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第124話 大陸の半分を支配したドラギニア

 茶番劇を終えた婚約発表の会場は、終始和やかな雰囲気に包まれていました。

 ですが、私とリカルド様は別のことをランドルフ王子から命じられたのです。


「カトリーヌを連れて、リーネリア離宮に行ってくれないか?」


 これはオルビス君も連れてということでしょう。

 マルメイヤー公爵は、国に仇なす簒奪者だと。


 正確には画策した段階ですが、邪神を呼び出した時点でアウトだということです。

 あの姿は、なんとも言えず醜悪でしたものね。


 その公爵は邪神の力を使ったためか、骨と皮だけの老人になっていました。身に余る力を使おうとした代償だったということです。


 そして私はラブラブなカトリーヌ様とオリビス君を伴って、リーネリア離宮に向っていっています。


「それで、ドラギニアのことを教えてくださいませんか?」

「そうですね。ドラギニアとはこのあたり一帯を治めていた国の名です。この大陸を半分ほどでしょうか?」

「え?」


 大陸の半分? それってこのイグネア王国もシュトラール帝国も含まれています。それよりもあと六カ国ぐらいは、含まれるのではないのでしょうか?


「そんな巨大な国を支配していたのが、竜人族であるドラギニアです」


 国と種族の名が同じなのですか? しかし、逆に疑問に思ってしまいます。そんな国を維持していたのに、今はなぜ辺境の地にまで追い込まれたのでしょう。

 それに種族名を変えてです。


「国の崩壊のきっかけは『デルピューネス』という竜人でした」

「え? 邪神ではなくて?」


 その名前って、先程の醜悪な物体の名前ですよね。


「はい。そのモノの目的は天眼という、すべてを見通す目を持つドラギニアの姫でした」

「すべてを?」

「未来も過去もその人物の人となりも、死期さえも、ただ見えなかったのは姫自身のこと。だからこそ、ドラギニアが繁栄したと言っていいでしょう」


 ああ、未来を見る目を持っていれば、厄災は事前に対処され、最小限の被害になり、未来で王になにか起こるとわかれば、それも事前に対処可能。

 まさにチートということですか。


 しかし、姫の未来は見えなかった。ここに何かがありそうですわね。


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