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第86話 婚約パーティーで決着を?

「リカルド様? 何を言っているのですか?」


 私が戻ってこないとは何のことでしょう?

 父が何を言ったのか確認しに家に戻っただけで、別の仕事先を見つけたわけではありませんのに。

 それに、帝国と私個人の契約にサインをしてしまったので、どこかに行くことなんてできません。


「イーリアが何も告げすに消えてしまったので、もうここにはいたくないのかと……」


 ……はっ! 確かにお嬢様に側を離れる宣言をして、転移を使いましたので、どこに行くかは告げていませんでしたわ。

 それは、お嬢様もお帰りになってしまわれます。


「言葉足らずで申し訳ございません。取り敢えず私を解放して欲しいです」


 リカルド様に捕獲された状態では、お話もままなりません。


「イーリアが謝ることは何もないのです」


 ん? 私がどこに行くかと言わなかったのが、悪かったことには間違いはありません。

 それにより、お嬢様(・・・)に心配させてしまったのです。

 明日はきちんと謝罪をしておかないといけません。お嬢様に。

 公爵様には、契約の継続の交渉ですわ。


「イーリアに頼りすぎだと、殿下に進言しておきました。それで、二ヶ月後の婚約パーティーで決着を付けることにします」


 頼りすぎ? アリアお嬢様の身の安全を確保するために、問題解決することは契約内容に沿った行動です。ランドルフ王子に文句を言うことではありません。


 二ヶ月後の婚約パーティーで決着?

 マルメイヤー公爵のことですか?

 確かに一国の第一王子の婚約発表で公爵自身が出席しないというのはよっぽどのことがない限りありえないでしょう。

 しかし、王妃様のお茶会に第二測妃がボイコットした事件は、貴族たちが面白可笑しく噂にしています。


 マルメイヤー公爵自身が出席となると、また貴族社会が揺れ動いてしまうでしょう。

 あのマルメイヤー公爵が王妃様に対して膝を折ったと。


 しかし出席しないとなれば、王妃様と第二測妃の対立を明確化してしまい、マルメイヤー公爵の対応が注目されてしまうでしょう。


「あの? マルメイヤー公爵自身の出席を強制するのは難しくありませんか?」

「ええ、ですから、ある噂を流すことにしました」


 噂ですか?

 まさか!第二測妃が偽物だという噂をですか?

 それはあまりにも真実味がありません。だって貴族の皆様が知る第二測妃は乳母のエリアーナですので、偽物という噂なんて消えてしまうでしょう。

 何故なら、マルメイヤー公爵と敵対することは誰だって避けたいものですから。


「ランドルフ殿下と伯爵令嬢の婚約が発表されると」

「は? 早速、バカ王子が心移りしたと?」


 思わずリカルド様の腕から逃れるように身を捩り、顔を上げて睨みつけます。


 アリアお嬢様を婚約者にと望んでおいて、なんという愚かしさなのでしょう?思いっきりぶん殴ってもいいですわよね?


遅くなりました。

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