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空人は気ままに世界を歩む  作者: しんた
第七章 後悔をしないように
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仲の良さを

 下に戻ってきた俺達は、生活雑貨を見せてもらっていた。


 3階は女性下着とコスメ専門になっているらしい。

 この子達にはまだ早いので、そのまま1階に向かったわけだ。


 雑貨を見ながら必要となるブラシや手鏡を数点と、ハンカチを数枚購入する。

 あくびをしていたブランシェもブラシを当てられると目が覚めたようで、意識をそちらに向けた。

 数回なでただけで、さらさらの毛並みになったのがわかったんだろう。

 目を輝かせながらブラッシングを楽しんでいるようにも見えた。


 もしかしたら相当気持ちがいいのかもしれないな。

 そんな様子にも見えた気がした。


 総額7万ベルツ超えとなったが、これも必要経費と思えば安いものだ。

 思えば一式を数セット買った上に雑貨まで含まれるんだから、それも当然の値段かもしれない。

 むしろ、これだけの金額で収まったことに驚いていた。


 聞けば迷宮都市にも店があるらしく、この店は言うなればシェーネフラウ・デルプフェルト支店になるようだ。


 元々オーナーではなく、あくまでも店舗責任者だと店主ペトラは言った。

 隣国である商国の女性服市場の頂点を独走しているマダムがこのシェーネフラウのオーナーらしく、この数年は他の追随を許さないほどのやり手なのだとか。

 商国市場の頂点に居続ける例は非常に稀で、彼女の手腕は卓越したものがあるようだ。


「迷宮都市にも支店がありますので、機会があればご来店ください」

「そうなのか。

 この品揃えの店は確かに魅力的だな」

「迷宮都市支部は当店の3倍は商品がございます。

 きっとご満足していただけると思いますよ、旦那様」

「それはすごいな」


 到着する頃にはフラヴィも成長してるだろうし、憶えておくか。

 ふと視線を子供達に向けると、姿見鏡(スタンドミラー)の前で楽しそうに話をしていた。

 ブランシェにチョーカーを当ててどれがいいかを悩んでいるようだ。

 その姿はまるで3姉妹のような仲の良さを感じた。


「ねぇトーヤ! どっちがブランシェに似合うかな!?」

「そうだな。

 ブランシェは白いから黒が良く似合ってるな」

「わふっわふっ」

「ぱーぱ、ぶらんしぇ、このくろいのほしいって」

「あぁ、いいぞ。

 あれの支払いもお願いします。

 そのままつけて行くので」

「かしこまりました、旦那様」


 値段は1200ベルツだった。

 チョーカーひとつじゃそんなもんだろうな。


 他にもブランシェに付けられそうなものを探してあげたいところだが、さすがにこの店にはそれほど多くのアイテムはないらしい。

 専門のアクセサリーは迷宮都市ならいくらでも手に入るが、やはりこの町は大きくもないのでそれほどたくさんの種類は置いていないようだ。


 だがブランシェも興味を持ってくれたことを知れたのは収穫だ。

 今後はそういったものを探しながら町を歩くことができる。


 ……わんこの首につけると何だかチョーカーが首輪に見えなくもないんだが、本人は喜んでるみたいだし、それでいいか。

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