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第5節 『たまごかけごはん』を食べてみる (2)

5ー2 唯一信じられるのは


 5ー1で述べたように、あまねく人間は信頼できない。

 それでは、我々はなにを信じたら良いのか?

 どうしたら『たまごかけごはん』を食べさせてもらえるのか?


 ――結論から言おう。


 「買え」


 結局、この世において、本当に信じられるのはお金だけだ。

 あなたがどんなに信用ならない風貌をしていて、社会的信用が皆無で、コミュ障で、非モテのブサメンで、キョドってて、不審者オーラ全開であっても、大抵の飲食店であれば、お金を払えば料理を食べさせてくれる。

 カブキチョーの親切なお兄さんが連れて行ってくれる店なんか、注文していないメニューまで持ってきてくれるくらいだ。


 お金のチカラは偉大だ。

 本来ならば、あなたの頼み事なんか、誰も聞いてくれない。

 それなのに、お金さえ払えば、あなたでも『たまごかけごはん』を食べられるのだから。


 とは言え、間違ってもニューヨークの日本料理屋で『たまごかけごはん』を注文してはならない。海外で日本料理屋と名乗っている店の多くが非日本人経営者によるトンデモ和食を食べさせる店だ。

 仮に日本人が経営している店でも、そこで出される料理はローカライズという名のもとに、アボカドや生クリームをネタにした寿司等、日本料理の原型を留めていないものばかりである。

 そのような場所で『たまごかけごはん』を頼んだところで、「イクラの漬け丼」が出てくれば御の字、下手すればカエルの卵やエイリアンの卵を乗せたモノが出てくる……筈である、というここまでの主張は引きこもりで海外行きはおろか飛行機にすら乗ったことがない筆者の偏見及び劣等感が過分に加味された個人的な意見であるので、あまり信用しないほうが良いかもしれない。と事前にこれだけの防衛線を張っておけば、きっとクレームはこないであろう。大丈夫だよね?

 ヘタレな筆者である。


 また、いくら社会的信用があるからといって、高級料亭や一流ホテルのレストランもダメである。

 このような店で『たまごかけごはん』を頼んだところで、良くても叩き出されるか、下手したら営業妨害で110番されるのが関の山だ。


 では、どこに行けばよいのか?

 もし、あなたが『たまごかけごはん』を食べさせてくれる店を知っているのなら、そこに行けばよい。

 ていうか、知っててまだ行ってないとか、あんたバカぁ?


 そうでないなら、頼りになるのは「ネット検索」だ。

 困った時のグー○ル先生。薄っぺらな知識で、ドヤ顔をするのには持って来いだ。

 昨今の流行りに乗って『たまごかけごはん』を食べさせる店は多数存在する。かつては考えられなかったことだが、現在は『たまごかけごはん』専門店まであるくらいだ。

 今なら、グ○グル先生にお尋ねすれば、そのような店をいくらでも教えてくれるだろう。

 ただし、このような状況は今のうちであることに注意せねばならない。


 白いたい焼きブームを思い出そう。

 全国至るところに乱立しまくった白いたい焼き屋が、ブームの終焉した一年後にはきれいサッパリ消えてしまったではないか。


 この『たまごかけごはん』ブームもいつまで続いたものか、誰にも分からない。

 ブームが終わったその時、『たまごかけごはん』を提供する店が残っているかは定かではない。

 今なら、まだ間に合う。急いで食べに行くんだ!


 ただし、一点だけ注意が必要である。

 すべての流行りモノに共通のことであるが、なにかブームになると他店との差別化を図るために、ムダな独自性を出そうとする店が出てくるのだ。

 特に、マスコミに取り上げられたり、やたら値段が高かったり、メニューの『たまごかけごはん』の前に「こだわりの」とか「特製」とか、ついてたりする店は注意が必要だ。

 このような店はオリジナルの『たまごかけごはん』に対する敬意など皆無だ。

 インパクト重視、話題性再優先のキワモノ卵かけご飯を食べさせられるハメになるであろう。


 しかし、安心なされよ。

 第4節で論じたように、読者の皆様は『たまごかけごはん』がどのようなものか、重々ご存知であろう。

 であれば、自らの知識に従い、正しい『たまごかけごはん』が食べれる店を探し出すことは容易であろう。

 キワモノ卵かけご飯なぞは物珍しい料理を食べる自分カッコイイと勘違いしている承認欲求のカタマリなSNS中毒者に任せておけばよいのだ。


 ここまで話してもまだグダグダ言うような、自分に自信のないヤツは、


「一軒で信じられないなら、食べ歩け!」


 どんなアホでも何軒か当たれば、正しい『たまごかけごはん』を食べれるだろ。それ以上は知らん。知るか、ボケ。


 ほとんどの方は上述の様に正しい『たまごかけごはん』を食べることが出来るであろう。

 しかし、唯一の例外が「引きこもり」だ。

 筆者が検索した限りにおいて、『たまごかけごはん』を宅配してくれるネットショップは発見できなかった。

 申し訳ないが、こればかりは筆者でも手の施しようがない。


 引きこもりに残された手段は精神論だけだ。

 自分が作る『たまごかけごはん』が正しい『たまごかけごはん』だと思い込むしか方法はないだろう。

 「信じる者は救われる」とか「信じる者は儲かる」とか言うから、まあ、ガンバレ。

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