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第77話 記憶喪失

「あの……僕は何故ここにいるのでしょう?」


 青い泡を吹いていた少年は翌朝になると、栄養がいきわたった普通の少年の姿になっていました。


 母の回復薬の半端なさを実感してしまいます。


 貴族らしい見た目がいい容姿。室内でもキラキラした金髪。そしてミステリアスな紫の瞳。

 どこぞの王子様と言っても過言ではない見た目になっていました。


 私の隣に本物の皇子様がいらっしゃいますけどね。


「貴方達は誰で、僕は誰でしょう?」


 このことがなければ完璧でした。

 まさかの記憶喪失。自分の境遇まで忘れてしまうなんて。


「リカルド様。あの回復薬の説明書ってありますか?」


 取り敢えず、少年に食事を取ってもらいます。その間に私は母が作った回復薬の説明書を見せてもらいました。


『心身ともにリフレーッシュ。これで日々のストレスから解放されます』


 栄養ドリンクのような文言だけが書かれていました。

 これでは何もわかりませんわよ!


 ん? 心身ともにリフレーッシュ? 

 まさか!


「リカルド様。これを第二側妃様に使えば、心の問題が解決するのではないのですか?」


 その後に情報を聞き出すということはできないでしょうが、普通の人の暮らしができるかもしれません。


「そうですね。戻ってからルシアに使ってみるように言ってみましょう」





「お兄様。あれ凄い」


 私とリカルド様とオルビス少年は、ランドルフ王子の離宮に戻ってきました。そして、ルシア様に回復薬を渡して、戻ってきたルシア様の感想です。


「どうでした?」

「凄く青色だった。人が青い泡を吹くのかと、この目で見てしまった」


 ルシア様の感性は青い泡に集中してしまったようです。

 もしかして泡を吹いたまま第二側妃様を放置していませんわよね?


「るーたんも、あれを飲んでみたい」

「駄目ですよ。聖女様の貴重な薬を無駄遣いしてはなりません」

「確かに……でも、気になる」


 リカルド様。たぶん母に言えば、いくらでも作ってくれると思います。

 時々、人魚を釣りに行くわよと悲鳴を上げる父と何処かに消えて行っていますから。


「あと本物の第二側妃。目が覚めたら母親を探していたけどどうする?」


 母親ということは、マルメイヤー公爵夫人ですか。しかしカトリーヌ様のお母様は確か……


「ルシア。母親は遠くに行ったと伝えておけ」

「了解。ランドルフ様。記憶が消えたというより退行したと思ったから、どうしようかと悩んでいた」


 あれ? 第二側妃様は記憶喪失ではないのですか?


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