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第79話 あの敷き詰められたぬいぐるみを?

 結果から言いましょう。

 第二側妃様、もとい乳母のエリアーナ様は、王妃様主催のお茶会をボイコットされました。


 これは由々しき事態。

 今までのことが、無駄になってしまいました。

 そして悪いことは続きます。


「るーたん。解雇された」


 そう、ルシア様がリーネリア離宮の使用人の職を解雇され、大量のぬいぐるみと共に、ランドルフ殿下の離宮に戻ってきたのです。


「できの悪い子はいらないと言われた。るーたん頑張っていたのに酷い」


 ルシア様が頑張っていたのかは謎です。おそらく本物のカトリーヌ様の面倒も見ていたので、リーネリア離宮での仕事がおろそかになっていたのではないのでしょうか。


 それで、働かないルシア様が解雇になったのではと推察されます。が、これは一般的な認識です。


「うむ。ルシアは頑張っているぞ。偉いぞ」

「ランドルフ様。もっと、るーたんを褒める」

「よーし。よしよしよし」


 ペットの犬でも撫でるようにルシア様の頭を撫でるランドルフ様。

 緊張感というものが全くないですわね。


「困りましたね。偽物の第二側妃と接触しようにも、常に周りに誰かがいるため、難しいですね」


 リカルド様からの話によると、今回解雇されたのはルシア様だけではなかったようで、多くの下働きの者たちが解雇されたのです。


 これは地下にいたカトリーヌ様がいなくなっていたので、怪しい者たちを処分したのではという見解です。


 そう処分です。

 私達がオルビス君を連れて戻って二日後、ルシア様からリカルド様に緊急の連絡が入ったのです。


 私はランドルフ王子の執務室でオルビス君に文字を教えているときでした。



「困りましたね」

「どうした? リカルド?」


 やはりこんなところで、文字を教えていると邪魔ですよね。

 リカルド様からこの場にいるように言われましたが、やはり別の部屋に移動した方がいいと思うのです。


「ルシアが、あのぬいぐるみを全部安全なところに移動して欲しいと言ってきたのです」

「もしかしてリーネリア離宮にあるぬいぐるみをか?」

「ええ、どうも下女たちを一人一人取り調べをして、そのまま解雇通知して外に出しているようなのですよ」

「もしかして地下の第二側妃の件か?」

「そうみたいですね。残された僅かな魔力で本人かどうか取り調べをしているようです」


 そう言ってリカルド様とランドルフ王子が私に視線を向けてきました。


「え? ルシア様の部屋の、ぎゅうぎゅうに敷き詰められたぬいぐるみを回収するように、私に言っています?」


 というは、ルシア様の心配よりぬいぐるみの確保の方が大事なのですか? いいえ、一度ランドルフ王子は、ぬいぐるみの件でルシア様に痛い目にあったので、優先度は高いと思われます。


「それは私が行きますが、イーリアは当分の間、外に出て駄目ですよ」


 何故かリカルド様から軟禁を言われてしまいました。


「言っておきますが、私の魔力の痕跡は綺麗さっぱり消していますわ」

「おや? それでは、いったい誰の魔力の痕跡が残されていたのでしょうね」



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