1.
ここから日常編です
空は青く雲もあまりない。木々の緑と空の青が混ざりあい、田舎ならではの美しさを醸し出している。......都会に出たことないけど。
晴れて地元の高校に進学できた僕は今日からピッチピチの高校生である。DKである。何で英単語一つ違うだけで需要の高さが変わるのかは分からない。DKも流行ればいいと思う。青少年の健全でささやかな願いだ。
「忘れ物ない?確認した?」
「さっき一緒に確認したじゃん。もう高校生なんだから心配しないで。」
いつまでも過保護で心配性の母親に呆れつつも自然と笑みが溢れる。
「ほら、襟がきちんとなってない。......よし、行ってらっしゃい。」
「ありがとうお母さん。行ってきます。」
そう言って家を出る。まだ糊のついたシワ一つない制服、メーカーのロゴがワンポイントの白いスニーカー、おしゃれではないが周りから浮いて見られることもないだろう。
今日から我が学びの舎となる鹿児島県立K高校は校内に一際大きい木がある。そこで新入生は中学校の友達や部活での友達と写真を撮っていた。ほとんど女子だけど。
そんな女の子を尻目に、クラス割を確認しに行く。一年間苦楽を共にする仲間たちだ。どんな人たちがいるのだろう。可愛い子とかいれば嬉しいのだが。
2組―――23番 東 勇太郎 どうやら僕は2組のようだ。中学校時代にそこそこ話していた友達の名前も見つける。流石は地元、見知った名前が多い。
「同じクラスになれてよかったな、勇太郎。」
そう言って肩を組んできたのは小学校からの友達である 砂川 昌己だ。勉強も運動もそれなりにできる好青年で告白されたこともあるとか。羨ましい限りである。
「そうだね昌己。いきなりボッチにならなくてよかったよ。」
僕がそう言うと昌己は白い歯を見せながら笑った。そして一緒に二組の教室に向かう。とりあえず今日の昼飯の仲間は確保できた。これで俺は日陰者の称号を得ずに済む。
教室の中は明るかった。キャピキャピしていた。輝いていた。べっ、別に羨ましくなんかないんだからね!
「何突っ立ってんだ?さっさと入ろうぜ。」
そう言って昌己は教室に入る。僕もそれに続く。
「ほらほら座れ~、浮かれるのもいいけど今からは大事な大事な入学式だぞ~。」
教室に入ってしばらくすると教師が入ってきた。びっしりとスーツを来て胸には花のような装飾をつけている。
「俺がこのクラスの担任になった 江島 貴之だ。自己紹介は後でする。とりあえずこれからの日程と注意事項を話すぞ。」
と言ってつらつらと注意事項を述べていった。皆真面目に聞いている。僕?もちろん聞いているさ。一人だけ別の動きをしていたら恥ずかしいもん。
「―――よし、もう時間だな。体育館に向かうぞ。トイレに行きたい人は今のうちに行くように。漏らしても退場できないからな。」
江島先生はニヤリと笑みを浮かべて廊下に向かっていった。僕たちも後について行く。他のクラスの人たちも廊下に出ていた。そわそわ、ひそひそとおしゃべりが聞こえる。俺たちの青春は教師なんかには止められないんだ。
「―――新入生代表 永田 栄司」
ッは!いつの間にか入学式が始まっているではないか。別に寝てた訳ではないが、かといって真面目にしていたわけでもない。後は新入生の名前を一人一人呼ばれて立つだけの簡単な仕事だ。寝てた訳ではないからね。
「2組 18番 二丸 勝吉」
「はい!」
デカいなぁ。2メートル位あるんじゃあないかな。何の部活に入るのかな。バスケとかバレーかな?どこでも勧誘されそうだからいいよなぁ。
「―――2組 23番 東 勇太郎」
「はい!」
その場に立って振り向く。新入生の親や先輩たちが俺の顔を見ている。新入生の色んな有望株を探しているんだろうな。僕はどう?有望?あっお母さん、手を振らないで。恥ずかしいじゃん。
緊張した入学式も終わり昼休みに入る。これが終われば一つだけ授業という名の自己紹介タイムがあって終わりだ。とりあえず昌己を呼ぶとしよう
書いている間高校時代を思い出します。
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