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第114話 王族らしい女性は誰だ?

「そして、あと二人。皆に紹介したい者がいる。入ってくるといい」


 背後の大きな扉が開いたので、私は横にズレました。その扉から会場に入って来たのは、どうみても王家の血が入っている容姿の金髪の美しい女性と、その息子だと言ってもいい少年です。


 その少年はキラキラした金髪に整った容姿。まさに王子様と言っても過言ではない。

 その二人の姿に会場からざわめきが湧き上がりました。


 王族と思えるが、思いあたる王族が誰もいないというざわめきです。


「マルメイヤー公爵。御息女の紹介は貴殿からの方がいいか?」


 ランドルフ王子は、会場に入ってきた女性と似た雰囲気を持つ初老の男性に向って声をかけました。

 そうカトリーヌ様を地下の部屋に閉じ込めていたマルメイヤー公爵にです。


 ランドルフ王子の言葉に人々の視線は一箇所に集中し、この場にいる人達からある疑念が生まれてきます。


 マルメイヤー公爵の娘と言えば一人しかいないのです。それは王家の血筋である今は亡き奥方の子供しか実子と認めなかったからです。

 では、カトリーヌ様以外に御息女と示す人物はいない。


 ならば、あの子供は誰の子だと。


 遠目からはオルビス君の紫の瞳は金色の長いまつ毛に阻まれて、ハッキリとは認識できないでしょう。


 そうなると、あの少年は第二王子ではないのかと。


「知りませぬなぁ。第一王子が何をおっしゃりたいのか、私には理解できませぬ」


 しかし、マルメイヤー公爵はカトリーヌ様を知らないとシラを切りました。


「お父様! カトリーヌをお忘れですか?」


 そこにカトリーヌ様が声を上げます。オリビス君のように記憶を失ったわけではなく、退行しただけですので、歳は取っているでしょうがマルメイヤー公爵を父親と認識していました。


「お前など知らん!」


 決してカトリーヌ様を本人だと認めようとしないマルメイヤー公爵。それはそうでしょう。


「マルメイヤー公爵。言葉には気をつけたほうがいい。ここにはあの聖女マリー様の御息女がいるんだ。イーリア」


 ランドルフ王子からご指名が入ったので、返事をして前にでます。


「はい。ランドルフ殿下。如何致しましたか?」


 言われることは、事前に決められてわかっていますが、ここは敢えて尋ねます。


「虚偽の審判をお願いしようか」

「かしこまりました」



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