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第130話 これは偶然ですわ

 薄暗い地下に降りていくと、ひんやりとした空気が頬を撫でます。そして、何やら響いてくる怪しい声。

 やはり、ここにいたようです。


 しかし、なにですか? よく聞き取れないのですが?


 カトリーヌ様と会った本棚がある部屋にたどり着きました。壁の隙間から部屋の様子を窺い見ます。


 もしかして、母が作成したえげつない魔導生物に、頭をやられてしまったのでしょうか?


 恐る恐る顔をのぞかせてみた光景は、床に怪しげな魔法陣が描かれ、そこから怪しい黒いモヤとモヤに混じって、ヘビにまみれた物体が出てきているではないですか!


 さっき母にボコボコにされていたはずなのに、召喚されるとリセットされるとか言うのではないでしょうね!


 私は床を蹴り、魔法陣から出るというよりも、魔法陣から外に早く出ようともがいている物体にむかって拳を振るいます。


「『天誅!』」

『ぐゔぉぉぉぉぉ!』

「さっさと封印されてきなさい!」


 そして魔法陣に向って踵落としをします。


『あ! マリー押し戻されてきたよ』

『さっさと引っ張り出しなさい! 誰よ。このクソを召喚しようとしたヤツは!』

『召喚魔法を消滅させない限り無理じゃのう』


 どうやら邪神がもがいているように見えたのは、父が召喚される邪神を引き止めていたらしいです。

 ということは、これは母のところとつながっているということです。


 召喚したらしい女性は近くにいた魔導生物に任せましょう。


「『その女性を糸でくるんで上の人が集まっているところに連れて行って』」


 蜘蛛の魔導生物にそう命じて私は、更に邪神を押し込めるべく拳を振るいます。


「さっさと引っ込みなさいよ!」

『ぶごぉぉぉぉぉ!』


 そして私は邪神ごと、魔法陣にダイブしたのでした。


「うきゃぁぁぁぁぁ」

『ぉぉぉぉぉぉ!へぶしっ!』

「邪神と一緒にイーリアが落ちてきた!」

「ナイスよ。イーリア。直ぐに逃げようとするバカにはお仕置きが必要ね」


 邪神は地面に激突したものの、私は父に受け止められました。

 そして、地面に激突した邪神を足蹴にしている母。


「私もバカじゃないから。最初の召喚者がどうしたのか調べたわよ」


 母の言葉にビクッと震える邪神。

 最初の召喚者ということは、天の使徒とか言われている人ですね。


「そして、今回はそれを使える者が二人いるのよ。イーリア。流石私の娘ね。タイミングがバッチリよ」


 え? 私ですか? タイミングと言われても、これはただの偶然ですわ。

 それから、何をするか聞いていませんわよ。


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