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第103話 イーたん。らぶらぶ!

 この技はどんな硬いものも叩き斬ると言われています。

 ただ、私が使うと魔力をまとわしてしまうため、威力は下がるのです。


 本来の技なら、大斧の背後にいたルシア様も斬っていたことでしょう。


 そして、私の膨大な魔力を通し、最大加速で、硬いモノを切るとなると、私が振るった剣も砂塵のように瓦解していくのです。

 だから、私が扱える武器が必要だったのですが、武器屋に行くたびに壊していたのです。


「あら? 剣が形を保っています」


 いつもは、剣の持ちての部分しか残っていませんのに、今日は普通の剣の形を保っていました。


「イーたん。あれどうやったの? るーたんもできる?」

「普通の抜刀術ですよ」

「絶対に違う」


 そうですね。普通では扱えないかもしれません。


「聖騎士の修行をして基礎ができれば使えますよ」

「るーたん。聖騎士になる!」

「ルシア。力を解放しましたね。それは許可がないと駄目だと何度も言っているはずですが?」


 そして、ルシア様の背後からいつも通り笑顔を浮かべているものの、何故か怖いリカルド様が近づいてきました。


 やはりルシア様の尋常ではない力は、種族的なものだったのですね。


「るーたん。イーたんの本気を見たかった。イーたんが凄いことよくわか……いたっ! お兄様がデコピンした! 頭割れる! るーたんの頭がパッカリと割れる!」

「割れません」


 どうやら、その力というのを使うには条件があるみたいですね。誰の許可が必要なのかわかりませんが。

 しかし、その規則を破ったルシア様に、リカルド様は罰だと言わんばかりにデコピンをされました。その威力で一瞬ルシア様の頭が後方に倒れ込んだのです。


 額を押さえているルシア様から怪我を負っているようには見えませんが、あの一瞬意識が吹っ飛びましたわよね?


「イーリア。先程の剣術は危険なものではないのですか?」

「あ……リカルド様。剣を貸していただき、ありがとうございました。たぶん、刃こぼれはないと思いますが、何か不具合があったら、ごめんなさい」


 リカルド様の言葉をスルーしながら、お借りした剣を差し出します。

 たぶん壊れてはいないはずです。


「剣など、どうでもいいのです」


 私は剣をお返ししようと差し出しましたのに、何故にリカルド様に抱き寄せられているのですか!


「きちんと、説明しないとこのままですよ」

「うぇ?」


 それも低い声で脅されるように、言われてしまいました。

 せ……説明……ですか?


「イーたん。らぶらぶ」


 違いますわよ! ルシア様!


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