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第百三話〜荒野平遠〜

 北陸道の道府、それが建康府である。敵の根拠地であった津蘭にそのまま置かれていて、その立地は巨大な湖の側である。旧王宮、現道府庁舎は総石造りで、内部には彼らの信じる神話が美しい絵画として示されている。経文神道にはそぐわぬとして全て剥がそうとする動きもあったが、その無二とも言える美を失うのは宜しくないとして、また地元住民からの強い反対も懸念されたため残されている。

 道府の近くには、他に類を見ない金字塔が聳えている。底面は凡そ十九丈(約五十七米)四方、高さは八丈(約廿四米)程。嘗ては彼らの祭祀のための神殿であったが、現在は神社として神祇官の管轄となっている。但し、祭神は天照大神の他に彼らの信奉する文明と太白の神として天津甕星(あまつみかぼし)が共に祀られている。

 晩餐では南蛮黍の他唐茄子や唐柿、茸の類が供された。魚や肉も豊富で、また酒精にも事欠かない。辛かったり甘かったりする飲料もあり、飽きることはなかった。


 …………


 北陸道の大半は乾燥地帯と思われていたが、道路を作っているときに洲の中央部は肥沃であることが分かった。現在では、此処に大規模な麦畑が営まれている。

 集落はまばらであり、一つ一つは数千人程度のものである。そのため、北陸道は南洋道に次いで人口密度の低い地域であると言える。ただ、上記の穀倉地帯の開発如何によっては大きく化ける可能性を秘めた土地でもあり、公家の一部ではこの地域の国司を望む者もいるらしい。尤も、道真殿が裏工作をして阻止しているが。



 次は、南陸道の臨安府である。

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