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第65話 るーたん頑張った。ご褒美を所望する


「うっ……それはイーリアが追跡しなければならぬのか?」


 横腹を押さえながら立ち上がるランドルフ王子。王子も父と同じぐらい打たれ強いですわね。


「私の魔力で作られていますので、私が動かないと魔法を維持できません」

「言われてみればそうか。広範囲魔法と言っても精々一部屋程度だしな」


 バカ王子は何を言っているのです。それでは転移魔法なんて使えないではないですか。

 ……あれ? 母が何か言っていましたね。


『転移を使えないなんて不便なのに、結局イーリアしか使えなかったものね』と。


 転移がつかえるのでしたら、他の者が追跡するのもありかしら? いいえ、確か私と距離が開くとその場に留まっていたので、術者との距離か目視できる範囲という制限があるのかもしれません。


「リカルドと行けばいい」

「うぇ?」


 リカルド様と? なぜ、そのような話になるのですか?


「バンちゃんに乗っていけばいい。それならイーたんでも乗れる」


 この場に居ないはずのルシア様の声が聞こえます。声がする方向に視線を向けますと、本を抱えたルシア様が立っていました。


「おっ! ルシア。早かったな」

「ランドルフ様。るーたん頑張った。ご褒美を所望する」


 ルシア様はご褒美をランドルフ様に要望しながら、本と紙の束を渡しています。

 あの本は見覚えがありました。

 私がお昼前にランドルフ王子に渡したものです。


 地下の部屋から持ち出したものですね。


「うむ。好きなように作成の注文をしておくといい」

「流石、ランドルフ様。太っ腹」


 作成の注文?……これはルシア様に何かを頼んだら、ぬいぐるみを与えるということなのですか?


 そしてルシア様がくるりとこちらに視線を向けてきました。


「お兄様のバンちゃんは強い。だから、イーたんでも大丈夫」


 何が言いたいのかさっぱりわかりませんわ。『バンチャン』とは何のことなのでしょう?


 私は意味が分からず、リカルド様に通訳をお願いしますという意味の視線を送ります。


「イーリアと旅行ですか。いいですね。殿下から許可が出たので、楽しみましょうね」

「リカルド様。旅行ではなく、エリアーナ・ラヴァルの子供を本人に会わせて、話を聞き出そうという作戦です。それから『バンチャン』とは何ですか?」


 やはり視線だけでは通じなかったので、ズバッと聞きます。ルシア様の表現は独特すぎて、私には理解できませんもの。


「ワイバーンですよ。調教したワイバーンをレイム族は騎獣として使っているのです」


 ワイバーンのどこがバンチャンになるのですか! ってワイバーン? あの亜竜種のワイバーン?

 ワイバーンって騎獣になりますの?



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