#8 3つの閃光
「にしても「走り屋潰しのコルベット」を拝めるとはな。」
迅が言う。
「放置してあったにしては綺麗だけどエンジンかかるのかよ。」
拓巳が呟く。
「定期的に私がメンテしてたから動くわよ。」
するとマリがガレージの上の階から下りてくる。
「じゃあかけてみてくれ。」
拓巳が言う。
「いいわよ。」
マリはC6に乗り込むとエンジンをかけた。
キュルルルッヴォンッ!
ドドドドドッヴォンッヴォンッ!
マリが軽く吹かす。
「拓巳、こいつはC6の音じゃないぞ。」
「それもかなりチューンしてあるな。」
「どうかした?」
マリがエンジンを切って降りてくる。
「マリ、こいつのエンジン見せてくれ。」
迅が頼む。
「いいけど、なにかあったの?」
そう言い、マリはC6のボンネットを開ける。
「なんだ、これ、、、。」
迅はC6のエンジンを見ると驚いた顔を見せた。
「何って、M3GTRのV8エンジン。」
「じゃあなんだ。こいつにはBMがレース用に作ったV8が載ってんのか。」
「そう。」
迅の問いにマリが答える。
「一体どんなチューンをして何馬力出てんだよ。」
「聞く?」
「、、、聞かせてくれ。」
迅は少し考え答える。
「まずBMW M3GTRのP60B40V型8気筒エンジンを鍛造性ピストンとか使ってフルチューン、そして過給器にスーパーチャージャー、」
「スーパーチャージャーか。」
「と、」
「と?」
「ツインターボチャージャーを載せたツインチャージャーでだいたい1150馬力位になっているわ。」
「化け物かよ、、、。俺のランエボの3倍近くあるじゃねえか。」
迅が呆れたように言う。
「そもそもどうやってM3GTRのV8を手に入れたんだよ。」
拓巳が言う。
「知らない。師匠が日本に行く少し前に『たまたまこっちに流れてきた。』とか言って換装してたわ。」
「出処不明か。やばいとこから仕入れたもんじゃないよな、、、。」
「そこは信じていいと思うわ。」
「その言い方が怖いな。」
「まあまあ迅、そんくらいにして。これから走りに行くから、マリの本気を見せてくれ。」
「どこに走りに行くんだ?」
「決まってるだろ1000馬力オーバーのエンジン積んだマシンを走らせるんなら最高速がみたいだろ。」
「湾岸か。」
「そうだ。マリも、いいな?」
「もちろんよ。」
〜湾岸線に移動〜
「マリ、本気でアタックしてくれ。」
インカムを通して拓巳が言う。
「わかったわ。」
そう言うなり、マリはアクセルを強く踏んだ。その途端にC6は吠えるようなエンジン音を轟かせて加速する。
「ちょっと追いつける気がしねぇな。コーナーで追いつくしかないか。」
そう言って拓巳がFDのアクセルを踏み、コーナーへ進入していく。
「さすがはFDね。コーナーがとてつもなく速いわね。」
「ストレートで負けるならコーナーで返さなくちゃな。」
「おーい。お前らだけ楽しんでんじゃねー。」
「ならこっちまで来てみなよ。迅。」
「ああ、そのつもりだ。」
少し経つと迅のランエボが見えるようになってきた。
「よし。やっぱこうじゃないとな。」
そこから拓巳はゆっくりとアクセルを踏んでいく。
それぞれの車の速度は300kmを超えていた。
「そろそろガレージに戻るか。」
「そうね。」
拓巳の言葉にマリが応える。
その日湾岸を300kmオーバーで走る赤、黒、黄色の3つの閃光を目撃した人が多く居た。
どうもyamaneくんです。
また4ヶ月経ちましたもうこのスタイルでいくつもりです。完全に気分次第で投稿します。
これから私生活も忙しくなるので時間をみて執筆します。
ではまた




