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第22話 どこに気絶する要素が?

「アリアお嬢様。数日間お側を離れることを許していただきたいのです」


 アリアお嬢様の婚約も無事に済まされ、お披露目パーティーの日程も決まりました。本当であれば、私はお嬢様のお側で、お披露目パーティーに着る衣装や小物、招待客への招待状の準備などを手伝わなければならないのです。


 お嬢様の見えないところでは、使用人たちが色々動いているのです。


「ランドルフのおバカから聞いているわ。イーリアに惚れ込んだサフィーロ卿が一緒に過ごしたいと申し出たと……」

「全く違います」


 私はお嬢様の言葉を遮って否定します。失礼なのは重々承知していますが、これははっきりと言っておかないと、後で尾ひれや何やらついてきては困りますから。


「わかっているわ。おバカのランドルフですもの」


 お嬢様は第一王子の言葉を本気で捉えていないとクスクスと笑っています。

 そしてスッと真顔になりました。


「イーリア。ランドルフの周りは危険だから気を付けて、私はお父様が護衛をたくさんつけてくれているからいいけど、イーリアにはつけられないって言われたの」


 これはお嬢様から私に護衛をつけてほしいと言ってくれたということでしょうか?


 ……なんてアリアお嬢様はお優しいのでしょう! 普通はこんな使用人に護衛などつけようなど思いもしませんのに!


「お父様は酷いわ。確かに私よりたくさん物事を知っているわ。でも! イーリアは私とそんなに変わらないのよ!」


 ……お嬢様。一応私は16歳ですので、自分自身のことは守れますわ。


「こんなに可愛いのに!」

「アリアお嬢様の方が、とても可愛いと思います」

「だって! だって~私と同じ歳よね?」

「……私が幼く見えるのは母に似たからで、私はお嬢様より年上ですよ」


 するとお嬢様はガーンという感じでショックを受けています。

 ショックを受けるほどのことなのですか?


「ランドルフ第一王子と私は同じ歳です」

「うそ……」


 お嬢様はそう言葉を漏らして、気を失ってしまわれました。

 え? どの辺りが気を失うほどショックだったのですか?


 馬鹿王子と同じ歳というところですか?


 床に倒れられる前に支えて、お嬢様をお姫様抱っこで長椅子まで運びます。


 そこの護衛! なにほのぼのしているのですか! 普通ならあなた達が動くべきでしょう。


 そして長椅子にお嬢様を置いたところで、目がパチリと開きました。


「まさか以前お見かけしたイーリアのお姉様と思っていた方が、アルベント伯爵夫人とか言いませんわよね!」

「アリアお嬢様が、どのような人物を私の姉と言っているのかわかりませんが、私の姉は普通ですよ」


 母と違って普通です。

 すると、ほっとした表情をお嬢様はされました。


「イーリアを黒目にした感じの方はイーリアのお姉様で合っていたのね」

「あ、それは母です。私の姉は父に似ているので」

「ふっ……」


 どこに気絶する要素があったのですか! アリアお嬢様!



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