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第27話 ルーたんのお仕事

 ルシア皇女は私の目の前の席につき、第一王子は未だに復活出来ずに絨毯と仲良しになっています。


 そして私は幻術を解いて元の姿に戻りました。


「私と変わらないのに、凄い魔法使い」


 おそらく私のことを褒めているのでしょう。あまり感情を表にださないように言われているのか、先程から淡々と話されています。


「お初にお目にかかります。イーリア・アルベントと申します。歳はルシア様の三つ年上になります」

「え?」


 何に驚いているか聞いてもいいでしょうか?

 確かに背は十三歳になるルシア皇女とさほど変わりません。胸なんて比べるのもおこがましいほどです。


 だいたい帝国の方々は背が高いと聞きますので、成長が早いのでしょう。私の隣に座っているサフィーロ伯爵なんて、首がいたいほど見上げなければならないのです。


 くっ、これでも母より少し背が高いのですよ。ですが、サフィーロ伯爵の胸辺りまでしか身長がない現実。そう! 帝国の方々の身長が高い所為ですわ!


「早速ですが、私は何をすればいいのか聞いてもよろしいでしょうか?」

「まかせて、今日のためにルーたん頑張った」


 ん? ご自分のことを『ルーたん』と呼ぶのでしょうか?幼子ならわからないでもないですが、少々違和感を感じます。


「ドジっ子ルーたんの一日〜パチパチパチパチ」


 何故か大きな紙を出されてきて、紙芝居のようなことが始まってしまいました。

 もしかして、頑張ったというのは、この紙芝居を作ったことですか?


「ルーたんの朝はとても遅い。『あー、もうお天道さまがあんなに高く。お昼ご飯が食べられなくなっちゃう』慌てて食堂に向かうのです」


 ……高位貴族の夫人の起きる時間ですが、夜に何かしら動いていらっしゃるのであれば、仕方がないことでしょう。


「食堂に向かえば、意地悪侍女長に見つかってしまい、食堂から追い出される。侍女長の部屋に連行されて、今日の朝の仕事をサボった理由を聞かれた。『おふとんが気持ちよくって寝坊しちゃった。テヘペロ』正直に言ったのに、凄く怒られた。理不尽だと思う。お兄様に愚痴を言うついでに、昼ご飯をもらいに行った」


 これはドジっ子を演じるように言われているのですか? 私は寝坊した理由をそのまま言ってテヘペロだなんてできませんわよ。


「第二王子の勉強の合間にお茶を出すのがルーたんのお仕事。『アルフレッド様。休憩にしましょう』可愛いルーたんにメロメロの第二王子は、二つ返事で勉強を中断」


 自分で可愛いって言ってしまっているわ。確かに可愛いけれど、これはハニートラップを第二王子に仕掛けているということ? それも帝国の第二皇女が?


「お茶を出すときに、誤って机の上にお茶をぶちまけてしまった。『アルフレッド様ごめんなさい。本が紅茶まみれに……テヘペロ』第二王子はルーたんにメロメロだから、直ぐに許してくれる」


 誤ってと言っているけど、毎回と考えていいのかしら?

 本は高いのに、それを紅茶を掛けられれ許す王子って、バカ王子よりよっぽど、王の素質があるのでは?

 ……いいえ、これはお気に入りの使用人のルシアだから許しているとも捉えられるわね。


「ルーたんの仕事はこれで終わったので、ランドルフ様と遊ぶのでした。おしまい」


 ん? これで終わりなの? 調査的なことはしていないの?

 そもそもこの紙芝居の意味はあったの?



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