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第102話 ただ唯一使える剣技

 両手剣ならぬ、大剣と大斧を手にしたルシア様は、先程の動きと全く違い私は防戦一方です。


 これはまるで、生きるか死ぬかの闘争。


 大剣に乗せられる殺気に怖気づけば、私のこの首が飛んでいたことでしょう。大斧をまともにいなそうとすれば、腕一本ぐらい剣ごと叩き切られていたことでしょう。


 これは私のように魔力を補助として、武器を振るっているのではなく、身体能力だけで武器を扱っています。

 そう、父や姉と剣の稽古をつけられたときと同じ感覚です。


 気を抜けば殺される。


 剣を扱うことを躊躇していると、死がちらつきます。


 剣は得意ではありません。しかし、魔の森(サランディゼロ)に生息する魔物の中には魔法が通じないモノもいるため、剣を扱えるように訓練されてきました。


 ルシア様から距離を取り、剣を鞘に収めます。


 全ての魔法を反射する硬い甲羅に覆われた鎧鼠(ペトルンブム)。子供ぐらいの大きさはあるのに、長距離攻撃の魔法が通じず、とても素早い魔物。

 その魔物を討伐する技はただ一つ。


 そのただ一つの剣術のみ私は剣技として扱えるのです。


「ふぅー」


 一つ息を吐き、足に魔力を溜め、地面を蹴り上げます。

 森の中を素早く動く鎧鼠(ペトルンブム)の動きに対応するように、縦横無尽に天地無用に動きます。


「凄い。流石イーたん。空を飛ぶ天使だけはある」


 何を言っているのですか? 天使ではありませんよ。


 大斧を盾のように構え、大剣をつきの構えをとるルシア様の死角になる背後の地面に降り立ります。


「イーたん。甘い」


 しかし素早く、振り向きざまに大剣をついてくるルシア様。その大剣は地面にしゃがみ込んだ私の首を捉えていた。


 ですが、私はそのまま地面を蹴り上げ、剣を鞘から抜き、切り上げました。移動の力をそのまま剣に伝え、どんな硬いものも叩き斬るという剣技。


「トルスエノ!!」


 ルシア様の放った大剣の切っ先に当たったかと思うと、金属でできた大剣が甲高い悲鳴を上げながら細かく壊れていきます。


「うそっ!」


 大斧を盾のように斜めに構え、私の剣をいなそうとするも、大斧の半分が形を無くしていました。その奥から呆然と私を見ているルシア様と目が合います。


「剣が折れるのなら分かるけど、なぜ粉々に? るーたん理解できない」


遅くなりましたm(_ _)m

第103話も投稿しています。

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