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第80話 もしかして解雇ですか?

「リーネリア離宮の大量解雇ね。かなり噂になっているわね」


 ルシア様が解雇になった翌日のアリアお嬢様の言葉です。次の日だといいますのに、すでに貴族社会では噂が広がっているそうです。


 恐ろしいですわ。


「アドラディオーネ公爵家で雇って欲しいと、お父様のところに何通も手紙を来ているそうよ」


 公爵家となれば、多くの使用人も抱えており、アリアお嬢様の婚約の件から人手が必要だと見込んでのことなのでしょう。

 ああ、私も早くアリアお嬢様のお側に戻って、色々お手伝いしなければなりませんのに。


「ふーん。それで公爵家で雇うのか?」

「紹介状がないから駄目だと断る方向で行くそうよ」


 確かに解雇するにしても紹介状をしたためて、次の勤め先を紹介するのが通例だと話には聞いています。

 ……あら? 私、そう言えば紹介状なんて提示した記憶がありませんわ。母から公爵様宛の手紙は渡しましたが、あれは紹介状ではありませんわね。


「でも大量解雇するほどことが、あったのかしら? そちらの方が噂が飛び交っていますわね。なんでも幽霊が、リーネリア離宮で失せ物を探しに侵入したという話ですわよね?」


 アリアお嬢様の言葉に、お嬢様の向かい側に座っているランドルフ王子と、その背後に控えているリカルド様の視線が突き刺さります。


 何です? その視線は? そのときの説明は致しましたわ。


 アリアお嬢様の背後から、反論の視線を投げ返しておきます。


「見張りの者が幽霊を見たと騒いでいたとか。それもその幽霊に目をつけられると、殺されるらしいわ。でもそれが大量解雇にどうやったら繋がるのでしょうね?」


 ルシア様が取り調べを受けたとき、魔力の残滓に反応したの者が、酔っぱらいの見張りの者だったのです。


 その方はルシア様にお酒を進められて、廊下で寝ていた二人、その兵の内どちらかだったのでしょう。


 私がサロンの地下から出ていったあと『ひらけごま』で解除された扉は、解錠されたままでした。おそらくその隠し扉に入ったのでしょう。


 そして捕まってしまった。

 その者は何処かにつれて行かれたそうです。


「イーリア」

「はい。アリアお嬢様。何でございましょう」

「お父様からの伝言で、ことが済むまで戻ってこなくていいそうよ」


 え? もしかして私も解雇ですか?



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