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3歳になって色々分かってきた。

今回は携帯から失礼します。

ご機嫌麗しゅう皆さま。わたくし、このエルラルド王国のアシュリー公爵家が長女、リーリエ・コーンズウェルと申します。


 ーーーそうなの!名前やらその他諸々が判明したのです!勿論、お父様とお母様の事も!

 この国はエルラルド王国。神が見守る、緑の大国。魔物等の被害、災害がある傍らで豊富な緑と肥沃な大地を持つ。確かにご先祖様は戦争をしていた。魔王もいた。


 そう、いた。なのだ。


 神様が言っていた通り、勇者などがいたのは過去の話。でも史実である事は、聖女文化が残っているので確定されている。

 また、その聖女文化がまたぶっ飛んでる。


 異世界召喚だ。


 とはいえ、召喚は勇者がいた時代の事。もうすんんごい前。

 今代の聖女様ー我が国にはいらっしゃらないが。ー彼女は末裔らしい。御歳85歳。日々国の為に祈り、後輩達の育成に励む優しい女性。と、神様が言ってた。


 そして我が家のおしどり夫婦。

 父、代々騎士爵で今は王家騎士団の騎士団長。あの細さからどうやって?と思っていたら細マッチョで元Sランクの冒険者。魔法まで使えるオールラウンダーの最強戦士。いい加減嫁貰って家を継げと言われて、戻ってきた口らしい。これは執事長でありお父様の侍従でもあるゲイルから聞いた。


 そして麗しのお母様。なんと、他国の元王女様。なんてことはない。戻ってきたお父様が次の公爵だというお披露目会に出たお父様が、王女として参加していた母に一目惚れ。別件で招かれていたお母様が、そのお父様を見て一目惚れ。そりゃおしどり夫婦になりますよね。ずっとラブラブで、わたくしニコニコ。わたくし、弟か妹が欲しいですわー。


 あ。そうそう、わたくし教会に行きましたの。つい先日に。何が用があったわけではなく、ただ5歳になると洗礼があるから一度教会がどういう所か見に行こうか。ってわけで。


 まぁ、祈れなかったので神様ごめんね。とはその場でテレパシー送ったけど、祈れって言ってたから返事は来なかったな。


 いやぁ……それにしても、キレイなもんでしたよ。我が家も寄付をこまめにやっているらしく、併設された孤児院も孤児院にいる子達も元気に走り回ってました。

 平和って……いいね……。


 え?なぜ【わたくし】と言うのか?

 そういう教育だよ。ほっといておくれ。お母さまがにこにこして、わたくしと言うのが淑女よ?って言ってきたら聞くしかないじゃん。あーうちのお母さま超可愛い。


 まぁ、それで猫かぶるにも限界あるじゃん?なら、まず一人称に馴染もう。って思ったからわたくしって言ってる。


 それで?今何してんの?って?

 いやねぇ、ちょっと変なの見えたから探してるんだよねぇ。

 今朝目が覚めたら、なんかふよふよした光の塊みたいなのがいたんだよね。でも問題なのが、わたくしにしか見えないっていう事。

 メイドさんや、乳母さんにも聞いたけど見えてない様だった。


「おや?こんな所に可愛い天使が落ちているぞぉ。」


 えぇ、床にへばりついてます。ひょいっと持ち上げられてしまった。


「おとうさま!おかえいなさい!」

「床に座り込んじゃダメだろ?メイド達が困っていたぞ?」


 確かに。困ったような笑顔をこちらに向けている。


「ごめんなさい。わたくし、さがしもほしてうの。」

「探し物?なんだいそれは?お父様も探してやろう。」

「んー……れも……」

 お父様にも見えるのかな。まぁ、聞いてみるしかないか。

「どうした?」

「んーん。あのね、あさおきたやね。ぴかぴかしてるのがみえたの。」

「ぴかぴか?」

「うん。これくあいのね、まういの。」


 私は両手で、バスケットボール位の大きさを示した。それが伝わったのか、お父様が何故かワナワナし始めた。やだ、ぷるぷるしてわたくしのほっぺたまでぷるぷるする。

「な、なななナーシャーー!!!」

 鼓膜が死んでしまうぅう!!!


ワナワナするお父様は、わたくしを腕に抱えたままにお母さまの元へとさっさかさーと歩いていく。勿論、お母さまの名前を叫びながら。

……腕に抱えてるはね、こう、片手で木材持つ感じよ。伝わっていて?今のお嬢様っぽいね。えぇ、わたくし荷物の様に持たれてるよ。この口調目指そ。あ、結構楽しいよ、これ。メイドさんの顔が蒼白だけどね。


「旦那様?どうしました?大きな声で……あら、私の娘が荷物になっているわ?どういうこと?」


これ、「早く降ろせボケ。」って意味。ほんわかしてるのに、副音声が物騒なのがお母さまよ。元王女で、魔術師として戦争にも参加した猛者でもあるのよ。えぇ、自慢よ。


「ナーシャ!見ろ!」


わたくしの脇に手を入れ、まるで猫の様にずいっとお母さまの眼前に吊るされるわたくし。小動物と思われているのかな?


「あらなぁに?可愛い娘だわ。」


えへへ。なでなでされた。いや、お母さま多分違う。


「そうだよな。可愛いよな。いやいやいや違う。ぴかぴか光る丸いものを見たと言っているんだ。」

「あら、そうなの?リィ。」

「はい!」


おろして欲しいという意思表示を、ぶら下がったまま両手両足をパタパタして表現してみたら降ろしてくれた。


「これっくやいの!ぴかぴかしてうの!」


噛んだわ。それはそうと、お父さまに説明したようにすると、お母さまの目がカッとした。凄い。もうすんごい。カッ!!ってなってる。


「リィ、それはいつ見たのかしら?」

「おきたとき!」

「そう……ねぇ、リィ?これは見える?」


すっと差し出されたお母さまの人差し指。とりあえず握っとこ。あらあらまぁまぁ。と頭をなでくりされた。えへへ。でも違うわよ。よく見てね。って言われた。仕方ない。

むむ。っと見てみたら、なんとまぁ。ちいちゃなてんとう虫さんが!お母さまのゆびさきで!ぎたーをかき鳴らしておられるわ!


「なんかいゆ!」


なんでギターなんだよ!そこはバイオリンじゃないんかい!とは、心の中でツッコミ入れといた。


「あら、見えるの?」

「てんとうむしさん!」

「そうよ!」


あ、あばよ!って消えてった。なんだあのてんとう虫。そしてお母さまにぎゅっとされたから、ぎゅっとした。いい匂い。


「ナーシャ、どどどどうだ?」

「見えてますわね。妖精が。」


なんと!妖精!そんな気はした!でも、あの大きさの妖精っているのかな。いるんだろうな。


「そうか……そうかぁ……」

「?おとうさま?どうしたの?」

「剣を……剣を持たせたかった……」


血反吐はいて倒れたんだけど。つんつんしとこ。


「旦那様。床が汚れてしまいますわ……」

「ごめんなさい!」


わぁ、切り替えはやぁ。


「さ、お茶を飲みながら説明をしましょう。」


その声を合図に、メイドさん達が素早い動きでお茶のセッティングをする。いい香りのお茶、クッキー。いい香りが部屋を埋める。

わたくしはお父様のお膝の上。向かいにはお母様。それを、ほぅ…っと見蕩れるメイドさん達。分かる。分かるよ。我ながらわたくしも、超絶可愛い顔してますから。両親の良いとこ取りしたから。さぞ今この状況、絵になることだろう。


「ふぅ……リィ?わたくしが魔法を使える事は一度お話したわね?」

「はい!」

「先程あなたに見せた子はね?妖精さんなのですよ。」


にっこり。とお母様が微笑む。


「ようせいさん!」

「そうよ。わたくしはね、妖精さんとお友達になってください。とお願いをして、たまにお手伝いして下さい。とお願いするのよ。」


ほぁーと聞いていたら、お母さまがわたくしの目をじぃっと見つめてきた。


「まぁ……」


お母様が驚きの声を上げ、お父様の方を見る。


「どうした?ナーシャ。」

「あなた……わたくし達の可愛い娘が……」


はらはらと大粒の涙を零し始めるお母様。この場にいる全員がぎょっとし、あわあわと慌て出す。あ、メイドさんがこけ……なかった。ナイスアシスト。


「どどどどうした!?」


わたくしを抱いたまま、勢いよく立ち上がるお父様。勢いがすげぇ。椅子がぶっ壊れそう。

さめざめと泣き続けるお母様の口が、ゆっくりと開かれる。


「きょ、教会や……王家に……拐われてしまうわ……」

「ぶっ潰す!」


鬼の形相に以降するまで、0.1秒。お父様だけじゃないよ?室内にいる全員。寒いんで、殺気やめて欲しい。

そんな空気の中、お父様が侍従に武器をあるだけ持って来いと指示を飛ばす中、ただ1人冷静な人間がいた。

執事長であるゲイルだ。


「旦那様、まずは奥様のお話を伺いませんか?」

「む……それは……そうだな。」


あっさりだわぁ。ゲイルが凄い。

お母様の涙が落ち着くまで、お父様も紅茶を飲んだりそわそわしたり、わたくしの頭を撫でくりまわしながら待つ。

わたくし?わたくしはお父様からクッキーを食べさせて貰ったり、果実水を飲ませて貰ったりしていたよ。


「申し訳ありません……」

「気にするな、ナーシャ。一体どうしたんだ?」

「わたくしの……わたくし達の可愛い娘……リーリエが……」

「うむ。」

「ステータスが……神の愛し子と……」


息を飲む。静寂。とはこの事。わたくしは訳分からん。とお父様の膝ぺしぺしする。


「それは……まずいな……」


あ、思いの外真剣だった。大人しくしますね。


「リィ……わたくしの可愛い娘……」


お母様が席から立ち上がり、そっとわたくしの傍に来る。そしてお父様の足元に座り込み、わたくしと目線を合わせる。

お母様の真っ白でシミひとつないキレイな手が、わたくしの頬を優しく撫でる。


「おかあさま?」

「リィ……今から言う事をしっかり覚えておくのよ。」

「あい。」


噛んだわ。ごめんなさい。緊張してるんだ。


「あなたは、これから色々経験をすると思うわ。お友達が出来て、お慕いする殿方も現れると思うわ。」

「はい。」

「でもね、あなたが心から信じても良いと思う人以外の人に、あなたが神の愛し子だという事は教えてはいけませんよ。」

「?……どうして?」

「神の愛し子というのは、神様から授かる特別な加護なのよ。リィ、あなたは頭が良いから分かるわね?」

「……かみさまが、わたくしをいちばんみていて、だいじで、わたくしになにかあったら、たいへんってこと……?」


恐る恐る口にすると、お母様がゆっくりと頷いた。

神様ェ……なんつー加護授けてるんや……教会に祈りに行く保険ですか?行くって約束したじゃんかぁ。チートの一部ですかこれは。


「そうよ。賢いわね。偉いわ。」


にっこりと微笑むお母様。ふと、私の体が持ち上がった。お父様が立ち上がり、わたくしをゲイルに預ける。


「しばらくリーリエを部屋に。お前は、後から来るように。」

「かしこまりました。お嬢様、旦那様と奥様は大事な話があるそうですから、お部屋に戻りましょう。」


わたくしを預けたお父様は、お母様の肩をそっと抱いて背中を撫でている。そんなにやばいのか、愛し子は……。

わたくしはゲイルの言葉に頷いた。



何もかも見切り発車で、亀更新で申し訳ありません。

のんびりお付き合い頂けたらと思います。

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