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霧着栗鼠  作者: 伏見來
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小野

「小野さん。」

「調べはついたのか。」

「はい。被害者は栗木爽真、24歳。やはり死因は全身に強い衝撃を受けての即死のようです。」

 栗木爽真。1週間前、箱根スカイラインそばの崖の下で死体となって発見された。事件の2週間前には行方不明届が出されている人物。行方不明であったことや財布の中身が抜かれていたことなどから何者かに殺害されたとして立件された。婿入りの結婚で苗字が有波から栗木に変わり、大手企業に就職、同級生の中でも随一のエリートと呼ばれていた、私の親友だ。

「それで、あっちの方は?」

 調べをまとめた資料を写真と共に小野さんに渡す。死亡推定時刻前後で箱根スカイラインを利用していた人物の一人。

「有波爽士、24歳。被害者の双子の兄でした。当日、不審な人影と人物を見たと。黒いセダンに乗った初老の男、写真を見せたら反応がありました。」

「鈴木明弘か。ということは鈴木が言っていた若い男というは有波で間違いなさそうだな。」

「はい。」

 鈴木明弘。その日、妻と息子を連れて観光に来ていたが当日の事情を聞いた際、事故を起こしたかもしれないと証言していた。

「わかった。お前は他の箱根スカイラインの利用者を当たれ。俺は引き続き被害者の近辺と鈴木を当たる。被害者と鈴木の接点はまだ出ていない。被害者を殺した者が他にいる可能性もある。頼むぞ。」

「はい!」

 被害者の実家があった御殿場に向かう小野さんを見送りに警察署の外まで出てくる。小野さんの車、マツダのRX―7。いつ見ても惚れ惚れする車だ。

「ん?」

 ボンネットに点々と錆がついている。なぜこんなところに。あぁ、そういえば1週間前に小田原へドライブしに行ったって言っていたな。その時の潮風にやられたのだろう。

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