだね。うん。
私はごく平凡な女子高生でした。
まぁ、良くある話ですよね。
階段から落ちて死んでしまったんです。
そして目を覚ましたら目の前に自称神様を語るじい様。
まあ、小説なんかに詳しい方にはこの時点で全てが筒抜けでしょう。
そうです。私はその自称神様のミスにより死んでしまったらしいです。
・・・だろうね。
階段を上っている私の前にいた
ハゲオヤジがくしゃみした瞬間に
ハゲオヤジの傘が私の脳天に直撃とかさ。
そのまま後ろの人たち全員、【モー●の十戒】並みの動きを見せたとかさ・・・。
自称神様、千年ぶりに大爆笑したそうで。
本来なら奇跡的に息を吹き返すはずが・・・。
そのまま放置・・・。
よって、私、死亡。
自称神様、泣き笑いしながら勝手に異世界行きを決定し、チートを付けて下さいやがりました。
本当に、チート。
神様並みのチート。
こんなの人間に渡していいの?ってレベルのチート。
身体強化済み。
魔道具も作れる。
ほとんどの魔法が使える。
植物はすぐに育つし
家も魔法で作れるし
空間魔法や時空・状態停止魔法も使えるし
本当にチート過ぎやしませんか?
更に、平凡な顔から美人に変えてくれるって。
いえ。いえ。お断りしますとも。
今更、美人になっても、寄って来る人間を疑うだけでしょうが。
それに、美人はストーカーやヤンデレ、信者を生みやすい。
王子様や貴族なんかの権力者に気に入られた日にゃ面倒事に巻き込まれる事確実だろうが。
オソロシヤ。
なので、美人にしてもらう変わりに、私が生きるはずだった人生をお金に変えていただきました。
しかも久しぶりに爆笑させたお礼に料金追加してくれるらしい。
人生三回は遊んで暮らせるそうだよ。
ありがたや。ありがたや。
見知らぬ土地で、1人で暮らすなら、必要なのはその土地で使える現金。
これ、重要。一番重要。
現金さえ握らせれば、人間、どんな問題が発生しても生きていける。
という自称神様とのやり取りがあった上での、だだっ広い草原です。
・・・・。
おい、自称神よ
「せめて人間がいる所に置いてけよ!ボケェェェェェ!!」