そんなきがするの
……ん。
だれ?
ふらびいをよぶの。
……ここ、みずうみ?
みたことある。
……ここ、ぱーぱと、すごしてたとこだ。
ふらびいの、うまれたとこだ。
《おはよ》
「だぁれ?」
《ふらびいは、ふらびいだよ。
ぱーぱにつけてもらったおなまえ》
「……ぴんぐいーんの、ふらびい?」
《うん》
あれ?
じゃあ、ふらびいは?
「でも、ふらびいは、ふらびいだよ?」
《うん。
でもね、ふらびいも、ふらびいなの》
「……そっか」
《わかった?》
「なんとなく。
でも、どうしてふらびいに、あいにきたの?」
《あのね、ふらびいがしようとしてること、よくないよって、いいにきたの》
「しようとしてること?
……よく、わかんない」
《ふらびいは、なにをしたいの?》
「なにを?」
《うん。
ふらびいは、いま、どうしてがんばってるの?》
いま?
ぶらんしぇと、えるるおねえちゃんと、つよくなるためのおけいこしてたの。
でも、きっとそうじゃないんだよね?
ふらびいのいちばんは、いつもいっしょなの。
「ふらびいはね、ぱーぱによろこんでほしいの。
それが、ずっとずっと、いちばんなの」
《そうだよね。
それが、ふらびいのいちばんだよね。
じゃあ、ほかに、なにかある?》
「ほか?
……ぱーぱの、おやくにたちたい」
《うん、そうだね。
でもね、それがよくないの》
「よくないの?
ぱーぱのおやくにたつのが?」
《ううん。
そのために、がんばっていることが、よくないの。
がんばりすぎちゃ、だめなの》
「……よく、わかんない」
《これまでずっとずっと、ふらびいはがんばってたの。
がんばって、がんばって、すっごくすっごくがんばってたの。
……でもね、がんばりすぎるのは、とってもよくないの》
「がんばりすぎるの、よくないの?」
《うん》
「…………」
《……いや?》
「……うん。
ふらびい、もっとがんばりたい。
もっとがんばって、ぱーぱのおやくにたちたいの」
《……それが、ふらびいにとって、かなしいことになっても?》
「……かなしいこと?
がんばりすぎると、かなしいことになるの?」
《……わかんない。
けど、ふらびいは、そんなきがするの》
「…………」
《ふらびいはね、このままが、いちばんだとおもうの。
ぱーぱがいて、ぶらんしぇがいて、えるるおねえちゃんがいて、りいじぇおねえちゃんがいて、れびあおねえちゃんがいて、りーぜるおねえちゃんがいるいまが、とってもしあわせなの。
……だから、このままゆっくり、あるいてこ?》
「…………」
《……いや?》
「……ふらびいはね、それでも、ぱーぱのおやくにたちたいの。
えがおでがんばったねって、いってもらいたいの」
《……そっか》
「……ごめんね?」
《ううん、いいの。
ふらびいは、ふらびいだもん。
きっと、そういうだろうなって、おもってたの》
「……いいの?」
《ふらびいも、ぱーぱのおやくにたちたいの。
えがおでがんばったねって、いってもらいたいの》
「……でも、よくないこと、なんだよね?」
《……うん。
でも、ふらびいは、ふらびいだもん。
ふらびいのきめたことは、ふらびいもきめたことなの》
「……そっか」
《……うん》
「ありがと、ふらびい」
《こうかい、しないでね》
「うんっ」