2週間前と2週間後
『2週間前と2週間後の部屋』〜??
それって『今』って事じゃないのかな。
何だろうこの部屋。
時間実験でもしてるのかな。
「あぁ。その部屋は2人の生徒の家だよ」
あ。学級委員。
「こんにちは」
「こんにちは。2人の家って?」
「うちの学校には、『2週間前』と『2週間後』っていう2人の生徒がいるんだ。」
『2週間前』は、我々から見て、
2週間前の世界にいる。つまり会話をするにも何をするにも、2週間のラグが発生するんだ。質問の答えが、2週間後に来るって感じだね。身体は連続性を持って、『今』にも『2週間後』にも存在するけどね。
『2週間後』はその逆で、我々から見て2週間後の世界に五感が反応している。この間だって、急に足を抱えてたからどうしたのかと思ったら、丁度その2週間後に足を怪我してたよ。
「つまり僕たちは、この2人とリアルタイムで接触する事が出来ないんだ。だから安全面も考慮して、部室を2人専用の家にしている。
『2週間前』は『2週間後』と、『2週間後』は『2週間前』とだけ、リアルタイムで接触出来るんだ。互いの力場が混ざり合うみたい。」
「や、ややこしい。パラドックスはどうしてるの?元気にしてるの?」
「時間は一方向に流れていない。ランダムに点滅している。そして彼女たちには、彼女たちが必要だ。そして僕たちの事も、大切に思ってくれてる。優しいんだ。」
時間の措定作用に永続性を持たせるなんて。
強い世界を持って産まれたんだな。
「『2週間後』さんがまた痛そうにしてたら、2週間は見守ってあげたいね。」