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第85話 私は母ほど完膚なきまでにボコりません

「ただいま戻りました……って誰もいませんわ!」


 ランドルフ王子の離宮のサロンに戻ってきましたら、誰もいませんでした。そんなに時間がたったと思えませんのに。


「イーたん、お帰り。公爵令嬢は帰った」


 そして背後からルシア様に声をかけられ、愕然としながら振り向きます。


「え? 帰られてしまったのですか?」


 そ……そんなぁ……私は解雇……決定……。

 思わず膝の力が抜け、床にへたり込みました。


「そもそもアドラディオーネ公爵様が、母の機嫌を損ねたのが悪いのです」


 そうです。母に『子供のような身長』とか言うからボコられたのです。それなのに、私も同じようにボコると勘違いしているのは公爵様の方です。

 私は母ほど完膚なきまでボコりません。


「これは直接、公爵様と会って弁明しなければ……母ほどボコらないと……」

「イーたん。それはボコると言っている?うん。るーたん。イーたんの容赦ないところは好ましいと思っている」


 ルシア様は、床にへたり込んでいる私の両手を持って立たせてくれました。

 あの私はルシア様からどのように思われているのでしょう?


「それから、公爵令嬢から伝言。明日は公爵と来ると言っていた。だからその時にボコるといい」

「ボコるのではなくて、公爵様とお話ができればそれでいいのです」


 明日、公爵様にお会いすることができたときにきちんと言わなければなりません。


『お母様からアドラディオーネ公爵家で働くように言われたので、解雇というのであれば、お母様を交えて話し合いましょう』と


「わかった。あとお兄様が凄く心配している」

「え? リカルド様が?」


 何かあったのでしょうか? 今日はお嬢様の侍女として仕えると言っていましたので、頼まれていたお仕事はなかったはずです。


「そう。イーたん戻ってきたと、お兄様に連絡できた。るーたんは偉い」


 えっへんと、仕事をやりきった感じのルシア様。

 何か念話で、連絡を入れなければならない程の緊急事態でも起ったのでしょうか?


 するとノックも無しに突然サロンの扉が開け放たれました。


 そちらに視線を向ければ、真っ暗な視界と捕獲されたような圧迫感が……。捕獲?


「イーリア。もう、戻って来ないのかと心配しました」


読んでいただきましてありがとうございました。

夜の投稿も遅くなりますm(_ _)m

GWなので……予定が……

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