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第48話 侍女長アルマとは

「侍女長アルマですか。彼女はリーネリア離宮を取り仕切っている者ですね」


 サフィーロ伯爵が説明してくださいました。薄々とは気がついていましたが、ルシア様は諜報には向いていないのではないのですか?

 いいえ、皇女様にそのようなことをさせているのが、間違っているのですが。


「その侍女長アルマは第二側妃様とかなり近しい者ですか?」

「そうですね。確かマルメイヤー公爵令嬢のときから仕えていたとありましたね」


 やはり、その侍女長が取り仕切っているということですか。


「ルシア……先輩」

「何かな? 後輩のイーたん」


 すごく満足気な感じですが、クリームが口の端についていますわよ。ランドルフ王子。ナフキンぐらい差し出してあげなさいよ。


「ルシア。クリームがついていますよ」

「むむっ!」


 本当に皇女様なのか疑いたくなってしまいます。いいえ、逆に潜入者とは思えない感じが敵を欺くのでしょうか?


「あの、それでリーネリア離宮の使用人たちは、侍女長に監視されている感じなのでしょうか?」

「そう。仕事がきちんとできているかチェックされる。銀磨きの仕事とか鬼。ちょっとでも曇っていたらやり直し。るーたん、凄く怒られた」


 ……えっと、銀食器は毒に反応しやすいということで、いっとき流行りましたわね。今はランドルフ王子が使われているカラフルな色使いの絵が描かれた陶器製が流行っています。


 しかし銀磨きは曇りがないようにするためではないのでしょうか?

 この話だけでは、どうとも判断がつきませんわね。ただ単に侍女長という仕事にプライドを持った方なのか、第二側妃様の現状を隠そうとしている者なのか。


「ありがとうございます」


 そしてランドルフ王子に視線を向けました。第二側妃様のところに送り込んでどれほど経つのかはわかりませんが、流石に13歳の皇女様には荷が重いのではないのでしょうかという非難の視線を込めます。


「ルシアは頑張っているな」

「えっへん!」


 いいえ。私はルシア皇女にどのような役目が与えられているのか聞いていません。ここで私が何かを言うのは間違っているでしょう。


「現状報告としましては、手記は見つかっておりません」

「なんだ。処分されてしまっていたのか」

「いいえ。隠し部屋があるところまでは突き止めたのですが、流石に人目が多い昼間に侵入するのは困難だと思い、出直すことにしました」


 乳母と第二側妃の件を報告するのは、手記が見つかってからでいいでしょう。


「今夜。もう一度リーネリア離宮にまいります」

「流石、私のイーリアですね。それでは、イーリアの部屋を用意しなければなりません。私の隣の部屋など如何です?」

「うきゃ!」


 いきなり立ち上がって移動始めたサフィーロ伯爵の所為でバランスを崩してしまいました。が、何故にお姫様抱っこになっているのですか!

 こんな恥ずかしい姿のまま廊下に出ようとしないでください! それから隣の部屋は却下いたしますわ!




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