表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/11

第6節 材料の入手 (2)

6ー2 生卵の入手


 生卵の入手は簡単である。


 あなたが引きこもりでなければ、外に出れば良い。

 それで8割方は目的達成だ。

 後は、そこら辺を歩いているメンドリにお願いして、卵をひとつ分けて貰えば良いだけだ。


 近所を鶏が徘徊していないような秘境に居住している場合は、若干面倒である。なぜなら、メンドリの確保、というステップが必要になるからだ。

 ただ、その場合も安心して良い。容易な解決法が存在するのである。


 すなわち、手持ちの有精卵を孵化させ、ピヨピヨと鳴いているヒヨコを成鳥になるまで育て上げればよいのである。(もしくは、胡散臭いテキ屋のおっさんからカラーヒヨコを購入するという方法もある。)


 ただし、オスは卵を産まないので、ヒヨコの段階で判別しておく必要がある。

 もし、万が一、あなたが「ヒヨコのオスメス鑑定士」の資格を持っていないのならば、ヒヨコの判別は困難であろう。

 ただ、その場合であっても、念のために多めの卵を孵化させれば良いだけである。仮に、メスが生まれる確率を二分の一とすれば、7個の卵があれば99パーセント以上の確率でメスが生まれることは二項分布から簡単に計算できる。

 このステップを加えることによって、無事あなたはメンドリとの接点を得ることが可能となる。


 このステップは時間もかかり大変だと思うかもしれないが、ヒヨコの可愛い姿を眺めながら過ごす毎日というメリットを考えると、あながち苦労ばかりではない事が分かるであろう。

 加えて、このステップは、卵の入手という観点からも大きな利点が存在する。

 それはメンドリとの交渉段階における成功率である。

 「初対面の野良メンドリ」と「あなたが手塩にかけて育て上げてきたメンドリ」。

 どちらの方が卵を分けてくれやすいか、明らかであろう。


 あなたが引きこもりであるならば、上記の方法は不可能であろう。

 しかし、その場合も代替手段が存在するので、安心していただきたい。

 すなわち、ネットスーパーで生卵を購入すればよいのである。

 もし、それすら不可能な重度の引きこもりであるなら、回線切って首吊って氏ね。


 いやいや、早まらないで欲しい。

 別に、見捨てたわけではない。

 この場合は来世に期待すれば良いのである。


 仮に、あなたが来世で引きこもりにならない確率をpとする。

 そうすると、あなたは来世において確率pで生卵を入手できる。

 残念なことにも、来世でも引きこもりだったのであれば、もう一度回線切って首吊って氏ねば良い。

 n回転生して、生卵を入手できない確率は(1ーp)のn乗である。ゆえに、pが厳密に正であれば、どんなに小さい値であっても、この確率はゼロに収束する。

 すなわち、有限回の転生であなたは生卵を入手できるのである!




6ー3 醤油の入手


 醤油の入手は、さらに容易である。

 あなたが居住しているマンション若しくはアパートの隣室に住むフリーで美人なOL、女子大生、モデル、専門学校生、フリーター、未亡人、レースクイーン、ナース、女教師、キャビンアテンダント、保母さんの部屋を訪れ、「すみません、醤油切らしちゃったから、少し分けてもらえませんか?」と頼めば良いだけである。


 ここで職業を列挙したが、それは本質ではない。

 重要なのは、青少年保護育成条例に引っかからない年齢のキレイなおねーさんであることだ。

 対象女性の職業については、あなたの性癖を反映させて構わない。


 具体的な一例を挙げると、旦那が単身赴任中の若奥さんに頼めば良い。

 ただ、この場合ひとつ注意が必要である。いくら最近旦那を見かけないからといって、身体に絵が描いてあったり、やたら凄味があったりする若奥さんに頼み込んではならない。

 そういう場合、旦那は「塀の中」に滞在中であり、旦那の出所後に、「東京湾にドボン」や「山中で大型犬のエサ」や「アスファルトに混ぜて道路」等、厄介な目に合うのは間違いなしである。


 このように、醤油の入手は非常に簡単なものであるが、事前に準備が必要なことは言うまでもないであろう。

 それは、前もってイケメンになっておくことである。


 現在のあなたがそのままの姿で行ったところで、カギも開けてもらえずに110番通報されるのがオチだ。

 それなのに、ただイケメンである、というだけで、まったく正反対の結果になるのだから、まったくこの世の中フザケんじゃねーよ。


 イケメンだったら、隣室のおねーさんは子宮をキュンキュン揺らしながら、喜んで応対してくれるだろう。


「ちょっと探すから、お茶でも飲んで待っててね」


 などと、いとも簡単に部屋にあげてくれるに違いない。

 そんでもって、「あれ〜、みつからないな〜」など言いながら、後ろ姿で棚をゴソゴソ探す猿芝居をしつつ、ミニスカの裾をチラチラさせて誘惑してくるに決まっている。


 もう、こうなっちゃえば、醤油を分けてもらうのも、『たまごかけごはん』を食べさせてもらうのも、おねーさんを食っちゃうのも思いのままである。

 いや、ほんと、イケメン死ねよ。絶滅しろ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ