第一章~左眼の隠された力~
前回の話の続き。
朝
気づいたら朝靄を射す、雲ひとつ無い満天の青空が広がる、スカイブルーな空を見上げ心もブルー。
あまり違和感はなかったが、左半分がひとり、夜に取り残され真っ暗だった。
真冬頃にもかかわらずここ、新潟県は雪ひとつない。
階段を降りるとき、やや不便ではあったもの、なんなく降りられた。
自傷行為を行ったが、リストカットに比べてもあの快感は、リストカットでしか味わえなのだろうか。
リビングへ行くと亡き祖母が脳裏に浮かぶ。そのせいか、そこに祖母がいる気がしてならなかった。
自己暗示。それは、自分で自分にある観念を繰り返すことで暗示をかけ、理性を超えた行動や力を生み出すことである。
僕、私にはできると念じ、テストやスポーツなどで偉業を成し遂げてしまうことはありませんか。
そんなこんなで...きっと念じたのでしょう。そこには、白く消えかかっている祖母の姿。
きっと幻想に違いないと思ったのだが、そこには普段と変わりなかった、威徳ある祖母が、座っていたのだ。
あまりの衝撃で絶句してしまった。
「なんで......死んだはずだろ」
声に気づいたのか、こちらを見る。
反射で涙がこめかみへ、鼻水も。みっともない。
急いで涙を隠そうと、左眼を拭う。
「!?」
刹那で知ってしまった真実。左眼は鮮明に祖母を映し出していた。
大晦日ですね。皆さんはいかかお過ごしでしょうか。
私は、のんびりとカウントダウンを待っています。
いまさらながらですが...良いお年を。
感想、意見をお待ちしております。@Rin_1012_