【プロットタイプ】自分を最低基準に置くな
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
意外と指導者に向いてるの、瑠衣なのかも知れない。
という意見。
何処までも事実と結果に基づいた自信って、独りよがりじゃないんですよ。
だからそういう人が好きです。
指導する側に必要なのは、何も分かり易い説明だけではない。その事を、彼奴は果たして分かっているだろうか? 何分、頭が良い上に謙虚だから。
最近、諭羅が自分の妹に小説の書き方を教えている。其れは前に会った時に聞いた。別に此奴の小説に対する思いは俺も認めているから、技術に関して言えばそこまで外れた事は言わないだろう。だが問題はそこではなく。
「お前、自分を最低ラインに置くなよ」
これだけは絶対に忠告して置きたい事だった。
頭の良い人間にありがな傾向として、『自分が分かるから、相手も分かる』というものがある。つまり自分の目線で物を教えてしまうのだ。其れで起きうる障害が『説明を端折る』。一語一句説明しなくても、断片的な情報だけ伝えて満足してしまう。
すると初心者は大抵間違った方向に進み、投げやりになってしまう。だから最初はある程度、初歩の初歩、さも当たり前な事であっても説明する必要がある。
「お前は頭が回る分、説明を省く癖がある。其れを教え子にもするなよ」
「君に言われたくはないよ。瑠衣。けれども君が思っている程、私は賢くないよ」
その言葉を聞いた時、俺の今の忠告が欠片も此奴の心に響いて無いことを思い知った。
指導者に必要なものは、何も分かり易い説明だけでは無い。自分を含めて、如何に、どれだけ脳内を客観視出来るかに関わってくる。
自分のレベルと相手のレベル、其れにどれだけの差があるのか。どんな言葉を掛ければ相手は納得するのか。そこを認識した上で、分かりすい説明をする事に繋がる。
だからこそ、自己肯定感の低い奴は指導者に向かない。あくまで自分が出来る事を事実として認識出来ないから。下手な謙虚さがそれさえ霞ませてしまうから。
「……まず第一に、俺は鏡花だけでなく、お前の事も相応に認めている。この言葉の意味が分からないお前では無いだろう?」
「分かっているよ。君は何かの為に全てかなぐり捨てられる人間以外、決して認めない。つまり君に認められる。という事自体、誇りに思って良い事だ」
そこまで分かっていて、何故自分を最低ラインに置きたがるのか。
「其れでも……私は君に遠く及ばない……。其れは弁えているよ。そこまで奢っても、身の程を知らない訳では無い」
冷ややかな声だった。俺が本業と比べて自己嫌悪に陥った時の声だった。
あぁ、お前は失望したからこそ、自分を最低基準に置いたのか。
瑠衣たんの事『イキってる』って思ってる方、どれだけいらっしゃるんだろう。
だとしたら私が原因ですね。
私が描写した以上に、瑠衣は様々な努力をしてます。
決して天からの授かりものだけで、物を書いている訳ではありません。
努力の先に失望や絶望を感じて、創作に関して物を言ってます。
まぁ何が言いたいかと言うと、経験とか努力によって、誇ったものって、決して嫌味に感じないよね。ということ。
『あんた程の者がそう言うなら……』って事です。
苛立ちではなく、恐怖や畏怖が来るという事。
決して独りよがりな自信から来る言動ではないと言うこと。
事実と結果に基づく自信だと言うこと。
そして指導者にとって、何よりも必要なその目を持っているから、瑠衣が一番良いかなと。
口は悪いんだよなぁ。
結構端折るんだよなぁ。
でも『分かりません』って態度取ったら、口悪くも説明入れてくれそうなんだよなぁ。
では、本題に戻りまして。
前にもお話した通り、頭の良い方は説明を断片的にしかしません。其れで全てが分かってしまうから。
無駄なことはしねぇ。精神なんですよ。
でもまぁ、初心者はそれをされると『( °꒫° )』の顔です。
だから分かり易い説明をする前段階として、今の自分のレベルと、相手のレベルを正しく認識する必要があるんですよ。
ただ、自己肯定感が低い人って、これが多分出来ない。
自分を過小評価してしまってるので、
『駄目な自分でも分かるななら、自分より頭の良い方はこんな説明でも分かる』
という傾向に陥りやすいんですよ。
だから瑠衣は
『お前は人を認めたがらない俺が認めてやった人間なんだから、もっと自信持てよ』
と言ってるんです。
でもそれに対して諭羅は
『其れは分かってる。でも君程の熟練じゃない。其れは弁えているよ。
だから自分を最低基準に置かないと、駄目だと思うんだ。これぐらいは出来て貰えないと駄目だと思うんだ』
と返しているんです。
自分より各上の相手と出会った時、自己肯定感が下がります。そりゃ当たり前。
瑠衣もそんな失望や絶望を知っているから、何も言えなくなってしまったという話。
結局根本が似てるんですよ。
ほら、絶望も失望も知った仲だから。
其れでも『うるせぇ!! 書かせろ!!』精神で行動しているから。