僕について
この小説はバッドエンドではありません!
唐突だが、僕は信頼とか、絆とか、そういうものが大嫌いだ。
ついでに言えば、子供とかペットとか、手間のかかるものも最高に最悪だ。
僕の両親の会社が倒産して何億もの借金を背負った時、信頼していた父の親友も、母の親戚も、仲良くしていた取引先の会社まで、何一つ手を貸してくれなかった。
そこで父は不倫、母は発狂。僕が幼い時にもう家族は崩壊してたんだ。まいった。
金の問題でなんとか離婚はしなかったものの、家の雰囲気は悪い。なんだか歯車の歯が噛み合わずに不快な音をたてるように、僕の生活も堕ちてしまった。
皆が小学二年生の時に汚い単語をべらべら並べていた頃、中学二年生のときにいわゆる中二病とかいうものにかかり黒歴史をつくっていた頃、高校三年生の時に馬鹿な猿みたいに性欲を爆発させていた頃、大学二年生の時に必死に流行について行って騒いでいた頃。
僕はそんな中教室の隅で読書して一人で弁当を食べて読書して…そんな日常をおくっていた。だって倒産したのは幼稚園の年長のときだったからね。本当にまいった。
その時からもう僕は実に楽しいお一人様ライフを過ごしていた、ということになる。後悔はしていないぞ。
そんな僕も29歳。もうすぐ「あらさー」と言われてしまう歳だ。
現在の生活、一人暮らし小さなアパート。自宅警備員という職に就いている。もといニート。もといプーさん。ちなみに親のスネを囓ったままだ。
僕。木佐悠。前に述べた通り、29。趣味は読書。
夢は小説家。あ、いや、本当に夢なだけで…。本気でなろうとは考えていない。
難しいすぎる。現実を見ているから。夢が叶うなんて、そう簡単にならない。
成績は自分で言うのもアレだけど優秀…だと思う。
というか、勉強と読書しかすることがなかったから自然に。
職業は自宅警備員。ろくに動いてもないけど。
一人暮らし。マンションでそこそこ広い。