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人類は一度記憶を失っている

作者:Ikuzim
かつて人類は、記憶を一度失っている――。
その真実を知る者はもういない。だが断片は神話や伝説として、時を越えて残されてきた。

火星の赤い大地に築かれた都市。
そこには繁栄も、叡智も、そして滅亡の影もあった。
数億年の時を経て、環境は崩壊し、人類ははこぶねに乗り、青い星――地球へと逃れた。
だが、移住の代償はあまりに大きかった。
文明の記録は霧散し、記憶は途切れ、残ったのは神話という影ばかり。

大洪水伝説、天空の塔、火の雨。
古代の人々が語り継いだ物語は、真実の残響に過ぎない。
「なぜ我々はここにいるのか」――その問いに答えられる者はいない。

ただ一つ確かなのは、地球は最初の故郷ではなかったということ。
蝶が一度サナギの中で溶け、再び羽ばたくように。
人類もまた、一度すべてを失い、忘れ、やり直した。

そして今、新たな時代に生きる私たちは、ふと気づく。
過去を忘れたまま進めば、同じ過ちを繰り返すのではないか、と。
滅びか、再生か――。
この物語は、かつて失われた記憶をめぐる、人類のもう一つの歴史である。
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