表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/136

第16話 離せと話せの攻防

 あっ……あまりにもの軽々しさに思わず言ってしまった。


「今、口にしたことはお忘れください。私はお嬢様の元に向かいますので!」


 掴まれている右手を振り切ろうとしましたが、ガシリと掴まれて離れません。


「離していただけますか?」

「どこから、その話を聞いたのか話していただけませんか?」


 笑顔で返されたので、私の笑顔で返します。


「いつまで私の手を握っているつもりなのでしょうか?私はアリアお嬢様の元に行きたいのです」

「でしたら、このまま一緒に行っても問題ないですよね?話していただけますよね?」

「別にサフィーロ伯爵と仲が良いわけではありませんので、一緒に行く必要もないです。離してください!」

「先に話していただくほうが先です」


 離せと話せの攻防が続いていると、互いの主が戻ってきました。


「何をしているんだ?」

「どうかしましたの?」


 その声がする方に視線を向けますと、仲の良い雰囲気を醸している第一王子とアリアお嬢様がいます。


「アリアお嬢様! お嬢様のお側に行こうとしていましたのに、この男が手を離さないのです!」


 取り敢えず私よりも地位の高いアリアお嬢様に訴えます。


「イーリア嬢の能力に惚れ惚れしまして、求婚したところ断られてしまったのですよ」

「いいように利用しようとしたと言うべきですね!」

「ランドルフ殿下とアリアルメーラ公爵令嬢様を支えるにはいいと思ったのですが……」

「それは建前ですよね!」

「それはいい!」


 この馬鹿殿下! 何を賛成しているのです! この男が帝国の第二皇子ということを知っているはず!


「私はアリアお嬢様を支えるために人生を捧げますので、結婚とかは遠慮いたします!」


 それにこの話は受けない方が良い。帝国の第二皇子となれば、内々に妃が決められていることでしょう。

 ということは二回目の婚約破棄もしくは婚約解消となり、私の評価がだだ下がりになってしまいます。

 するとアリアお嬢様の立場を悪くする可能性があるのです。


 この話は絶対に受けません!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ