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第78話 まだ私は解放されないのですか!


「幸せだった頃まで記憶が戻るのか? マリー様仕様だから検証するには怖くて飲めないな」


 ランドルフ王子はそういいますが、弟のロイドと父はなんともありませんでしたので、普通の人にはなにも影響は与えないのだと思います。


「さて、オルビスという者に会って話してみたが、あれでは偽物を連れてきたと疑われそうだな」

「すみません。まさか名前まで忘れてしまうなんて」


 母の薬の所為で、あのようになってしまったので、なんとも言えませんが、アルベント伯爵家が悪いのでしょう。


「るーたん思った。逆に洗脳する」


 ルシア様が恐ろしいことを言っていますわ。そんなことできるはずがないです。


「イーリアの話の状況からすると、そもそも名前を呼ばれていたかが疑問ですね」


 リカルド様の意見も一理あります。状況的に奴隷のように鎖に繋がれていたことから、まともな状況でなかったことは確かでしょう。


「ふむ。だったら、敢えてそのまま会わせてみるか?」


 エリアーナという人にですか。ですが、どうやって会わせるのでしょう?


「母上から茶会に誘われれば、よっぽどのことがない限り行かねばならない」


 そうですわね。王妃様のお茶会に誘われて行かないという選択はできません。

 だったら、私はもうこの案件から離れてもいいですわよね。

 あとは王妃様とランドルフ王子に委ねればいいこと。


「それでは私はアリアお嬢様の元に帰らせていただきます」

「え?」

「るーたんがさみしいから駄目」

「イーリア、一緒にここで暮らすという約束ですよね」


 どうして、私がランドルフ王子の離宮に住み込みで働くことが当たり前になっているのですか。

 あと、暮らす約束はしていません。


「イーリア。まだ君にはやってもらわないといけないことがある」

「ランドルフ王子。あとはランドルフ王子のお力で解決するはずです」

「いいや。まだ、イーリアが考察してきたことを立証できていない。それが本当であれば、聖女マリー様の力が使えるイーリアが居てくれないと困る」


 え? 私はまだアリアお嬢様の元には帰れないのですか?

 婚約発表が控えているのですよね?

 私もお嬢様の侍女としてお手伝いをするべきだと思うのです。


「……お母様ではないのですが、マルメイヤー公爵を殴ってきていいですか?」


 元々の元凶であるマルメイヤー公爵を殴って自白させれば、全て問題解決するような気がしてきました。


「イーリア。そういうマリー様の力技ではなくて、一般的に皆が納得できる形での結末を私は望んでいる」


 馬鹿王子からまともな答えが返ってきましたわ。でも、皆が納得できる形って無理ではないのですか?

 もう、ことがややこしくなって、理解し難いと思うのです。

 だから、ぶん殴った方が一番手っ取り早く、簡潔に解決できると思っているのは私だけでしょうか?



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