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空人は気ままに世界を歩む  作者: しんた
第五章 誰がために
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噂に聞く場所

 それは、夢か現か、それとも幻か。

 眼を開けるとそこは草原だった。


 穏やかな風が優しく吹き抜ける見渡す限りの草原。

 色とりどりの花々が咲き乱れ、心地良く我の鼻をくすぐった。


 我は思う。

 あぁ、ここが噂に聞く場所なのか、と。


 だとしたら悪い世界ではない。

 もっとこう、氷に包まれた場所だと我は思っていたくらいだ。


 ここでなら最愛の娘が来るのを、いくらでも待つ事が出来るだろう。



 その場に座り込みながら、我は考える。

 あの歪な存在は何だったのだろうか、と。


 いや、我にはもうどうする事も出来ない。

 だが未来を繋げた事だけは確かだ。


 それだけでいい。



 ヒトの子にあれだけの言葉で伝わったのかは分からない。

 しかし、我にはもう気を付けてくれと願う事しか出来ない。


 後は未来を担う若者達に任せ、我はここで最愛の娘を待つとしよう。


 たったの千と数百年程度だ。

 そう先の話でもあるまい。



 ……それにしても。

 この場所は随分と穏やかだな。


 久々にゆっくりと眠りに就けそうだ。

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