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第35話 私が危険人物扱いに!


「始末したネズミは別の者たちが片付けることになっている。だから、このまま放置」


 ルシア様が木々の間からでてきました。それも手には短刀を手にしています。


 何を考えているのかわからないルシア様ですが、ランドルフ王子の護衛という皇帝からの命令はきちんとこなしているということなのでしょう。


「イーたん。まずは本城に行く」


 ルシア様はある方向を指して進み出しました。これは第二側妃の離宮は王城の中を通っていかないといけないということですね。


「サッソザイ。楽しみ」


 はっ! 殺鼠剤が効くのはネズミであって人ではありませんわ!


「あ、イーたんには、これを渡しておく」


 そう言ってルシア様は青い宝石がついて指輪を私に差し出してきました。


「これは?」

「魔力を込めると、発動する指輪」


 指輪を受け取りましたが、全然説明になっていませんわ。魔力を込めると何が発動するのですか。


 するとルシア様は右手を私に見せてきました。同じように青い指輪が人差し指につけられています。

 それを指から抜き取ります。


 ……何でしょう?

 何がしたいのかわからず、首を傾げてしまいました。


「はっ! イーたんの目はおかしかった」

「私を変な風にいうのは止めていただけません?」

「るーたんのは、髪の色が違うように見える魔道具。イーたんのは、見た人が知り合いかもしれない人に見える魔道具」

「知り合いなのか、知り合いではないのかどちらなのですか?」


 このようなややこしい魔道具の需要などあるのですか?

 それは見た人によって違う人に見えるということですわよね?


「どちらかなのは、見た人次第。ちょっとした潜入にはいい。るーたんは長い間いないといけないから使えない」


 ああ、短期の潜入であれば、摩擦がすくなくてすむということですか。


「それではお借りします」

「違う。それはイーたんの。父からの報酬に含まれている」

「え? 皇帝からの報酬ですか?」


 まだ何もしていないですのに?

 皇帝からと言われると、このまま突き返したくなってきます。


「イーたんは父を屈服させた聖女様の子。扱いには要注意と言われている」


 ……どれだけのことを母は皇帝にしたのですか! それも屈服ってどういうことなのです!


 私が危険人物扱いになっているではありませんか!



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