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ハーレム100  作者: 松宮星
精霊界
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カトリーヌの日記

○月×日

 私の美貌に、勇者が惑う。

 ほ〜んと、男なんてちょろい。足を組んで太ももを見せてやれば、堕ちるんだもの。

 あんなマヌケが勇者だなんて、魔王戦、大丈夫なのかしら?

 でも、まあ、女の子の趣味はいいわよね。なかなかのハーレム。綺麗な子、かわいい子、粒ぞろい。

 そして、その中でもひときわ輝く大輪の薔薇……パメラ、ああああ、パメラ!

 これからは、同じ勇者仲間! 昔みたいにずっと一緒にいられるのね!

 お風呂も一緒、お部屋も一緒、寝るのも一緒よ!

 愛してるわ、パメラ! 私のかわいい子猫ちゃん!



○月×日

 パメラが幻想世界へ旅立ってしまった……

 ああああ、何てこと……

 まだ何もしてないのに……

 昨晩はニーナちゃんと遊んじゃって、パメラのベッドにお邪魔するのを忘れちゃったのよね……

 早く還って来て、パメラ……

 神の采配を感じさせる美を、決して、決して、傷つけないでね……

 ああああ、パメラ、あなたの美しいお顔が見たい……

 あなたのいない世界は灰色だわ……



○月×日

 ケーキ屋のモニクとデート。

 マシュマロみたいにかわいい彼女は、まだまだ夢見るお年頃。

 私が勇者の仲間だと知ったら、尊敬のまなざしで見つめてきた。

 魔王の復活はもう既に庶民の間でも噂になっている。これを利用しない手はない。

 男装の麗人のように格好良くふるまってあげたら、コロリと堕ちた。

 仲間候補って名目で、オランジュ伯爵家に連れて行く。

 オランジュ伯爵家のベッドって最高だわ。超高級宿屋並み。とっても楽しめた。



○月×日

 武器屋の看板娘ヴェロニクとデート。

 赤毛でグラマーな彼女は、ちょっぴり食いしん坊。

 三ツ星レストラン、モニクのケーキ屋、バー、居酒屋と、はしご。

 仲間集めの名目で、活動資金を貰っといて良かった。

 おなかいっぱいでご機嫌になった彼女を連れ、オランジュ伯爵家へ。 



○月×日

 魔術師学校教師マルティーヌとデート。

 知的でお固い彼女を、誘惑するのは楽しい。

 私が勇者の仲間だと話したら、警戒心が少し薄れた。正義の味方だから、悪い事しないと思ったのかしら? 勇者仲間になっといて、良かった。

 博物館と古書店を巡った後、オランジュ伯爵家へ。イケナイことをいっぱいしてあげた。



○月×日

 学者のセリアに別館に移ってくれと言われたので、引っ越した。

 手伝ってくれたメイドのエリザは、黒髪で小柄。そばかすが、かわいらしい。

 オランジュ女伯爵の話を聞く。気難しい女主人の為か、エリザはあまり好意的ではない。

 二十代で夫に先立たれ、息子さんも早世したのだ、アンヌ様が心を鎧で覆ってしまっても仕方ない。あのお方の毅然とした美しさには、とても心ひかれる。下賤な狩人だけれども、どうにかしてお近づきになれないものかしら。

 私が使う事になった客間で、エリザと遊んだ。エリザを令嬢に見立て、ちやほやして可愛がってあげた。令嬢ごっこ、今度、他のメイドさんともやってみよう。



○月×日

 未亡人シメーヌを、郊外の花畑に連れ出す。

 黒髪喪服の彼女には、禁欲的な美しさがある。とってもセクシー。

 その魅力も捨てがたいけれども、彼女はまだ三十にもなっていない。そろそろ誰かがその喪服を剥いであげなくては…… 

 シメーヌと湖畔の宿屋に一泊。湖に映る月を眺めながら、一晩中、心と体で語り合った。

 懐が豊かって、ほ〜んとステキ。



○月×日

 オランジュ伯爵家に戻ったら、学者のセリアに使いを頼まれた。発明家のルネに発明資金を届けて欲しいとの事。その程度の用事なら、伯爵家の召使に命じればいいのに。

 ルネは屋敷で溶接をしていた。私に対し、今なにを開発中なのか嬉々として語ってくれた。

 発明中はルネもあの奇天烈なアーマーを脱ぐ。白くて、ややぽっちゃりでかわいい。好きな事に夢中になっているから、目もキラキラしている。

 でも、遊びの相手には不向き。発明品にしか関心が無いから、誘惑をしかけても気づいてくれないのよね、残念。

 街で花屋のユニスをひっかけ、伯爵家にお持ち帰りをした。



○月×日

 金庫番のセリアに、活動資金をねだる。

 領収書を出せだの、今後の支出についての明確なビジョンをしめせだの、無駄金は一切使わせませんだの、むきになってかわいい。

 ピーピーとさえずる小鳥みたい。抱きしめてあげたかったんだけど、部屋の隅まで逃げられてしまった。残念。

 交遊費は予算内におさめてくださいと、涙目で叫んでいた。もっと本気で迫ったら、お金を投げ捨てて逃げそう。

 街で踊り子のジゼルをナンパした。伯爵家に誘うとナンパ成功率があがるのよね。庶民がお貴族さまの御屋敷を覗ける機会なんて、そうそう無いものね。



○月×日

 暇だったので、ニーナちゃんと遊んであげようと本館に行く。

 部屋に着く前に、セリアに廊下でブロッキングされた。

 オランジュ伯爵の知人が来客中なので遠慮して欲しいと言われる。こちらは庶民の、狩人だ。

 素直に従い、街に出た。

 宝石商のクラリスに、逆ナンされた。私を足がかりに、伯爵家にコネを得ようって魂胆が丸見え。見え見えの媚びがかわいくって、伯爵家でたっぷりと遊んであげた。それだけで私に夢中。たわいもない。



○月×日

 伯爵家の勇者の部屋でパメラを発見!

 どういう事?

 いつの間に、還ってたの!

 あああああ、愛しの子猫ちゃん!

 異世界から還って来たのなら、すぐに私の腕に飛び込めばいいのに!

 抱きしめてチュッチュしてたら、パメラったら大量の鳩を呼び寄せて、部屋中をめちゃくちゃにしちゃうんですもの。

 恥ずかしがっちゃって、もう、照・れ・屋・さ・ん。

 姿を隠したパメラの代わりに、部屋にいたニーナちゃんに話を聞く。

 パメラは一週間も前に幻想世界から還っていた、とニーナちゃんは教えてくれた。

 何ってこと!

 セリアをつかまえて、事情を聞く。

 私が外泊した日に勇者一行は幻想世界から戻り、翌日にパメラの代わりにイザベルさんを伴って精霊界に向かったのだそうだ。

 パメラは獣使い屋に戻ったけれども、ほぼ毎日伯爵邸に通い、ニーナちゃんと勇者の部屋に居たとのこと。

 教えてくれれば良かったのに! 私を本館から遠ざけたり、用事を言いつけて外に追い出したり、ひどいじゃない!

 文句を言ったら、「教えたら、あなた、パメラさんを襲うじゃないですか!」とセリアは怒鳴った。

 ピーンときた。

 もしかして嫉妬? 私がパメラを可愛がるのが気に喰わないなんて、セリアったら私に気があるのね。

 そうと言ってくれれば、固い蕾を丁寧にほぐしてあげたのに……

 でも、今は、パメラよ!

 ああああ、愛しの子猫ちゃん!

 愛の狩人カトリーヌが、あなたの美しい肢体を無粋なきぐるみから助け出してあげる!



○月×日

 獣使い屋付近まで行くも、暴れ馬の集団に道を阻まれる。



○月×日

 獣使い屋付近まで行くも、どこからともなく現れた大量のネズミに道を塞がれる。



○月×日

 獣使い屋付近まで行くも、パメラは双頭狼に騎乗して走り去って行った。


 伯爵邸に戻るとセリアが「街から苦情がきています。パメラさんを追いかけ回すのはやめてください」と怒鳴ってきた。

 嫉妬しなくてもパメラの次にあなたを可愛がってあげるわとウインクしたら、猛スピードでバックステップしていった。

 パメラに似て派手な照れ隠しをする子ねえ。


 魔王が目覚めるのは、六十九日後らしい。


 つまり、六十九日は、パメラは獣使い修行に戻らない。

 勇者仲間として、親密につきあえるわ。お触りし放題なのよね。


 待っててね、パメラ。

 愛の狩人カトリーヌが、もうすぐあなたのもとへ行く。

 あなたに本当の愛を教えてあ・げ・る♪ 

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