表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

終わらない効果


気づいたら寝てしまっていたようだ。

目を覚ますと、私にもたれていたはずのノアに、私がもたれかかっていた。


机の反対側ではユーリとイーサンも互いにもたれかかりながら寝ている。


「おはよう」

私が起きたことに気づいたノアが顔を覗き込んでくる。

「ノア、いつから起きていたの?」


「ちょっと前」

「起こしてくれたらよかったのに。ごめんね」

私がもたれていたから身動きが取れなかったのだろう。


「リリアーナの寝顔が可愛かったから眺めてた」

ぼんっと顔が赤くなる。


そうだ。惚れ薬の効果は今日の夕方まで残っている。

かわいいってノアの辞書にある言葉なんだな。


改めて薬の効果に申し訳なくなる。

効果が切れたら謝ろう。

もうリアムさんと話せなくなったとしても、ノアに正直に話そう。


かわいいなんてノアにとって貴重であろう言葉をいただいてしまって、罪悪感が増した。



その後夕方まで、ユーリとイーサンもたまに交互に家に帰りながらもずっといてくれた。

おかげで薬の効果が切れる時間まで、大きな問題はなく乗り切った。


時計を見上げる。

「いよいよだね」

ユーリの言葉にうなずく。


時計が17時3分になった。

ちょうど薬を飲んで24時間後である。


がばりとノアに頭を下げる。

「本当にごめん。私が作った惚れ薬を飲ませてしまって」

「惚れ薬?」


ノアが眉をひそめる。

記憶が消えているから当たり前だ。

私が今目の前にいることも混乱しているだろう。


「私たちが合流してからの記録しかないけど」

ユーリが録画してくれていた映像を空中に映し出してくれる。


早送りで流される映像をノアは真顔で眺めている。

ああ、怒っているよね。


「本当にごめんなさい。私が軽はずみなことしたせいで。ノアをあんな状態にしてしまって」

深々と、もはや土下座する勢いで頭を下げる。


するとぽんと頭に手が振ってきた。

「謝んなって。俺が勝手に飲んだんだし」

優しい声で頭を撫でられ、目をぱちくりさせる。


「えっと、怒らないの?」

予想していたことと全く違う返答に反対に戸惑う。


「なんで?」

「いや、お兄さんに変なもの飲ませようとして。ノアも自分の意思とは違うことさせちゃったし」

様子を伺うようにノアの顔を見つめる。


「まぁ兄貴が飲まなくてよかったけど」

「だよね。もう二度としないから」

「別に本当に怒ってねぇから」


「本当?私、ノアに縁切られるかと思って…」

リアムさんに近づけなくなることも怖かったが、それよりノアが怒って二度と口をきいてくれないのではないかと思っていた。


優しいノアの対応に気が緩み、少し泣きそうになる。

「切らねぇし。…てかお前はそんな簡単に俺と縁が切れてもいいのかよ」

ノアが不貞腐れたような顔をする。


ん?なんかちょっとおかしくない?

違和感を覚え、ユーリとイーサンを見る。


ユーリとイーサンも感じたようで、戸惑っている。

ノアが私と縁が切れることを心配して拗ねている?

おかしい。


ユーリとイーサンに近づき、話をしようとした。

「近づきすぎ」

イーサンの耳元に口を近づけた私の頭を、がっちりノアの手が掴んだ。


まさか。

恐る恐る振り返る。

ノアが私を真っ直ぐ見ている。


「薬が切れていない…?」

私たちを交互に見たユーリのつぶやきが部屋に響いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=416847630&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ