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空人は気ままに世界を歩む  作者: しんた
第十二章 静と動
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アイテムの等級

 この町の中心となる大樹へ足を進める俺たちは、眼前に聳える巨大な樹を見つめながら圧倒されていた。

 天にまで届くかのような大きさに、"世界樹"だと言われても納得してしまう。


「……すごいな。

 こんなに大きいとは、さすがに思ってなかった」

「うーん、まだまだ着きそうもないね……」

「おなまえ、なんていうのかな?」


 あれほど大きな樹なんだし、名前くらいはあるかもしれない。

 そう思えた俺は、唯一知っていそうなリーゼルへ視線を向けた。

 目が合うと、どこか嬉しそうに微笑みながら彼女は答えた。


「あの大樹は"生命の樹(セフィロト)"と呼ばれているそうです。

 高名な学者さんは"アイン・ソフ・オウル"とも呼ぶことがあるのだとか」

「……Ain Soph Aur。

 なるほど、"無限の光"、か。

 "生命の樹"を含め、言い得て妙に思えるな」

「どういうことなの、トーヤ?」

「ここでの光は"宝"を意味する。

 迷宮内にある宝箱や魔物はある周期で復活するって話だし、ボスを倒せば報酬が確実に手に入るらしいから、そういったところから名づけられたんだろうな」


 恐らくはこれも"言語理解"スキルの影響で、俺の世界で使われている言葉として認識しただけなのかもしれない。


 この世界で使われている言語は知らないし、スキルがなければ会話も無理だ。

 正直なところ、これがあるとないとではまったく違った旅になっていた。

 むしろ、持ってなければ大変な目に遭うのは確実だろうな。


 インベントリよりもある意味では強力なスキルになるのは間違いない。


「そういえば、迷宮で手に入るアイテムにはレジェンダリーとアーティファクトの他にもたくさんあるんでしょ?」

「そうだな。

 まだ着きそうにもないし、話しておくか」


 迷宮内で手に入るアイテムの等級は以下になる。

 ノーマル、レア、ユニーク、レジェンダリー、レガシー、アーティファクト。


「……ノーマルっていうのが一般的なアイテムってのは分かるんだけど、レアとかユニークとかってどんな違いがあるの?」


 エルルが首を傾げるのも当然かもしれない。

 これまでの旅でそれを自覚できるようなアイテムを目にしたことがないし、一般的には迷宮都市周辺くらいにしか出回らないものだとも聞いている。


 まぁ、文字通りの意味を持つことは間違いなさそうだ。



 レア

 人が作り上げたものの中でも生産数が少ないアイテムのこと。

 それなりに貴重なものが多く、古銭など歴史的に価値のあるものも当てはまる。

 オークションに出品され、多くのコレクター達はこぞって入手しようと目の色を変える者もいるが、武具やアイテムなど一般的に戦闘で使うようなものはないと言われる。


 ユニーク

 人が作りあげたものの中でも"特殊な能力"を込められたアイテム。

 付呪、つまりエンチャント加工が施されたものもこれに該当。

 効果次第ではあるが、とても価値が高い場合も多く、金額が跳ね上がることも。

 性能のいいものから用途不明で分からないようなものまで幅広く存在する。

 一流冒険者は必ず持っているとも言われるほど、効果の高いものも多い。


 レジェンダリー

 人が作り出したものの中でも最高傑作と言われるような伝説級アイテム。

 流石に凄まじい効果を持つ古代の遺物にまで届いた職人は現在でも存在しないが、それでも現状で最高の品質として扱われ、かなりの高額で取引される。

 並の冒険者や商人では手にすることもできないほど高価となる。


 レガシー

 旧時代の遺産や歴史的な遺物のことで、古銭はここに含まれない。

 主に現在よりも遥か昔の時代を生きた古代人が作ったと言われ、そのほとんどが現代の技術では作り出すことが不可能と認識される貴重なアイテム。

 発見すれば3回は人生を遊んで暮らせるだけの莫大な金額で売ることができる。

 現状では神が創りあげたアイテムであるアーティファクトに次ぐ価値がある。


 アーティファクト

 神々が創り(たも)うたもので、最高傑作とすら呼ぶのも憚られるほどの神々しい品。

 ダンジョン下層のボスが極々低確率でドロップ、もしくはダンジョンクリア報酬として置かれている宝箱から入手することができると囁かれるも、未だ迷宮を攻略できた者はいない。

 アーティファクトは世界に数個しか見つかっていないと言われ、人の手で破壊することは不可能と言われる特殊な保護加工が施されているらしいが、その詳細も解明されていない。



「って、ところだろうか?」

「はい。

 その認識で間違いはありません。

 アーティファクトに関しては"そう言われている"、としか言えませんが」

「……色々と突っ込みどころがあるんだけど、レガシーって何……」

「連絡用魔導具もレガシーに当たるんじゃないか?」

「私はそう聞いています。

 魔導具には無限の可能性が秘められていると言われていますが、これも現在の技術では作り出せないと結論付けられているのだとか」


 つまりはスマホを2台持っていれば高値で売れるってことだな。

 まぁ、電波が届かないんじゃ会話できないが、カメラ機能だけでも金額が跳ね上がりそうだ。

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