境界
ルビコン川、そんなに有名ではない?
差異も区別も有限も飛び越える翼が欲しい
コウモリのように骨ばって
都会のカラスのようにうす汚れたやつだ
繋ぎ目のない 同じ1枚の碧が
僕と君の上にも広がってるのに
まるで矛盾する呼びかただけど
天空の地図が描かれてたら
幾つもの境界線に割かれていたのかな
彼岸と此岸を隔てるのは
ぬくもりも遮るような冷たい壁じゃなくて
ちいさな一歩で渡れるはずの細い川
だけどあと戻りを赦さないルビコンに
すべてを振り切る勇気は持てるのかと
意地悪い問いが黄泉還るたび
平たい背中を呪ったまま足は竦む
愛に死別と終焉を 添い遂げる願い 悲しい
サビネコのようにとんがって
濁った硝子のように透きとおってるから
飾り気のない 黙りこんでいた碧で
僕と君の上には蓋がされていて
ときに鼻を衝く言い草だけど
天変の地異が目を醒ましたら
あとかたも残らないほど崩れてしまうかも
彼岸と此岸を隔てたまま
悠久に聳え続く年老いた壁じゃなくて
日照りの数日で干あがりそうな痩せた川
だけどあと腐れを嘲笑うルビコンに
すべてを断ち斬る刃が隠れてるよ
潔く迷い 葬るために
重たい因果が絡んだまま足を運ぶ




