初日の終わり
放課後は賑やかだ。耳は音を拾う装置として機能し、賑やかをベースにした故に静かにも思えた。「僕はどうしようかな」。と思考した瞬間、スピさんが頭に浮かんだ。探してみようかな。と思ったら居た。広い階段の上で手を後ろに回して立っている。僕の思考による行動の結果を待つように。
「やぁごきげんよう」
「こんにちは」
「君を待っていたんだよ。0番君。」
「どうして」
「もう用事は済んだよ。君が来たことによって。実験してみたんだ。指定処理要求。思考に割り込みをした。」
「どういうこと?」
「さっきわたしを思いついたでしょう?ただそれを発生させただけ。ここに君が来るかどうかは君次第だった。」
「君が僕の思考に割り込み出来るほど、君は僕の事を知らないと思うけど。僕が君を意識していると言う事を確定させる要素も足りないはず。」
「今朝、君から挨拶してくれたでしょう。素材はあれで十分。それに君は、隙間が多い。」
スピさんはそう言うと続けて、「それだけ。ありがとう。」と言い帰っていった。遊ばれている。
放課後は個々の世界がより強調される時間。皆、何かしらのアクションを起こして自身の構造を理解する。(〈何もしない〉も含めて)学生の措定作用は、放課後に一番強まる傾向にあるらしい。それをより育む為、学校は自由に使用できる部屋を無数に設けているんだろう。何となく、学校生活は流れていく気がした。措定作用はあんまり得意じゃない。なりきれない。
僕は、何を基盤にしようかな。