4.正賭←誤字
半年もの間更新せずに申し訳ありませんでした。
どうせ、読んでる人なんて居ないだろう。と思っていたのですが、なにやら多数のアクセスをいただいていた模様。嬉しくなり、続きを一気に書き上げてしまいました。
常連さんも一見さんもお楽しみください。
「真っ白な天井だ」
気が付くと俺は横になっていた。
「怜!気が付いた?」
いや、よく見るとこの天井真っ白じゃない。なんだか黄色くなっていて――
「怜?」
わかった、タバコのヤニだ!って、保健室で喫煙って駄目だろ。保健の先生はいないかなっと。
「うおっ!何やってんだ?」
保健の先生を探そうと横を向くと、椅子を掲げた茜が居た。
「ふぅ。返事しないから、もう一回殴ろうかと思ったわよ」
俺は昔のテレビかよ。
「で、いま何時?」
「えへへっ」
茜は俺の質問に答える代わりに笑顔を向けてきた。
「?」
意味が分からず俺が首を傾げると、今度は足元の鞄をいじり始めた。ますます以って分からない。
「じゃじゃーん」
効果音と共に取り出されたのは俺の弁当。
「つまり、昼ってことか?」
「んーん」
そう言いながら茜は首を横に振る。さらに混乱する俺。「いま何時?」+「弁当を出す」=「昼」。この計算式に間違いがあるというのか。
「じゃあ、いま何時だ?」
「4時だよ」
「はあぁ!」
茜の脳内では、「いま何時?」+「弁当を出す」=「4時」か?訳分かんね。理解放棄していいですか?
「にしてもすごいね。怜を運んだのが8時で、今が4時だから、8時間も寝たきりだったんだもん」
いきなりの話題転換。慣れてるから別にいいけどさ。
「あー、最近疲れてたしな。今日も徹夜明けだし」
「寝る間も惜しんで何してるのかな〜?」
「好きで徹夜した訳じゃない。知香さんの訳の分からん話に付き合わされたんだよ」
「あー、あれね」
茜の声も苦笑交じり。以前、遊びに来た時一緒に聞かされたからな。
「確かあの時は、『メロスとセリヌンティウスが実は逆だった』とかいう話だったよな」
「そうそう。酔っ払って怜の家に来て、『メロスとセリヌンティウスの性格的に考えて、あの役は逆だったのよ。セリヌンティウスほど短気な奴を私は知らない!』とか言い出すんだもん」
「あの人は、一体どこでセリヌンティウスと知り合ったんだろう?」
「さぁね。それより――」
そこで、茜は時計を一瞥し、
「生徒会に行かなくちゃ」
「あ、そういえばそんなこと言ってたな」
「4時半からなんだから、急がなくちゃ」
「あぁ」
立ち上がり、茜の後を追おうとして急停止。
「なぁ、保健の先生は?」
「『目が覚めたらさっさと出てけ。タバコが不味くなる』だってさ」
「あ、そう」
やっぱりタバコ吸ってやがったか、あの不良教師。
――――――――――――――――――――――――――――――
「ここね」
「しかし、別館の最上階だとはな」
俺も茜も驚き混じりの声を上げていた。
4つある教室全部で生徒会室らしい。
ちなみに、この学校には新館と旧館がある。新館には教室があり、旧館には文科系の部室がある。
「ようこそ、生徒会へ」
そう言った銀髪の女生徒――おそらく生徒会長――の後ろの黒板には、『ようこそ、正賭会へ』という文字が――って!
「って、字違うじゃねーか!」
「ん?何を言っている?君の希望通りだろう?」
「希望じゃねぇ!つーか、なんで俺の思考が!?」
あの場に居たのは俺と茜だけで、この生徒会長は居なかった筈。
「思いっきり口に出してたわよ」
「なにっ!」
隣の茜からの指摘にびっくり。
「でも、なんでアンタがそれを知ってるんだ?」
しかし、挫けずに生徒会長に向かって疑問を投げる。
「昼に話した時に私が言ったの」
投げた疑問は生徒会長には届かず、隣の茜に至近距離で打たれた。
「まぁ、いいや。で、他のメンバーは?」
残りMP1ぐらいで耐え凌ぎ、話題変更。この場には生徒会長と俺と茜の3人しか集まってない。
「あぁ。それなんだがな――」
生徒会長はそこで一旦区切り、それまでと同じように抑揚の感じられない声で、
「当面の目的は人材登用だ」
と言い放った。
なんか、キャラがぶれているかも……。